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「やっぱりお前が一番美しいな…」
「…っ…お父様、継母様が……」
「白くて柔らかい肌だ…弾力も良い」
気持ち悪い
さっきから大きなゴツゴツした手が私の肌を触ってる
触れるだけならまだ…撫でる様に滑らして行く手が厭らしい
触ってるその人が自分の父親だなんて…本当に気持ち悪い
小さい頃は愛情なのだと思ってたけど年頃になって気付いた
この人は異常者だと
「お父様、私は侍女と出掛けるので失礼します」
するりと父親から離れるのも慣れたものだ
最初の頃は逃げるのも怖かった
「そうか…夜にまた部屋に顔を出そう、その時はもっと味あわせてくれ」
何を……
「継母様の用事で居なかったらごめんなさい」
「この頃忙しそうだな…」
気持ちの悪い発言を作り笑顔で交わしてお決まりの言葉を言って部屋から出る
触られるくらいならまだ良い
「おい、姫だ…」
「相変わらず可愛いな」
擦れ違う兵士達の声に笑顔を向けるとそそくさと行ってしまう
笑顔を向けるのも危険な事だが逆上されても厄介だ
前に勘違いした兵士を罵倒して襲われそうになった事が何度もある。
そんな兵士達は異常者の命令で打首になったけど
いつまでこの手で交わせるか…
「いつ味方に襲われるかわからないし…」
男なんて皆厭らしくて気持ち悪い
女も嫉妬の塊で醜い
『姫は運命の相手と必ず幸せになれます』
昔、自分がされてる事を唯一相談した妖精が私に言った
継母には『穢らわしい』とか『他言無用』と言われて誰にも言えなかった事だけど…泣いてる私に妖精が現れてそう告げた
暫く妖精は私の前に姿を現しては慰めてくれたけど…大人になるに従って現れなくなった
ううん……見えなくなった
私が汚い大人に近付いてるから
嫌な事をされても素直に泣かなくなって笑うようになったから
だって妖精は慰めてくれるけど助けてくれないじゃない?
だから学んだの
嘘の笑顔で自分を守る術
「運命の相手ね…」
勿論、侍女なんかとの用は無い私は城の外の森に足を踏み入れる
侍女も私の事を好いてはいないから、心配になって探しもしない
外と言っても塀の中
私はこの中から出られないから
運命の相手が居るなら早く此処から出して欲しい
でも……
その相手も男よね?
私を見て欲情して乱暴するのよね?
そんなのが運命の相手?
「………気持ち悪い」
言葉とは裏腹な綺麗な森の中から空を見上げると鳥が一斉に飛んでいった




