日本一の芋煮会フェスティバル(九月二十日)
重機で、芋煮をかき混ぜるビジュアルってすごいな。山形芋煮にガチすぎるが、東北一帯の芋煮って河川敷で、今年取れた芋を煮るから芋煮会なんだよね。なんか、ちょっと違うって思ってしまった。
「河川敷では、あるんですよね」
「あ、そうなんだね」
河川敷の広い場所なら大きな鍋と重機が入るんだ。じゃあ、芋煮会で間違いないのか。そう言えば、嘉くんの好みは山形芋煮だったんだよね。愛夢ちゃんと牽制し合っていたときに分かった。だって、牛肉が入るからね。嘉くんは、豚肉よりも牛肉が好きだ。
「古川さん、前に本気で鶏肉の入る芋煮どこかにないのか、って聞いてきたことあったんですよ」
「ああ、うん、実はあるよ」
「え、あるんですか?!」
岩手は、実は鶏肉なんだよね。里芋と鶏肉、豆腐に加え、大根やにんじん、ごぼうといった根菜がメインの岩手のいものこ汁。味付けは、醤油ベースのお出汁。山形や宮城に比べてあっさりとした味わいだ。
それと、円さんにも聞いた。そっちも鶏肉を使うらしい。
里芋と鶏肉に、糸こんにゃく、きのこ、そして、せりが入るのが秋田のいものこ汁。味付けは、味噌と醤油に分かれるようだ。きりたんぽと並び、寒い時期の秋田で体を温める一品だそうだ。
「そっか、もしかしたら、秋田の味は古川さん、気にいるかもしれませんね」
「あは、岩手はスルーなんだ」
「いえ、すみません。ほら、円さんの出身の方が好まれるんじゃないかなって思いまして」
「まぁ、そうだよね。遥くんに、円さんに作ってもらったら、って言っておくよ」
私も岩手のいものこ汁作れるよ。おばあちゃんの味だからね。おばあちゃんは、岩手の出身の人なので、いものこ汁のお肉は鶏肉だ。それと、いものこ汁と芋煮は違うものだと思っていたんだよね。具材も名前も違うからね。でも、どうやら、いもを使えばどれも芋煮になるようだ。
「麻衣さん、じゃあ、私、山形芋煮作るので、ぜひ、岩手芋煮作って下さい!」
え、汁物ばっかり、そんなに食べれないと思うけど? そう言ったら、私たちの話を聞いていた嘉くんと荘太郎くんに笑われたのだった。それと、芋煮じゃ無くて、いものこ汁だからね。
2026/09/20 活動報告掲載




