書籍感想&誤字脱字置き場設置と言う名のある日の日常
書籍の感想を書く場所が欲しいとリクエストいただいたので書籍購入ありがとうございますのSSをあげてみた。なお、飲んでいるだけで内容はない模様。
書籍の誤字脱字のお知らせもこちらにぎゅっぎゅっと詰めて貰えば(吐血)
ラピスとノエルは眠って、成人組で集まっている。思い思いに腰掛け、テーブルの上には酒とつまみと甘味。今日は全員珍しく揃って赤ワイン。スモーキーな香りときりりとした酸味――と、説明に出たワインで当然私には味の違いがわからないわけだが、酔わないことをいいことにちょっと口をつけてみている。うん、渋いし紅茶でいいです……。
「フォアグラの甘味が引き立つわ〜。それにスパイシーさとも合うし」
薄く切ったバケットにフォアグラと彩りに胡椒の赤い実を乗せたものを口に運んでは、ワインに手を伸ばすカミラ。
「合うっつったら肉だぜ肉!」
「口の脂をきりっとした酸味が洗い流してすぐ次が欲しくなるね。スパイスともハーブともよく合うし、単品で飲んだり食べたりするより一緒に飲み食いする方が美味しい」
ガラハドが豪快な感じに飲み食いするのと対照的にイーグルはワインの香りをかぎながらゆったりと楽しんでいる。
ガラハドは赤毛の豪快でどこか人懐こい大男、イーグルは涼やかで品行方正、容姿も白い髪とアイスブルーの瞳という対照的な二人だが仲がいい。赤いドレスのグラマラスな黒髪の美女、カミラも混じるとそれぞれ違う個性なのにしっくりくる。
「主、どうぞ」
カルが紅茶を出してくれた。こちらは金髪の春の陽だまりのような印象の男だが、均整のとれた体は白い軍服っぽい詰襟がよく似合う。
「ありがとう」
ワインを脇に追いやり、早速紅茶に口をつける。料理はさっぱりだというが、お茶を淹れるのは私より上手いかもしれない。人に入れてもらったお茶は美味しい。
同じく紅茶を飲み、甘味を食べているレーノ。ドラゴニュートの白っぽい面のような顔は最初表情が読みにくかったが今はだいぶわかるようになってきた。ドラゴニュートの外見はドラゴンの姿が様々なように個々で大分違うらしい。
バハムートは外殻が金属質に見えるような姿だし、ナルンは青い薄い鱗に覆われ水に濡れたように薄く輝く姿、海竜は対になった半分透ける美しい鰭がいくつもある見た目だった。ドラゴニュートもまたそんな風に違うのだろう。レーノは水属性のドラゴニュートなので鱗は目立たず、つるんとしている。
「異邦人はこっちに来るときに強く願った姿になるのよね?」
「ああ、そうだな」
酒屋の三階でくつろいでいるとカミラが思い出したように尋ねてくる。実際にはキャラメイクなわけだが、こちらの住人には「魂が願った姿」とか「魂の形をとる」とかいう認識になっているらしい。
「けっこう珍妙なんだが、なんかやたら少女多いよな」
「エルフの中には時々成長の止まる個体がいるようだけど……。――中身男に感じるんだよね」
ガラハドとイーグルが言い合う。住民の皆さまも気になっていた様子、魂の願った姿が幼女ってなんかやだな。だがしかし!
「私も幼女の姿をとればよかった」
レーノが夢中になっている本日のお茶請けは、モッチモチの薄い皮に包まれた苺が一つ入ったどら焼き。外見はどら焼きに見えんが見本にしたものがどら焼きを名乗っているのでどら焼きなのだろう。皮に餡で薄く包まれたみずみずしい苺とよく冷えた少しだけ苦味のある抹茶クリームを詰めたもの、バニラにほんのちょっと塩を効かせたクリームを詰めたもの。もちろんノーマルなクリームも。なかなか上手くできたのではないだろうか。
「いや、待て。なんで幼女」
「主……?」
表情が抜けた真顔でガラハドが、不審そうな顔でカルが。
「絵面的にもふるなら幼女の方が許容範囲が広いだろう」
顔は柴系のくせにゴールデンレトリバーのようなケイトのもっふもふの胸毛に加え、最近は獣人の獣化後の胸毛とかタテガミとか。まあ中身が異邦人だと萎えるので後者はどうでもいいのだが。白虎をモフるときでさえ、外では気を使う。何故成人男性を選んでしまったのか! せめて少年……理想を言えば戦闘ができるならいっそ猫になりたい。
「私はホムラがその姿でよかったな」
予想外にイーグルからの今の肯定。そしてチラリと固まり気味のガラハドとカルに目をやって言葉を続ける。
「ホムラが幼女じゃ側からみるとこっちがアウトになる」
私がもふもふでアウトになるか、イーグルたちがアウトになるかの二択だった。まあ、幼女の家に赤の他人の成人男子が泊り込んでたら事案だ。
「僕らが尻尾や鱗を気にするように人も見た目を気にするのは学びました。最初は大きさと色、雌雄の違いくらいしかわからなかったんですが、どうやら他にも貴方たちにとっての重要ポイントがあることも。でも小さかろうが若かろうが強い者に集まるのは普通なのではないですか?」
どら焼きを幾つか食べてとりあえず満足したのかレーノが会話に加わる。
「私は主が幼女でも気にしませんが、できれば成長はして欲しいですね……」
カルがワインを傾けながら言う。
全員美男美女なんですよこれがまた。ワイングラスの似合う集団の中で疎外感!
「幼女だったらそもそもルバとの飲み比べに誘ってないだろうからこうして一緒にいたのかわかんねぇな。そりゃちょっと寂しいからホムラはそのまんまでいいだろ」
「幼女はともかく女性だったら美女になってそうだけれど、飲み比べに誘うのはないね。その辺をふらふらしていたら神殿に送って行くよ」
「ありがとう?」
何故神殿? ザルというかワクな菊姫を思い浮かべつつ取り敢えずガラハドとイーグルに礼を言っておく。
「まず外に出さなくなりますね」
笑顔のカルがヤンデレっぽいのは何故だ。
「そうよ。ホムラはそのままでいいの! もふもふはないけどふわふわならあるわよ?」
そう言って私の座るソファの袖に腰掛け、そのまま上半身を絡みつくように私に向かって倒してくるカミラ。確かにふわふわ。いやぽわぽわ? たゆんたゆん?
「って、待て! もふもふよりこれアウトじゃないか!?」
思ったより酔っているカミラに慌てる私を見て笑っている周囲。この仲間に囲まれて幸せだなと思いつつもピンチです!




