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125『招かざる者』

この『愛宕百韻』連歌興行――

何故、里村紹巴が意図的に計画的に一句足らずにしたのか?



この答えは……実は簡単なことなのです!

……ヒントは、あと一句で……百句に成るということです。


――そうです!


何故、一句足らずにしたのか?

それは……

最後の一句は――“ある者”のために、わざと開けておいたからです。


つまり、逆に言うと、最後の一句で『百韻連歌』が完成する状態にして、その最後の一句を待っているということです。


そう、宗匠の里村紹巴に指示を出して、『百韻連歌』を九十九句で待機中にさせたのは――……


「……」

主催である行祐、宗匠である里村紹巴は、お互い顔を見合わせ頷くと――

「今日の百韻連歌、あと一句で終わりとさせて頂きます」

と紹巴が場を仕切る。

この連歌興行に参加する者たちは、皆おのおのの顔を見合っているなか……

「――光慶」

と、明智光秀は、連歌興行に連れてきた十四歳の嫡男光慶の顔を見て、声をかけた。

「はい」

と光慶は父光秀の顔を見て少し頷くと、少し手を挙げて宗匠の紹巴に合図すると、一句歌を読み上げていく――



  『国々は猶のどかなるころ』   



そう、この『愛宕百韻』最後の句を詠んだのは、なんと光秀息子の明智光慶であった。

そして光慶が、句を詠んだのは、この一句つまり――

連歌で最後の一句を「挙句(あげく)」というので、

光慶が今日詠んだ歌は――この挙句、一句だけであった。


「お見事!」

紹巴は、堂々とこの連歌興行の〆である挙句を詠んだ光慶を誉めた。

「はっ、ありがとうございます」

と光慶は会釈すると嬉しそうに父親の光秀の顔を見てニッコリ笑う。

「うむ」と、息子に合わせて微笑みむ光秀であったが……

「……」しかし、その息子の顔を見る明智光秀の顔は、何故か一瞬……強張ったかのように見えた――


……いや、光秀が見つめるのは光慶の顔をではない。

光慶の先――

そう連歌興行を行っている部屋の外……

そう廊下に佇むのは――


主君織田信長―――



の、後継者――


といえば、羽柴秀吉――


ではなくて、


そう織田信長嫡男――


――《織田信忠》であった!



――この意味が解りますか?


そう、本作は小説風な場面もあ多々りますが……

論説ですのて、

そうつまり――


ここに信長の嫡男である信忠がいることは――

『史実』だということです!


「ば……、馬鹿な」

「そ、そんな話、信忠が『愛宕百韻』の場にいたなんて……

――聞いたこと無い」

「これが本当なら、本能寺の変の『歴史』が、変わってしまうではないか?!」と読者様方の声。


――そうです、

通説では、この明智光秀が織田信長対して“謀反を決意した”とされる『愛宕百韻』連歌興行の場に、

織田信長の嫡男である信忠がいたことが本当なら――

そうその根拠があったとしたら――


今まで語られてきた『本能寺の変』の通説の全て、

いえ、通説だけでなく黒幕説その全てが――

今日をもって消え去る運命なのです!



次回予告


通説・陰謀黒幕説の全てを否定する“招かざる者”――

織田信忠!

この者の登場の意味とはいったい?


次回『織田信忠』


信忠と光秀が愛宕に集う時――

その全ての計画は動き出す――!


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