第五話 ネーミングセンス?気にしない方向性でお願いします。
タイトルは私の願いでもあります・・・!
「ハァ・・・ハァ・・・ッ・・・ハァ・・・!」
焼けて炭になった研究室から全速力で走ってきた明だが、この城のつくりなど知るはずも無かった為
城内を出口に近づいたり遠くなったり、全くの体力の無駄遣い。
「待ちなさい!この・・・!」
「誰が・・・ハァハァ・・・待つか!チクショ・・・!ファイヤー!」
「なんですかそのかっこ悪い名前は!それと城を焼かないでください!怒られるに決まってます!」
両者とも減らない口数、物をニーヤが能力を使って投げてくるのを明がかわす。
避けながら逃げる明とそれを追いかけているニーヤの距離は徐々に減る、そして明が炎を出す。
研究施設を抜け出してきてからは、ずっとこれを繰り返している。
道も分からない、体力の差、これでは明らかすぎるほど明が不利だった。
(このままじゃ・・・ヤバイな・・・!でも道が・・・あ!)
明の目の先には窓。明は窓に走って近づいた後、炎で城を燃やしニーヤが少し動けないうちに窓を割って
外に飛び出した。
途端にものすごい勢いで落ち始めるが気にしていられない。
着地体制にはいる。
ズドンッと重い音と上からニーヤが指示を出している声も聞こえたがスルー。
とにかく城を出る事を第一優先しまた走ろうとしたが、明の足には激痛が走った。
それも無視して城の塀をよじ登り城を出た。
(あれ・・・?考えたら私のした事って犯罪・・・ちょっこれ逃げ出さないと・・・じゃあ城下町もでるしかないか!)
脳内で情報を整理して自分の行き着いた答え通りに行動する。
人で溢れかえっている城下町の中を息を切らしながら走り去ってゆく明、ぶつかっても足を休めず1本道を走る。
徐々に見えてきた城下町の入り口には見張りが2人ほど居た。
(殺しちゃうわけにもいかないか・・・!なら・・・)
明はここを出なければいけなかった。しかし一般人である明は人を殺す覚悟なんてものはない
そして明は見張りの周りだけを器用に燃やし、溶かした。この攻撃は攻撃できないよう威嚇も含めて燃やしたのだった。
そしてそのまま炎で門の横の塀をぶち破り穴を潜る。
そしてまた走って走って走り続ける。
人間の本気は本当の命の危機が迫っているときに発揮できるもの。
明の限界など高が知れているから、これは本気なのだろう。
そう考えればこの頭の回転のはやさ、炎、体力も不思議ではないとも考えられる。
走った先の森のような場所に駆け込みまだ走ろうかと足を前に出したがよろめき倒れてしまった。
「ハァ・・・ハァ・・・なっんで・・・!こんな目に・・・!」
地面にはいつくばりながら一人ポツリと言葉をこぼす。
乾いた森の地面をもう蹴ることが出来ないほどだった明はそれでもまだ立とうとする。
そこに、
「おい!大丈夫か?お前・・・」
「へ・・・ぇ・・・?」
突然響く誰かの声は明を恐怖させそして少し歓喜させた。
敵が味方か分からない、けどスイッチが一度切れてしまって抗う気も失せてしまった。
(だれ・・・だろ?くそっ目が・・・!見えな・・・)
目が霞んできて、足もけいれんして、意識も霞んできた明は諦め半分の気持ちと期待半分の気持ちで
意識を手放した。
「ぁ・・・ぉぃ!」
本日最後の言葉は、敵か味方か。次に目覚める場所はどこだろう。
普通に眠らせて、お願いだからさ! by明
<ごめん・・・なさい。