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隠くしてる身としては1人で待ってるのは怖いよね。
「じゃあ2人で来て貰うのは無理なのかなぁ…?」
やっぱり文字通り私の臀部を削ってカインに連れてって貰うしかないかぁ…
それまでしてもやっぱり岡本さんには色々聞きたいし…それに。
チラッとイルーナ君を見ると目が合って微笑まれた
でもその笑顔は寂しそう
そうなんだよね、皆の魔法の接点は絶対私と有ると思うんだ。
リンゴを売りに来たお婆さん
絵本の中ではあれは継母だけど…私に言った言葉からしてローブの男と関係してるに決まってる
「コイお姉さん」
「ん?」
「凄く考え込んでますね?」
前の席に座ってるイルーナ君が少し笑いながら私の顔を指差す
顔?
「考え過ぎて百面相してるって事だろ?年増なんだから自分から皺作る行為するなよな、勿体無い」
イルーナ君に話し掛けようとすると隣からまた失礼な言葉が飛んでくる
「アンタねぇ!」
「綺麗な顔が勿体無いって王子は言いたいんですよ?皮肉な言い方したら伝わりませんよ?」
「別に…」
イルーナ君の助言にカインは私からソッポ向いてしまう
え…それって…もしかして貶されたけど褒められた系?
どっちなのよ…。
「とりあえずイルーナ君っ!私、やっぱり白雪姫は皆と会わないと駄目だも思う、関係が無いなんて思えないの…例え運命の相手が双方違ったとしてもだよ?やっぱり…私、まだいっぱい聞きたい事あるよ」
「コイお姉さん」
「毒リンゴの件だって…うん、カイン私を連れてってよ」
痛いから嫌だ…
本当は凄く嫌だ
でもさ、このままって訳にはいかないし、白雪姫の事情もなんか複雑だし
「……嫌だ」
「は?」
「だから連れてくの嫌だって言ったの。耳まで遠くなったのか?」
「ちょっと王子っ……」
「何でよ?昨日まではお前が着いて来いって散々言ったでしょ?」
バリバリの亭主関白発言してたじゃねーかよ!
「俺はもう関わりたくねーの!」
「アンタね、一応物語の主人公なのよ?『俺やーめた!』って都合よく辞められるわけないでしょ?」
「物語って……あぁ、世界の?」
「そうだけどっ……でも確かにもう物語じゃなくなってるのはわかるけど……じゃあ!アンタは姫捜しどうすんのよ?前に提案した舞踏会開いてお姫様探すの?予言の姫じゃないと駄目なんでしょ?」
「そーだよ、運命の姫…予言の姫」
「…………」