勉強会 1
まぁ、前置き的な話です
久しぶりの学園生活は各教科からの課題を渡され、4〜5割程しか分からない授業を受けたことによって幕を閉じた
魔獣学はパピーが共に遠征していたこともあり、パピーが現在の範囲までを重要なポイントのみに絞って特別授業としてくれることになった為、課題の提出は免れたものの、文庫本1冊分の厚さを持つ課題にクリュッセルとロゼールは少し顔が青くなっていた
「……と、とりあえずは参考書を片手に図書室で勉強をしましょう!あそこなら静かですし、気になったことは参考書以外の文献などで調べることもできますわ!」
「え、えぇ!そういたしましょう!クリュッセル様!それでは少し急ぎましょう!もしかしたら先に誰かに文献などを取られてしまうかもしれませんもの!!」
2人は課題を手に教室を出て、廊下を駆け足で進む。繋がれた手は固く握られ、迷うはずのない道でも迷わないように、離れないようにと願うようだった。ふと、クリュッセルの視界の端に取り巻きと歩くラスティークが映ったが、彼女たちはサロンへと足を運んでいる様だった
(ラスティーク様は取り巻きとお勉強会なのですね……くっ、どうせならロゼールとも仲良くなれる気がするし、『一緒に勉強をしなさい』とか言ってくれることを期待してたのに!ドラゴン退治で距離が近付いたと思ったのに!!)
少しばかりしょげるが、クリュッセルは直ぐに前を向いてポジティブシンキングになる
(まぁ?あそこまで距離が近くなってもこの距離感なら?付き合う時にはでろでろに甘えてくれる!!きっと多分maybe!!)
そんなことを考えているうちに図書室の前まで来るとクリュッセル達は絶望した
扉に貼られたのは1枚の紙。そこにはこう書かれていた
《現在、図書室は盗難書物・紛失書物がないかを確認しています。下記の期間は図書室の利用は不可能です ○月△□日~○月△○日》
「どどど、どうしましょう!本日から使えないなんて……!!」
「おおおお、落ち着いてロゼール!ききき、きっと大丈夫よ!ほら、他にも勉強ができる場所が……!」
2人は慌てふためきながら何とか静かで集中ができる場所を挙げていく。ガゼボに資料室、空き教室など。しかし、ガゼボ以外の場所は許可がいるため直ぐに使うことは出来ない。かと言ってガゼボが使えるかと言うと机を持ってこない限り不可能に近いだろう。どうしよう、どうしよう。と悩むとクリュッセルは何か思い付いた様に『あっ!』と声を上げる
「クリュッセル様?何か良い案が思い付いたのですか?」
ロゼールがキラキラとした目でクリュッセルを見つめると、クリュッセルは自信ありげに大きく頷く
「えぇ!こうなったら私の寮の部屋で勉強会を開くことにしましょう!ロゼールの寮とは向かい合わせだし、プライベートな空間で防音もしっかりされているわ!エトワールも待っているしね」
パチッとウインクをすると今度はクリュッセルがロゼールの手を引いて歩き出す
「あ、えっ、よろしいのですか?!」
「もちろんよ!だって私たちは友達なんですもの!エトワールもきっと退屈しているし、息抜きにティータイムも楽しめるわ!これ以上ないベストスポットよ!」
不安げに紡がれた言葉にクリュッセルは明るい笑顔を見せて振り向いて告げる。ロゼールは肯定する言葉に続けられた文にクスリと微笑む
「ふふっ、そうですわね。……とりあえずは教室から最低限の荷物を持ってこなくてはいけませんけれどね」
「あ、すっかり忘れていたわ!ありがとう、ロゼール!」
クリュッセルは教室へと1度方向転換して取りに行く
2人が歩いたあとを追うかのように爽やかな風が吹いた
次回!クリュッセルの部屋で行われるのは勉強会!どこまであの恐ろしい量の課題を進められるのか……!
↓↓↓作者のコメント
ところで夏休みってつい課題を後回しにして残り2〜3日で全部終わらせちゃいますよね。私はそのタイプでした
そして、残り2話でこの勉強会を終わらせることができるように頑張ります




