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第11話:謎の少女(5)

 翌朝、ロゼの案内でこの村で一番美味しい食堂へと案内してもらった。


「ここの店で出される麻婆豆腐はとても絶品なのよ」

「へえ、それは楽しみですねルクスさん」

「ああ。そうだな」


 三人で同じテーブル席に座って料理を待つ。

 しばらくすると赤い大皿に乗った麻婆豆腐が運ばれてきた。

 白い湯気が天井へと昇る。すごく美味しそうだ。

 取り皿でそれぞれの分をとって、主食の白米と一緒に口へと運ぶ。


「旨味のある辛さですごく美味しいですね。お箸がとても進みそうです」

「喜んでもらえて良かったわ」

「ロゼは色々なお店を知っているんだな」

「この村には一か月ほどいるからね。近くには潜魔洞もあって修行もしやすいから気に入っているのよ」

「潜魔洞?」

「天魔神教の修行施設よ。この村から二日で行ける距離にあるわ。楽しい場所ではないけれどそこで修業をするとすごく強くなることができるのよ」

「へー。そんな場所があるんですか。ルクスさんも行ってみたいですか?」

「いや、別に。俺はもうスローライフを送ると決めてるからな。強さにはあまり興味がない」

「それは残念ね。アナタほどの強さがあるなら巨魔にだってなれそうなのに」


 巨魔とは、魔王軍の大幹部のことを指す言葉だ。

 "魔"というワードがついているので縁起が悪く、一般的に人に対して使う言葉ではないが、天魔神教の地では特に気にすることなく使用されているようだ。


「ロゼさん。巨魔ってどれくらいの強さなんですか?」

「10万人いる天魔神教の信徒でも巨魔と呼ばれるほどの武人は30人もいないわ」

「それはすごいですね! ルクスさんの才能はその三十人に匹敵するってことですよね」

「流石に俺を持ち上げすぎだ。俺はそこまで強くないよ」


 俺は謙遜する。


 その時、楽しい食事中に突然……

 店内から男性の怒鳴り声が響いてきた。


「おい! てめえ! 俺の大切な息子がお前の料理を食ったせいで歯を怪我したじゃねえか」

「い、いたいよぉ。パパ~! この麻婆豆腐に硬い石が入ってたんだ~!」

「んんんなぁあ~にぃ!? やっちまったな! おい、クソ店主! この責任、どうやって取るつもりなんだ!」


 親子と思われる武人が店員に激怒している。

 さらに、剣をチラつかせて脅迫まがいの行為を行っていた。

 完全にクレーマーだな。

 俺はため息を吐いて椅子から立ち上がった。


「ルクス。奴は胸に勲章をつけているわ。あれは本教からやってきた武官の証だから手を出すと面倒よ」


 すると、俺のこれからの行動を察知したロゼが慌てて制止する。


「だったらロゼのためになおさら止めてやらないとな。天魔神教にあんな屑は必要ないだろ?」

「~~~~~!?」


 俺の一言にロゼの顔面が、ボンッと音を立てて赤くなった。


(なにこの気持ち。彼の顔を見ようとするだけですごく顔が熱くなるわ……!)


 その間にも屑武官は剣を抜いて、ついには目の前の店員を斬ろうとする蛮行に及んだ。

 俺は一瞬で屑武官に接近して、剣を握る方の腕を掴んで止める。


「そこまでだ」

「なんだぁ? てめぇ」


 オーラを測ったところ、魔将にも値しない二流武人。

 こんな奴は殴るだけの価値もないが、声をかけたからには一応この場を納める必要がある。


「おい。さっさと手を放しやがれ! 殺されてえのか! 俺は本教からやってきた武官だぞ!」

「黙れ。武官の風上にもおけない屑め。懺悔の用意はできているか?」


 俺はそう告げると武官に向けて電撃を放つ。

 現在俺が握っている右腕を通して奴の体内に上級魔族を即死させるほどの電流が流れる。


「ぐわああああああああああああああああああ!?」


 俺の雷撃によって奴の体がビリビリビリと感電して気絶した。


「出た! ルクスさんのビリビリだ!!!」


 何度も俺の技を見ているアリアンナがそう叫んだ。


「体内から電撃を放出させる武術なんて初めて見たわ。彼は本当に一体何者かしら?」


 ロゼは感心するようにそう呟いた。

 悪の武官を倒したことで、店内から俺に対しての賞賛と拍手が送られた。

 その後、俺はその武官を店の外に放り捨てて食事を再開した。


【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人


【登場人物】

ルクス:化境の武人。

アリアンナ:エルフの女の子。


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