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とうかさん大祭2026(六月五日)



 今日から、広島の三大まつりの一つ『とうかさん大祭』が三日間行われる。前に、これは、嘉(よし)くんに色々と教えてもらったし、気になったところも調べた。だって、嘉くん、教え方が雑なことがあるのだ。地元のことでさえ、かなり雑だからね。私も人のこと言えないんだけど。

 昔からあるお祭りと、最近のお祭りが合わさって、融合した新しい形のお祭りだ。だって、『浴衣できんさい』って言って浴衣で来ることを推奨するんだもの。昔はこの時期は、『浴衣』の着始めをするそうで、なんだろう、衣替えのようなものかな。



「三社祭も、東京では『浴衣の着始めの祭り』だよ」

「え、そうなんだ」

「まぁ、最初は『とうかさん』の方みたいだけどな」



 遥くんの話に嘉くんは頷いている。そうだったんだね。三社祭行かないけど、やっぱり、地元のお祭りなので知っている安定の遥くんだ。



「結局、まだ一度も行ってないんだ」

「うん、三社祭も言ってないけどね」

「ああ、確かに」

「浴衣はこないだ着たからいいや」

「ああ、あれ、かなりSNSで話題になったな。和服が広まってくれると美月さんも喜ぶんじゃないの」

「そうだね」



 呉服の日に、美月さんの実家で浴衣を着させてもらった。遥くんは決まっていたんだけど、嘉くんは飛び入り参加だった。それを、その後にSNSにあげたら受けたんだよね。



「相変わらずに、麻衣が一番イケメンだったけどね」

「はは、でも、二人ともかっこよかったよ」



 私が、レーゲンボーゲンの間に挟まっている。いつものメイクじゃ無かったのと、男物の浴衣だったんで、最初、誰だ、になったみたいだ。男物の浴衣は初めてだったかもしれない。前に作ってもらったのは、柄は明らかに女物だ。今回は柄無し。シンプルだけど、お値段聞くのが怖い、すごい生地だった。どこかに出掛けるとかじゃ無くて良かったよ。



「俺も着るって言って着たけど、似合ってるのは、麻衣と遥だったよ」

「そんなことないよ。嘉くんも似合うって言われていたじゃない」



 あれは、私に任せなさいと、美月さんが全身コーディネートしてくれた。私のは、美月さんのお母さんが選んでくれた。遥くんは、自分選んでいた。今回は、購入のためでは無く、販促のためなので、借りた形だ。写真を撮ったのも美月さんのところだ。景色の綺麗なところで、と言われたけれどこんな高級なのを着て行きたくなかったので、断った。普通に着ている分には大丈夫だって言われたけれど怖いって。



「仕事で、行く機会、ワンチャンあるかもしれないので、それでいい」

「ありそうではある」

「ここにいる時点で今年は無いんだけどねー」



 人混みで、バレると困るしね、って言っているけど嘉くんは確かにバレたら大騒ぎだろう。同じく、浅草の三社祭の遥くんもだ。だから、行かないって、言ってる。それだけじゃないみたいだけどね。



「真理義姉は行くのかな」

「休みが取れれば行く人だよ。賢人は公務員なんで休みだしね」

「お、じゃあ、後で写真送ってもらおう」

「麻衣、行きたくないって、言ってるけど実はお祭りは嫌いじゃないよね」



 あー、視線を逸らしたけど、なんかバレたかもしれない。嘉くんだけじゃ無くて、遥くんにも笑われた。ううう、お祭りの金魚すくいとりんご飴は好物です。



 嘉くんと遥くんは、視線を合わせると、企んでいそうな笑みを浮かべた。絶対に、私をお祭りの引っ張り出すつもりだ。いや、これどうやって断ろうかな。次のお祭りは、七月の花火大会かもしれない。それまで、断る理由を考えておこう。



 2026/06/05 活動報告掲載

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