夏越の大祓(六月三十日)
『拾遺和歌集』に『よみ人知らず』の『水無月のなごしの祓する人はちとせの命のぶというふなり』という歌にある。夏越の祓は、古くから民間でも見られた年中行事の一つで、色々な風習が各地に残っている。
神仏習合の影響で民間でも行われることはほとんどなくなった。そのあと、再興されたが一部の神社に限り、『夏越神事』や『六月祓』と呼ばれて形式的な神事のみが伝わるのみだった。
その後、太政官布告で、『夏越神事』や『六月祓』の呼称をやめて、大祓が復活した。これにより、神仏分離が行われた全国の神社でも毎年の大祓が行われるようになった。太平洋戦争後になると『夏越神事』や『六月祓』の呼び方も復活し現在に至っている。上半期にたまった罪、穢れ、厄を祓う神事だ』
「そして、次の日に夏詣するんだね」
「ああ、十二月と年二回あって、十二月末に大晦日で、一月に初詣するようなものだな」
遥くんは、そう言って、ういろうの生地に小豆を散らして三角に切った『水無月』を持って来てくれた。これは、夏越の祓の今日食べられるものだ。嘉くん、食べれるけど、あまりお気には召していないようだけどね。
「これを食べると、夏が来たって感じがするんだ」
「そこ、水羊羹とかじゃないんだ」
人それぞれだけど、私だと、ピーマンやトマトかなと言ったら、嘉くんに笑われた。流石、農家の娘。褒められている気がしないんだけど。
「お菓子は食べないし、やっぱり、野菜で夏を感じるんだよ」
ああ、それと、あれだね。冷酒が美味しく感じるようになってからかな。そう言ったら、遥くんにも笑われた。
結局、嘉くんの分の『水無月』は遥くんが食べていた。明日、夏詣もするようです。
2026/06/30 活動報告掲載




