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愛車の日(五月二十五日)



 日本初の外国車ディーラーであるヤナセが制定した日だそうだ。日付はヤナセの創立記念日である五月二十五日から。『車を大切にする心』『車のある人生の豊かさ』をアピールして、さらに広く『愛車』の精神を伝えることが目的。愛車の精神ってなんだろう?



 遥くんの愛車は、赤のビートルだ。昔の型が良かったらしいけれど、実家のお母さんには不評だったらしい。狭いし、荷物乗らないから普通のにしなさいと言われたようだ。あはは、確かに。遥くんのお父さんの車は、BMWだし、遥くんの車から見れば大きくて、乗り心地も良い。遥くんの後ろに三人乗るとぎゅうぎゅうだからね。



「遥くん以外に車持っているのって、佑(たすく)くんと荘太郎(そうたろう)くんだっけ」

「うん、あそこ、どっちも色違いのセレナだよ」

「理由あるの?」

「分からない。本人たちに聞けば?」

「まぁ、そうだよね。あとで、聞いてみる」



 嘉(よし)くんは、車に興味が無いので、知らないようだ。森本家は白のセレナで、中山家は緑のセレナだそうだ。実家のご両親と出掛けることもあったので、大きいワゴン車になったそうだ。うちの悠兄はアルファードだ。やっぱり、みんなで乗るからね。賢ちゃんとこも家族みんなで乗るからフリードだね。広島でフリードは肩身が狭いって言ってた。マツダ車のお膝元だからね。



「買わないけど、麻衣は好きな車ってあるの?」

「私? えっと、デミオ?」

「今、無いよね」



 そうなんですよねー、伊坂幸太郎さんの『ガソリン生活』を読んで可愛く見えたんだよね。でも、今は無いのだ。名前が変更になっていて、CXで統一されている。



「外車なら500C好きだよ」

「ああ、前に遥が乗っていたのだよね。乗る機会無いまま新しいのにしちゃった」

「うん、でもさ、理人(りひと)くんに乗せてもらえばいいよ」



 遥くんが乗っていた、500Cは今は、甥っ子の理人くんが乗っている。本気で乗りたかったら頼めば良いよね。古川家は基本、フォルクスワーゲンで浅生(あそう)家はマツダだ。うちの実家は、咲子(さきこ)さんがスズキ車だけど他はトヨタ車だ。



「嘉くんは?」

「俺、あると思う?」

「いや、ない」



 免許は持っているけれど、乗れればなんでも良いみたいです。免許取り立ての頃もお義母さんの車だし、今でも実家で運転する時はお義母さんの車だものね。それに、地元に戻ったら青いマツダ車でも良いね、って言ったけど多分それは本音では何色でも良いし、私の希望に合わせてくれるかもしれない。



「えへへ、地元に帰ったら、白のCX2にしようね?」



 それで、いいよ、そう言って嘉くんは続けて、でも、戻るまであれば良いけど、と呟いた。確かに、私たちが広島に戻るのはまだまだ先になりそうだからね。



 20.6/05/25 活動報告掲載

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