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でもさ…でもね?
此処は私の憧れてた童話と言うかおとぎ話の世界でどこを見ても私のドストライクな職業の人ばっかりなのよ
しかも仮にもカインは王子様なんだよ…本当に白雪姫の王子様…どんなに性格悪くっても顔は美少年だしさ
「痛っ!」
「お前はいつまで突っ立ってるんだよ?」
「コイお姉さん、挨拶が遅れました。ただいま」
「おかえりなさい、イルーナ君。ドーナツあるけど食べる?」
カインに頭を叩かれて席に座り自分が作ったわけじゃないのにドーナツを薦める私
自分…最低じゃないか?
これはニーチェの傑作品なのに我が物の様に
まるで師匠が弟子の作品を偽ってる気分だ
「お昼がドーナツでビックリしましたよね?ニーチェはどうしてかドーナツしか作れなくて」
「アハハ、ねぇ…」
そうだよね、バレバレだよな…。
私の手料理アピールに失敗した女って感じ
「でも凄く美味しいですよね」
「うんっ!だから他のお菓子も挑戦したら?って言ってた所なんだ」
「そうですよね、昔からニーチェは1つの事を極めるタイプだったので…あぁ、それより今日の成果を報告しますね」
鞄の中からノートを取り出してペラペラ捲ってるイルーナ君と文句を言った癖に隣で何個もドーナツを食べるカイン
「成果ねぇ…」
「ちょっと食べながら喋らないでよ!」
そんな姿も絵になるからムカつくわ
世の女の子は『や~だぁ!王子ってば溢れてるわ!可愛い』とか言うんだろう…
ついてもない口元に『あら?忘れ物よ』とか言って取るんだよな、小悪魔女子は。
これが不細工だと『汚ぇなぁ!顔もだけど食べ方も最悪だな!』とかだろう
うん…やっぱり顔って大事だな
「確かに、成果と言える事は無かったです」
「やっぱり来てくれなさそう?」
私の問にイルーナ君が頷く
そしてやっぱり渋ってるのは白雪姫らしい
岡本さんは私達と会ってみたいとイルーナ君の話を聞いて思ってくれたみたいだけど。
勿論、城の兵に見つからない様に夜に村を出て此処に来る案とかを出して岡本さんに馬に乗せて貰って来るとか伝えた見たいだけど…もしかして私と同じく臀部の痛みが嫌で拒否してるのかと思いきや違った
白雪姫は此処に来ると言うかもうあまり関わりたくないと言ったみたい
「自分は今は岡本さんと一緒で幸せでリスクを侵してまで街に来るのは嫌だと」
「まぁ、その気持ちは解るからな」
「カイン…」
「俺も別にもう関わらなくてもいいからさ」
2人とも運命をちっとも感じてないんだよね…。
白雪姫とその王子様なのに…メルヘンの王道なのに。




