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悪役令嬢とのお茶会1

テストも無事に終わり(勉強した甲斐もあり、薬学のテストもまずまずの成績を修めることができた)、学院はお休み。

2ヵ月ほどの夏期休暇に入る。


社交の場にいそしんだり、バカンスを満喫する生徒が大半だが、短期の留学などする生徒もいるらしい。


「では、来週から1ヵ月、上皇后陛下がお住まいのエプリス城でお過ごしいただきます」

「はい」

「王都にお戻りになった後は、週の半分ほど王宮に通っていただくということでお願い致します」

「はい、わかりました。グレイソン、休暇中、宜しくお願いします」

「こちらこそ宜しくお願い致します。休暇の最後には、フェリスティア様のお披露目をかねた舞踏会が開催される予定となっております。女王陛下がはりきっておいでですので」

「…ハイ、ガンバリマス」


私の夏期休暇の予定はというと、花嫁修業だ。

アメリアの指導のおかげで、基本的な礼儀作法などはクリアできているとお墨付きをいただくことができた。


なので、王室での心構えや巫女としての諸々をソフィア上皇后様にご指導いただけないかお願いし、快諾いただいたのだ。


「アメリア、例のお茶会の件なのだけど」

「はい、予定は整っております。当日はミリーがご用意をお手伝いし、お供致します」


グレイソンやアメリアには手間をかけさせ申し訳ないが、このお茶会だけはどうしても実現させたくて、わがままを通させてもらった。


~・~・~・~・~


「お忙しい中、お越しいただきありがとうございます、フェリスティア様」

「こちらこそ。お招きいただきありがとうございます。ロザリア様」


ここはバランタイン家のお庭。

深紅のバラが咲き誇り、辺りは濃密な香りに包まれている。


「この花はバランタイン家がここに屋敷を構えた時から育てられていて、国内でも有数のローズガーデンになっているんです。ちょうど今が見頃なので、ぜひフェリスティア様に見ていただきたかったんです」


そう言いながら自分のそばにあるバラに手を伸ばし、花びらに触れるロザリア様は絵の中の人のように気品に満ちていた。


「ロザリア様、あの…本当に申し訳ございませんでした!!」

「…フェリスティア様?」

「私はロザリア様が王太子様に特別なお気持ちがお持ちかもしれないとしれないと知っていながら、横恋慕してしまったんです。ロザリア様には良くしていただきましたのに…ご恩を仇でお返しする真似をして本当に申し訳ございません!!」


そう言い切って私は勢いよく深々と頭を下げた。


クロフォード様からプロポーズをいただいた時、本当にうれしくて舞い上がってその場でお受けしてしまったが、あとから1人になり、ロザリア様のことを考えたのだ。


ロザリア様はずっとクロフォード様のダンスのお相手役を務められたきた。

私が現れるまで、国の公爵家の中で唯一の女性で、婚約者の第一候補だとされてきた。


そして学院のダンスパーティーの時、他のご令嬢とクロフォード様が踊っているのをどこか遠い目で見ていたのは、恋心を抱いていたからではないのか。


「…頭をあげてくださいませ、フェリスティア様」

「…ですが…」

「いえ、本当にもう…」


目の前にいるはずのロザリア様が震えている気配がする。

もしや泣かせてしまったのだろうか。

恐る恐る顔をあげてみる。


「あの、本当に…どこで勘違いなされたのかわかりませんが、横恋慕だなんて…ふふっ」


ロザリア様は口元を押さえて必死で笑いを堪えていた。

お読みいただきありがとうございます!

次話、お茶会後編です。

ブックマークいただき、ありがたい限りです!

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