第39話。 とある昆虫部隊隊員
俺はデスビートル。名前はまだない。
今は魔王候補ゾーマ様の昆虫部隊の隊員だ。
俺達の隊長である、レノン隊長がある日急にゾーマ様の部下になった。
「すげー!」
他のデスビートルからも尊敬を集めた。
魔王候補参加に入ったのだ、俺達もエリート魔族だ。
そんな俺達の仕事といえば、死の森の見回りだ。
死の森で生まれたて俺達にとっては庭みたいなもんだ。
危険な所もわかっている。
まあ、危険な所しかないが……
そんなある日、レノン隊長と共にいつものパトロールをしていると、珍しく人間がいた。あとはエルフと……ドワーフかな?
奴等に気付かれないように近付き会話を聞く。
なんだ?
こんなに警戒心のないやつらは、少なくてもこの森でこれだけ警戒心ない奴なんていないぞ?
会話を聞いていると、なんとゾーマ様を討伐に来た勇者達だと判明した。
すぐにレノン隊長が、ゾーマ様に報告に行く。
俺は奴等の見張りをつづける。
勇者って確か、魔王の天敵で猛者だったはずだよな?
全くそうは見えないのだが。
実力を隠してるのか?
いや、そうは見えない。
デスラビットに苦戦してる。
あれなら俺達でも集団で行けば勝てる。
デスラビット相手に上級魔法は非効率じゃない?
今度はキングベアーの子供と戦っている。