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英雄誕生
夜が明ける前、俺達はマクス王国に向けて歩き出した。馬ですら少しかかる距離なので早く行かなければ日が落ちる前に着くことが出来ないからだ。
歩き続け、日が暮れ始めた頃、村とマクス王国の間にあった森を抜けるとおよそ高さ10mほどの城壁が見えてきた。
ここら辺でいいだろう。
奴隷に先程の作戦を命令し、俺は森の中で待機する。
少しすると、炎の燃える音、悲鳴、怒声、様々な音が聞こえてきた。阿鼻叫喚である。
とはいえ、城壁、その上空には何かしらの反魔法がかけられているようで、炎が入っていない様子だった。まあ、城壁の中に入られた時点で終わりなので是が非でも食い止める必要はあるが。
王国の兵は身体魔法で強化した腕力で矢を放ったり、属性魔法で攻撃をしていたが、奴隷の魔法は全てを燃やし尽くしているようだ。
直接見えたわけではないがそのくらいは想像できる。何故なら、奴隷の魔法は文字通り命を懸けたものなのだから。
さあ、もう王国には打つ手がないと言ったところだろうか、攻撃の勢いが弱まってきた。
頃合いだな。そう思うと、風魔法が奴隷の首を刎ね飛ばした。
炎は、勢いが無くなりやがて消えた。
危機は去ったというわけだ。
王国の兵は奴隷の登場に安堵し、賞賛し、感謝した。
まさに、英雄が生まれた瞬間だった。




