第20話。 エルフ
本日2話目です。
「ルルです」
「ルイです」
「ルテです」
「ルンです」
女盗賊四人はエルフだった。
見た目は人間とほとんど変わらないが、耳が少し尖っている。
何故こんな死の森に居るのかを聞くと、
他族間の争い。
他種族との争い。
人間達のエルフ奴隷が狩り。
結構悲惨だな。
「はい。大変でした」
バラバラに逃げることになったエルフ一族。
この四人も、仕方なくこの死の森に逃げ込み、これまで必死に生きてきた所、ここを見つけたそうだ。
「ゾーマ様が慈愛に溢れているのは、重々承知してます。
しかし、彼女らは盗賊です」
「まだ、何も盗んでない!」
「盗んでいなくても、恐喝しましたよね?」
「うっ!」
彼女の扱いに困っている。
一応メルの言うとおり、盗賊。
このまま、無罪放免というのもな。
かといって、特に何もされていないしな。
「私達をここに置いて下さい。なんでもします」
「お願いします。安心して眠れる居場所を下さい」
「ひもじいのは、もう辛いです」
「是非エルフ一族の繁栄の為に子種……痛い」
最後の一人にメルがアイアンクローをかましている。
鬼族の力だから、頭が割れるんじゃないか?
そのぐらいにしといてあげなさい。
しょうがないので、四人をここに置いてやる事にした。
メルは乗り気では無いが。
「まあ。明日から働いて貰う。
何が出来るかも、明日教えて貰おう。
取りあえず、これでも食って寝ろ」
俺は四人に林檎を食べさせてやる。
ふふふ、案の定甘くてビックリしてるな。
次の日。
「おはようございます、ゾーマ様」
俺の前に知らない四人がいた。
誰だと思ったら、エルフの四人だった。
見た目が変わっている。凄く美人に。
元々綺麗だったが、読モからパリコレモデルぐらいに変化している。
「え~と? エルフは朝になると姿を変える種族なのか?」
「いえ、そんな事はありません。
ただ朝目が覚めると、ハイエルフに進化してました」
「?」
「「「「?」」」」」
俺とエルフ、いやハイエルフの四人が首を傾げる。
「ゾーマ様のお力では無いのですか?」
リーダーのルルは俺の能力だと思っているようだが、そんな事は無い。
俺が否定しようとすると、メルから横槍が入った。
「はい、その通りです。
ゾーマ様のお作りになった奇跡の果実。
林檎を食したおかげで貴女達はハイエルフに進化したのです」
みんな驚いている。
でも一番驚いているのは、間違いなく俺だ。
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