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現代の男なら『思わせ振りな最低な小悪魔女』とか言うんだろうなぁ…
そして無理矢理にでもキスしたり
もう全部…なんだけど…ごめんね?
カイン、やっぱりこの状況でカインの胸に全身で飛び込むのは出来ない
もし…もし、戻って戻れなくなったらって
「カイン…」
「お前は俺の運命の姫だから絶対ずっと俺の傍に居るから…いや、居させるからな」
「ちょ…カイン…」
唇じゃなきゃ良いと思ったのか頬や額や頭に軽くキスをされてると
「あのー!凄くお取り込み中申し訳ないんですけど…宜しいでしょうか?」
とても小さな女の子の声じゃないネットリとした…まるで会社のお局様の様な声が後ろから聞こえた
「サーシャちゃん!」
直ぐにカインの膝の上から退いて距離を取る
「そう思うなら話し掛けるなよ、ずっと見てたくせに」
「気付いてたの?!」
ちょっと…嘘でしょ?!
今のやり取り…と言うか私の小悪魔最低女振りを見られてた?
しかもお局様に!!
「別にそれよりお前に夢中だったし…」
「あぁ~!もうちょっと黙ってカイン!」
せっかく距離を取ったのにカイン口を思わず手で塞ぐとそのまままた抱き締める様に元の位置に戻された
そう、カインの膝の上に。
「別に構わないんだけど長くなりそうだったし?コイお姉さんって実は結構積極的なのね?」
「サーシャちゃん!」
含み笑いをしながらサーシャちゃんは付け加えた
「それに金貨王子ってば今まで本当に恋してないのね~コイお姉さんの気持ちちっとも理解してないし…コイお姉さん、今からでもイルーナ辺りに乗り換えない?」
「ちっともって…コイは俺に関心を…」
「だからそれなんだけど…こっちとしてはコイお姉さんを取られたくないからシーク以外から選んで欲しいから教えてあげないっ!ねぇ、イルーナがやっぱり良いと思うの」
「サーシャちゃん」
私の手を取っ立ち上がらせてくれるがそれは然り気無くカインから距離を取る行為だ
やっぱり私がカインをかなり全部的な感情で好きだと気付いてるよね?
そうじゃなきゃ今までキスもした事無い私が例え頬でもしたりしないもんね…
「大人になるとけっこうイケメンだと思うのよ。眼鏡で隠れてるけどさ…でもほら!インテリ眼鏡って人気あるじゃない?」
インテリ眼鏡って…本当にサーシャちゃんって向こうの女の子みたいだな
「おいっ!声掛けたって事は用が有るんだろ?」
「白雪姫…起きたの?ごめんね?大変な時に…その…」
うわーこんな時なのに私ったら…何してるんだろう…恥ずかしいよぅ