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絶えぬ命と

 雨が降っていた。

 空は光り輝いて雨粒は黄金に煌めいて、命を振り撒いた。

 雨はすべてを貫いて世界を覆う。

「君にしては綺麗なやり方だね」

 そう言って、この世界を創めた神様は消えた。

「…………これが、罰ってわけだ」

 雨音だけが響く世界でセイドは大の字になって雨を受けていた。

 永遠の命があった者たちも神様だった者たちも耐えられないほどの命に打たれて尚も、その身体は際限なく命を喰らい続ける。

「命が人を殺す世界で、命で人を殺した人間の罰か。神様も俺以外の誰も無い此処で罰を決めた奴が居るかよ」

 終われない身体に対する怒りが自虐となって口から洩れた。

「神様流に言えば、命の神ってとこか」

 退屈が面白くもない言葉を紡いでも途方もない時間が減ることはない。

「俺の役目は終わったはずだろう。世界は救われたはずだろう。なぁ救世主、お前は世界を救っただろう?これだけ命を持て余して、世界中命で満たしてやって、他にやることなんてあるのかよ」

 口を開けば愚痴が零れる。

 永遠の命を与えられていた神意たちの死に対する願いを知った気がした。

 ひたすらに世界を繰り返してきた創める神の苦痛を知った気がした。

 終える神が如何に仕事上手だったかを知り、救う神が如何に不器用だったかを痛感した。

「俺はただの人間だったはずだろう……」

 身を起して両の手を重ねた器に降り注ぐ命を溜める。

 揺れる黄金が命と知っても、それを人や神にすることはできなかった。

「……これじゃ、十分ただの人間か」

 救う神より不器用で、創める神より力不足で、終える神に憧れた。

「止めるか」

 それだけで命の洪水は止まり、輝く空も七色の虹を描く青空になった。

再編、続編思案中です

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