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コツ編

 さてさて、キャラクターの差を明確にするためのコツだったっけね。

 ヒントは「選択させろ」です。


 実際の生活の中でも、選択をする場面はたくさんあります。レストランでのメニューの選択から、人生の重要な分岐点まで、人間が生きるということは選択の積み重ねだといっても過言ない。

 実は自分の前に選択肢を置かれたとき、Aを選ぶかBを選ぶか、どのような過程を経て選択を決定するかは、すべて性格のなせるものなのです。


ラーメン屋にて

「はいは~い、注文をまとめま~す!」

「じゃあ私はしょうゆで」

「え、あう? じゃあ私もしょうゆ」

「あなたはいつも私のまねをするんですね」

「あう、そうじゃなくて、えっと、じゃあ、塩」

「まあ、ずいぶんと主体性のありませんことね」

「はう~」

「はいはい、そこっ! ケンカしないっ! あ、あんたは何にする」

「ラーメン」

「は?」

「しょうゆや、塩……たべられない。ラーメン、たべる」

「そうか、あんたには、そこから教えなくちゃならんのか……」


 はい! あざとー、会話劇が書けないと思われている節があるのでがんばってみましたっ!

 

 かように、選択というのは人の心理の動きと、それに付随するキャラクターの性格を現すのに最適なのである。困ったときの選択頼み!


 なにも、毎回ラーメン屋のシーンを書けというのではない。

 何かを選ばなくてはならないシーンなど、いくらでもあるでしょう?


 冒険の最中、右へ行くか、左へ行くか。二人の男を同時に愛してしまった女がどちらを選ぶのか。卵が先か鳥が先か……そのまま物語のテーマになるものから、小話に使えるものまで、ネタならいくらでもあるのです。

 キャラが弱いな、と思ったら、そういう選択のシーンを意図的に入れてしまいましょう。


 難しいことではありません。まあ、難しくして尺稼ぎにも使えるんですけどねっ。

 たとえばコメディなど、敢えて人格を単純化したほうがネタとして使いやすいこともある。


「どれほど寒い朝であろうと、コーヒーはアイスで頼む、それが彼の信条だ。

 ホットコーヒーの香りを鼻腔の奥まで吸い込んでいられるほど安全な生き方はしていない……彼は冷酷な殺し屋であった。

『一緒に朝食をお持ちします。パンとライス、どちらがよろしいですか』

 フロントからの電話に、彼は一瞬躊躇した。

(どっちか、だと……)

 彼は冷酷な男だ。

 だからこそ朝は酸味のきいたコーヒーでトーストを流し込むのが似合っている、そんな気がした。

『パンを、薄めに切って、トーストで頼む』

『かしこまりました。バターがよろしいですか、それともジャムになさいますか?』

 男は冷酷だ。だから短く、こう答えた。

『ジャムだ』

『かしこまりました。本日、ジャムはアプリコットと、イチゴと、りんごと……』」


 きっと彼は、この後も続くであろう選択のすべてから、冷酷な答えを選ぶのだろう……って、冷酷関係ないやん!!


 ま、まあ、このように登場人物に選択する場面を与え、それに対する答えをストーリーの都合でも、作者の都合でもなく、登場人物自身に選ばせるのだ。

 それが冒頭の言葉の極意っていうか、真意。


 ほら、もう書きたくなってきたでしょ?

 だから、俺の小うるさい講座はここまで。

 さあ、レッツトライ! なのです!


例によって注意書き~

レッツトライするのはご勝手ですが、これ、本当にコメディーだから効果を期待しないでね?

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