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試験も補習もレッスンも大変です 4



ヴァン先生は無駄だと言ったけど、何故無駄だと思っているのかは頑なに話してくれなかった。ので私は翌日の午後、ヴァン先生への失礼な態度を詫びるよう先輩にに懇々と伝えた。その後ちゃんと謝罪をしたのか双方に確認はしたんだけど…「話はした」としか返してくれなくて。本人達がそれで良いなら私の出る幕じゃ無かったのかもしれないけど、なんだかモヤっとした。



そうこうしている間にとうとうやってきました、学年末試験…!

1週間かけて行われる学年末試験は座学の筆記試験から始まる。筆記試験は各教室で行われるけど、最終日にある魔法実技だけはそうでは無い。生徒1人1人に時間と場所が指定され、その場で指示に従った魔法を披露するらしい。

私がグリモワールさんに指定されたのは、午前10時に学園長室に来なさいという内容だった。何をさせられるのか…は、ヒントすら教えて貰えなかった、ちぇっ。



「…なんか、久しぶりに来た気がする。」



試験最終日の午前9時55分。私は緊張でガチガチになった状態で学園長室のドアの前に立っていた。


昨日までの座学の筆記試験の手応えは悪くない。だからこそ、ここでヘマして魔法が下手くそガリ勉扱いになるのは避けたいと思った。

私はこの後、この部屋の中で何をさせられるんだろう…いや、考えても仕方ない!行くしかないんだやってやる!!


大きく深呼吸をした後、勢いよくドタをノックした。



「トゥシェ=ルルーです。魔法の実技試験を受けに来ました。」

「どうぞ。」



入室を促す声に導かれ、失礼しますと言いながらドアを開く。数歩進んでドアを閉めた私の視界には、何度か見たことのある馴染みのレイアウトに少し違いが加わった景色が広がった。



「グリモ…いえ、学園長先生、今日はよろしくお願いします。」

「こちらこそ。筆記試験の方はどうでしたか?」

「手応えはあります。私を編入させてくださった学園長先生に恥をかかせる事は、無いと思います。」

「恥って…そんなに気負いしなくていいのに。」



優しい声色少し緊張がほぐれる。学園での近況を簡単に話した後(勿論、フラム殿下侵入未遂等の話は伏せつつ)、グリモワールさんは私を部屋の中央、ある台の前に誘導した。



「そろそろ本題に入りましょう。トゥシェさん、これが何かわかりますね?」

「勿論です、実技室でしょっちゅう使っている物なので…。」



台の上に置かれていたのは、私が普段から魔力を送る練習をする為に用いている水晶。私がこの部屋に入った時に感じた違いはこれだった。学園長室にこんな物が置いていた事は私の知る限り1度も無い。異彩放ちまくりで、気にはなってたんですよね。



「そうだね。でもこの水晶は実技室の物では無いよ、別の場所から運んできたんだ。この水晶は、普段どのように使っていますか?」

「体内の魔力の流れを掴んで、その上で私が魔法を発動する為に必要となる両手へ魔力を送る練習です。」

「魔力は上手く送れるようになったかい?」

「だいぶ上達しました。でも量の調整が難しいです。」

「成る程、引き続き努力していってくださいね。では今から実技試験の内容を説明します。」



きた…!ゴクリを唾を飲み、脈が速くなるのを感じる。水晶を使っての試験、って事だよね…これで何をするんだろう。




「トゥシェさんには、今からこの水晶に魔法を発動してもらいます。」

「えっこれにですか!?」

「はい。魔力を送るだけでは無く、送った魔力で魔法を発動して水晶にまつわる映像を視てください。時期も決めましょうか…今から丁度24時間前の映像を確認して、私に教えてもらって良いですか?」



試験内容についていろいろ予測はしていたけど、この水晶を使うのは正直予想していなかった。これ、魔力を確認する道具だよね?ちゃんと発動出来るのか?

いつの間にか正面の椅子に座っているグリモワールさんが柔かに「どうぞ」と言ってきた。

出来るかわからないけど…やるしか無い!



「始めます!」



もう1度深呼吸をする。スカートに手のひらを擦り付けてから、ゆっくりとそれで水晶に触れた。水晶が光を放ち始めたので魔力を送る事には成功しているとわかった。でも問題はここから。


瞳を閉じて、細く、ゆっくりと息を吐いた。水晶さん、あなたにまつわる景色を、1日前の映像を、どうか私に視せてくれませんかー…?




ーー…。




しばらく経過した後、私はゆっくりと両手を水晶から離した。



「…何か視えましたか。」

「草花が沢山…この部屋と雰囲気の似た、室内の映像でした。」

「……そうですか。」

「……。」




沈黙が訪れる。映像は視れたけど、的外れな景色だったって事…!?

私からそれを問いかける事も出来ず、時間が過ぎていく。駄目だったのなら早くそう言って…!?




「…驚いた。」

「えっ?」



本日2ページ更新します。次ページは22時頃に更新予定です。

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