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127『【衝撃の事実】織田信忠、《本能寺の変》三日前に愛宕山にて明智光秀と出会っていた!』

○信忠、愛宕山にいた証拠文献


『イエズス会日本年報』によると――


信長の世子は、名を城之介(信忠)殿と言い、

元来我等の教えを好み、パードレ達を庇護し、

聖堂を建つる地所ならびに十字架を建つる野を市内に与えたが、

その父を喜ばせ、或は時期を待つためか、または父と同じく欺かれてか、

その死する少し前、甲斐の国王に勝ち、その四カ国を占領して帰った時、

同地方で非常に尊崇されたる偶像を持ち帰り、

これを尾張の国に安置して、一層尊崇する事を命じた。


而して、最近都に着いた時、同所より三レグワの所に在る、愛宕と称する悪魔に、勝利に対する感謝を表するため、二千五百クルサドを納めた。

而して、同じ悪魔に、尊敬を表するため、家に帰って雪をもって体を洗った。

これは一種の犠牲である。 然るに、この奉仕の報いとして、

その後、三日を経て、左に述ぶるが如く、

体に多くの傷を受けて死し、魂は地獄において焼かれた。


――この文献のタイトルは、

『1582年11月05日付、口ノ津発

パードレ(宣教師)、ルイス・フロイスが、

信長の死につきイエズス会総会長に贈りたるもの。』


和暦では天正十年十月二十日付のもので、当然同年六月二日の『本能寺の変』の後に書かれたイエズス会本部へのルイス・フロイスの報告書です。

この日の報告書は本当に興味深い記述が多くて――

なんと前述の『織田信長が神と称した』と記されたのもこの報告書なのです。


内容は、いつものごとくフロイスがキリスト教視点で記しているので、反キリスト的な物事に対しては悪魔とか地獄とか物騒な言葉とかでてきますが、

シンプルに要約・解説すると――


織田信長の世継ぎである信忠は、信長と同様にキリスト教を保護している。


しかも、武田勝頼を倒しその戦利品として甲斐の国から、有名な仏像をもってきて、信忠の領地である尾張に安置した。

それを皆に参拝するように布告した。

――つまり父である信長同様、宗教の平等の精神を信忠も引き継いでいるということが解ります。


そして京都に凱旋した後に、愛宕神社に訪れ――

対武田氏戦勝のお礼に寄付金を納めた。

――その後に信忠が京の宿所としていた妙覚寺に戻ってから、雪で体を洗った。

この行為は(みそぎ)とみられ、お清めもしくは何かの祈願とも考えられるが――

愛宕山に訪れた三日後に本能寺事件で戦死(自決)した。



――ということで、織田信忠が、本能寺の変3日前に、愛宕神社に参詣していたことが、フロイスの報告書から解るのである!


この信忠が二十八日に愛宕神社にいたという根拠が証拠文献が、『史実』として認定されれば――


まず一番控えめな説としては……

その日、愛宕神社で連歌興行をしていた明智光秀と“ニアミス”していたことになる。


――ただ、当時流行の連歌興行をしているのに、しかも偉大なる父である信長の重臣中の重臣である光秀がいるのに、スルーして帰ることがあり得るであろうか?

何故なら、信忠が愛宕神社に訪れたとしたら――

今回神社への『奉納』を前提とする性格上、連歌興行自体を秘匿・隠匿して行っているとは考えにくく、つまりは信忠か神社に訪れたとしたら連歌興行に気付かないということは――

あり得ないことだからである。


それよりも何よりも――

そもそも、織田政権の次期トップの信忠と信長政権のNo.2ともいえる光秀が偶然……その場所に二人ともいました!

……なんてことがあり得るであろうか?


――そう、そうなのだ!

――つまり、二十八日に信忠が愛宕山にいたことが、フロイスの記述通り《真実》であるなら――

織田信忠は、愛宕神社で連歌興行をしている明智光秀に会いに来た――という説が成り立ってしまうのである!


これが真実であれば、

――これほどの衝撃の事実はありませんよね!?


そう、何故なら――……



次回、『さらば!本能寺の変~全ての説が消滅する日~』


乞う、ご期待!

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