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122『そもそも光秀は源氏なのか?』

……さて、話が《エヴァンゲリオン計画》に向けて盛り上がってきたところですが――


その前に、

光秀の発句が『謀反決意表明』ではない理由はまだあります。

もう一つ反論材料として、《明智光秀出自の謎》があるからです。


今まで源氏の名門土岐氏の流れをくむ明智氏が出自として、連歌説明を述べて来ましたが――

実は明智光秀の出自が、源氏ではない可能性もあるのです。


「えっ……あれだけ、やれ源氏がどうの、やれ平氏がどうのと述べといて……」

と感じるかと思いますが――

本当、歴史には色々な説がたくさんあって、

根拠を上げて明智光秀は源氏という説もあれば、根拠を上げて光秀は源氏ではないという説もあるのです。


ただ『光秀は源氏ではない説』が本当であったとしても――

この『光秀非源氏』説では、

この光秀の発句を『源氏の光秀が平氏の信長を討つ』ととる説を実は、……完全には否定できないのです。


「え、光秀が源氏じゃないなら、

平氏を討つという『源平交代思想』も成立しないはずなのに……

なぜ、否定できないの?」

と感じる読者も多いかと思いますが、


もし、光秀が実際は源氏の血筋ではなかったとしても――

光秀自身が、自分は源氏の血筋と思い込んでいた、

または源氏の血筋ではないと知っていたが、

悪である信長を討つため、『正義の味方?源氏』に光秀が成りきって発句を呼んだという反論の説が出てきてしまうからです。


――そう、歴史好きの読者様なら思い付く方もいると思いますが――

例えばあの有名な『三国志』の蜀漢帝国の初代皇帝となった――

劉備玄徳の話です!

もともと劉備は、“むしろ売り”の貧しい青年でしたが――

『漢帝国の皇帝の子孫』だと実際には真偽不詳ながら、

劉備自身は自分で信じていて、周りの皆をどんどん巻き込んでいき、本当に皇帝となった話を思い出しますね。


――ということで、拙者としては、

光秀が源氏ではない説は、

光秀『謀反決意表明説』の反論材料としては弱いと感じます。


そう、だから今回は『そもそも光秀は源氏なのか?』というタイトルですが――

『本能寺の変』の考察においては、光秀が血統的に源氏でもそうでなくとも正直あまり関係ないのです!


――そうただ一つ、

織田信長の支配地にある愛宕神社において、ただでさえ耳目を集める今世間で話題の流行である連歌興行を、しかも連歌界のスター・有名人である里村紹巴が参加する連歌興行を、公共の場というか誰でも来れる神社で日中に行い、

しかも詠まれた連歌を記録し本能寺の三日前に奉納されるというこの事実だけで――


明智光秀の発句――


《ときは今 あめが下しる 五月かな》


は、「光秀の謀反の決意表明ではない!」と否定できるのである。



しかし、ここでまたもや読者の理路整然とした反論――

「でも、ここまでの反論が正しかったとしても、

光秀の発句が『謀反決意表明』ではないということが解っただけで、光秀に謀反の意志が無かったということにはならないですよね?


――だから、光秀の『決意表明』ではないからと言って――


この発句が、

作者がたぶんこれから述べようとする、

信長による福音書『エヴァンゲリオン計画』に対する決意表明にはならないし、

そもそも、紹巴が羽柴秀吉に弁明したように、

光秀の発句は、本当に『五月雨の句』を読んだだけかもしれないですよね?」


「……た、確かにその通りです」

またもや、読者様の的を得た反論にたじたじとなる拙者ですが……


しかし実は、光秀の発句が、エヴァンゲリオン計画への決意表明であるという証拠が……あるのです!


「そんなの、本当にあるの?」と読者の声、ですが……


次回予告


光秀が愛宕神社で謀反の決意表明をしたのなら、

何故あなたも、そこにいるのですか?


今度こそ次回『招かざる者』


その者の名前は、まさかの………



――乞う、ご期待!




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