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瞳に映るAiの色  作者: 穂水美奈
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Episode 17:「思春期スケッチ」

 下級生で、あきらに好意を抱いている女子、紡木真奈に嫉妬の念を抱いた愛莉は、勢い余って、まだ自分は怪我の回復が不完全で、水泳を止められているにも関わらず、泳いでやる!!と言い出し、あきら達を当惑させた。









 それを見ていた友加里は、愛莉に平手打ちの一発を喰らわせた。








 「人に迷惑かけるような目標なんて持つな!!」








 …愛莉は、一瞬動きを止めたが、すかさず反論した。








 「友加里!!離して!! あたし、このままだと何にもできないダメ人間になっちゃうよぉ!! 友加里にあたしの気持ちなんてわかるのかよぉ…!!!!」











 友加里は、彼女の瞳を見て言った。








 「ああわかるよ!! だからこそ、あんたに突飛な行動取られちゃ迷惑なんだよ!! たった一度の愚行のために、自分も他人も悲しい思いすることになってもいいっていうの!? それに、ウチらだって愛莉の目標のことも、怪我で水泳できない辛さも、十分承知なんだよ!! それでもあんたは、くだらない嫉妬心のために、色々と大事にしてきたものを失いたいっていうのかよ…!!」








 …愛莉は二の句が継げなかった。








 恋人であるあきらは、優しく愛莉を宥めた。 そっと、泣きそうになって目に当てようとした手を握って…。








 「愛莉…。 真奈は、、、ただの友達…っていうか、顔は知ってますって程度の付き合いだっての。 でも、あまりぞんざいに扱っちゃうと、今度は妹たちの仲にも影響出ちゃうから、何とか状況を上手く繕って、相槌打ってるだけだよ…。 頼むよ愛莉!! そう見えちゃうのは悪いけど、ホントに俺、、、愛莉だけがカノジョだって思ってるんだからさ…!!」








 …あきらもまた、隆太や友加里のいる前で、こんなセリフを何のためらいもなく発してしまった。








 「はっ…!! 隆太、友加里!? あの…いや…、、、今のはその…」








 友加里は、さほど表情を変えず…








 「わかってるっつーのww あんた達の恋仲ぐらい、別に冷やかしたりしねーって。 ね?隆太?」








 「あ、、、うん。。。 そうだよ!! 二人とも、アツい仲なんだから、僕達は二人を応援するって!!」











 …愛莉とあきら、一層の恥ずかしさがこみ上げて、赤面しながらプールを後にした。














 そして数日後、中学校生活での一大イベントでもある、修学旅行の時が来た。 目的地は東京、栃木などで、行きは新幹線、帰りは高速バスという移動手段となっている。





 一日目は一気に新幹線で東京へと移動する。 クラスメイトの中には、新幹線初乗車という者も少なからずいて、旅の気分が高まった彼ら、彼女らで駅のホームは賑わった。








 新幹線の座席は、予めホームルームで決めてある座席表に従って着席した。 本音を言えば、隆太は友加里と、あきらは愛莉と隣同士がよかったのだが、下手をするとそれぞれの関係が他人にばれてしまう。 その懸念もあったので、あえてお互いに離れた席に座っていた。






 新幹線の、時速300キロというスピードは、まだほとんど長距離旅行の経験のない彼らにとって、刺激的かつ不思議な時間として感じられた。 その速度に酔い痴れている者もいれば、数人で集まって、談笑やゲームに没頭している者まで、様々な旅模様が窺えた。



 大宮を過ぎたあたりで、にわかに友加里の表情が変わっていたことに気付いた隆太は、さりげなく様子を聞いてみた。









 「どうしたの友加里? もしかして、酔った?」








 「ちげーよ…ww …ってか、ウチ、中学卒業したら、東京の方に出て、みんなとは会えない毎日が続くんだろうなぁ…って思うとさ、何だか、今は珍しい風景でも、そのうち、地元とか友達とかを思い出しちゃって、ホームシックになるかもって…ね。」








 「そ、、、それは…。。。 確かにどうなるかわかんないけど、友加里なら絶対大丈夫だって!!」








 「隆太…。 励ましてくれるのは嬉しいけど、ウチ、こんな不安でどうしようもないことなんてないんだよ…。 まだ具体的にどうするかは決まってないけど、田舎に住んでたただの女が、いきなり都会の色に染まれるのかなぁ…って…。 多分、どんな理由であれ、ひょっこりと帰ったりしたら笑いモノ確定だよね…。 でも、だからこそ、夢をあきらめられないし、いつかまた会った時に、成長したウチのこと、見てほしいし…」








 「友加里…。」








 …都会のビルだらけの風景は、友加里にとっては期待よりも不安を抱かせるものが大きいようだった。 中学校卒業後、もしこちらの学校に入ることとなったら、寮生活となり、周りの事は概ね自分でこなさなければならない。 それ以上に不安なのは、旧友との別れや、新たな友への出会いの有無など、彼女の胸の中では、あらゆる気持ちが複雑に絡み合って、都会の街並みを楽しむ余裕はなさそうだった。











 やがて列車は東京駅に到着し、その後はバスに乗り換えて、東京の名所をいくつか巡った後、宿泊するホテルへとやってきた。








 隆太のクラスは男子生徒が少ないため、部屋は4人部屋が4室程度で足りてしまうのであった。 隆太とあきらは同じ部屋だったが、誰もが到着してじっとしている筈もなく、男子同士で別な部屋への行き来は頻繁に発生し、そこで話題になるのは、年頃の男子ゆえに、女子の体のことなど、性的な話題ばかりである。








 男子A「よぉー、うちのクラスで胸いちばん大きいのって、浅倉じゃね?」





 男子B「ちげーよww 織畑だっつーの! 浅倉もそれなりにあるけどなーww」





 男子C「そーかー? でも胸じゃなく、全体的にいい体なのは水島じゃね??」





 男子A「はぁーーー?? おめぇーーー、水島に気ぃあるんだなぁーーーwww」





 男子B「ちげーっつーのww 水島って胸もあるし、背も高いし。 浅倉もいい胸してるけど、あいつ、性格きつそうだしなーww 小野?お前どう思う?」








 …この手の話を振られると弱い隆太。 ましてや、意識している女子、友加里の胸について話せだなんて、無理に決まっている…。








 「しっ…知らないよ…!! あんまし気にしたことないし…」








 「嘘つけww お前と浅倉って、水泳部同士じゃんか。 織畑もだろ? なぁ、ぶっちゃけ、どっちが胸おっきいんだよ…?? 水着来てるとわかりやすいんだろ?? 言えよ!!」








 「だっ…だから…、、、知らないって、、、」








 隆太がタジタジになっている姿を見たあきらは、咄嗟に助け舟を差し出すかのように…








 「おっぱい最強なのは織畑だ!!俺譲れねぇ!!」








 …異様にインパクトのある彼の発言で、女子のバスト論議は一旦水入りとなった。














 しかしその後、お風呂に入る時間にも試練は待っていた。 隆太やあきらは水泳部なので、上半身だけは裸なのは慣れっこなのだが、全裸…というのは、やはり男子同士でも恥ずかしくて仕方がない。 特に、穿いている下着のタイプなどは話題にされやすく、隆太は絶対に見られないようにと、トイレの中で下着を脱いだ。








 あきらも似たような心境だったが、他の男子達は下着自慢をしている者もあり、一方で、脱ぐことをためらうばかりの自分もあり…と、この状況は何ともし難い、苦難と羞恥の時間でもあった。








 幸い(?)このホテルの浴室は、構造上女子浴場とは繋がっておらず、間違ってものぞき見はできないし、女子の声なども聞こえてこないのだが、男子特有の思春期トークは止まるところを知らず、そういった話に耐性のない隆太は、他の生徒達よりも先に、さも逃げ出すかのように風呂を上がった。














 まだ誰もいない部屋に、程なくしてあきらもやってきた。








 「隆太!! 俺も上がったよ。 俺ってどうもみんなの話苦手でさぁ…。」








 「だよね…。 ってか僕の場合、全然そういうタイプじゃないみたいだから、話に入れてもらえないんだよね…。」








 「ああ…。 でも、隆太? 俺、あえて親友なお前に聞いておきたいんだけどさ…、、、」








 「え…?何?」











 「だっ…、、、誰の胸、一番いいと思う…??」











 「あっ…あきらっ…お前までなんてことを…www」











 「いやぁ、あはははは…www だってこういう話、しないはずがないじゃんwww 言わなきゃ言わないでいいって。 俺の場合、胸に関係なく、愛莉のこと、好きでさ…。 ってか、絶対誰にもこんな話してたなんて言うなよww お前のこと信じてるけどさ…」








 「言うわけないっしょ…www」














 一方の女子達もまた、恋バナに花を咲かせているのであった。 一部の女子の間では、隆太と友加里の仲の良さが注目されているらしく、友加里は隆太に恋をしていると、話題になってしまっていた。








 しかし友加里は気持ちの強い女子。 下手に隠そうとせず、あえて堂々と…








 「好きだよ? ってか、好きじゃ悪い??」








 女子A「えーーー!?!? あんな子供っぽい男子のこと好きとかーーーww 友加里って草食系だったのー?」








 女子B「意外だなーww 友加里ってもっとかっこいい男子じゃないと受け付けないって気してたけどww」








 女子C「そうだよーーーww ってか、柊と愛莉も、地味にあやしくネ??」











 …部屋には愛莉もいる。 当然、彼女にもその火種は飛んで来た。








 「ええっ…!? あたし別に、あんな男子のこと気にしてるわけないって。。。 普通に、単なる同じ部活の部員って程度だよ。 あきらの事好きとかありえないってーーーww」











 愛莉は、こんなセリフを吐いてしまったが、刹那、強い罪悪感にも襲われた。








 (ごめんあきら…。 みんなの手前で、心にもないウソついちゃって…。 でも、ウソつかないと、私達の仲って維持できないよ…。)











 友加里は後で愛莉のもとへ行き、「嘘も方便」だと諭した。 友加里は隆太に好意を抱いていることを暴露したが、それは彼女の図太さと、もう自分は卒業後、極めて親しい者以外とは会わない…という覚悟があったからだろう。











 男子も女子も、それぞれに思う異性への意識を抱き、どこか悶々とした夜を過ごした。














 次の日はバスで長時間の移動があった。 バスガイドが車窓からの風景や建物を口頭で案内しながら、都会の街並みを縫うように一行は進んだ。








 この日、偶然にも友加里と隆太は隣同士の席になった。 そしてふと、昨夜の「女子の胸論議」のことを思い出してしまい、隆太は友加里の顔を見つめていたはずが、いつの間にかその目は、白いシャツに包まれた彼女の胸のふくらみをガン見しているのであった…。








 さらに、彼女のスカートからすらりと伸びる美しい脚にも目線が…。。。








 バスの後方の席なので、人の目の届きにくい場所であることも、隆太の目を豹変させた遠因だった。








 彼は、友加里は隣の女子と話をして、身動きをとるたびに微かに動く胸に意識を奪われてしまっており、はっと我に返った時、隆太は激しい自己嫌悪の気持ちに苛まれた。








 「僕の、、、僕のバカバカバカ!!!! 大好きな友加里のことを、そんな目で見てるなんて、とんでもなくいやらしい奴だ!!!! あきらたちのこと笑えないよ!! 自分が一番変だよ!! おかしいよ!!」











 …そんな時、バスの中では歴史の授業で習った場所を通った時、担任の倉石先生(女)が、それにちなんだ問題を出して、誰かに答えさせていたのであった。








 「えー、ここ桜田門で暗殺された大老の名前、覚えているな? 小野?」








 「・・・・・・・・・。。。。。」








 「おい!!小野!!お前だよ!!」








 「ふあぁぁぁっ…?!!?! みっ…みて、、、みてません…!!??」








 「何を見ていないんだ?」








 「ふあっ…そ、、、それは、、、その、、、」








 倉石先生に問いかけられた隆太はしどろもどろ。 自分の心の中に、友加里を親友や恋人としてではなく、とてもいやらしい気持ちで見ている「獣」のような己がいることに、恥じらいと情けなさを感じていた。








 「小野?修学旅行も勉強の一部なんだぞ! ぼーっとしてないでしっかり話ぐらい聞きなさい!!」








 「は、、、はい…。。。」








 バスの中は、みんなの笑い声に包まれ、隆太は赤面して俯いてしまった。








 (※作者注:答えは「井伊直弼」です。)














 そんなこんなで、二日目の旅程は終了し、昨晩と同じホテルに宿泊した。 自由時間、ホテルのロビーや売店であれば、一応、男女で会うことはできる。 隆太はお土産を探すことを名目に、そこで友加里に会う約束をしていた。











 「さっきのバスで何かあったの? 酔ったの?」








 「い、、、いや、、、その…。。。」








 (まさか、友加里の体を見ていたなんて話したら、即刻絶交されるだろうな…。ここは、何とかごまかすしかなさそうだ…)








 「その…、何というか、、、友加里の隣だったから、つい、ボーっとしちゃってさ…。 ごめん。 友加里にも恥かかせちゃって…。」








 「ううん。別にウチはどうってことなかったじゃん。 ってか、隆太らしくない表情してたし…。 何か考え込んでるのとも、ちょっと違うような気もしたし…」








 「だっ…、、、だから…、、、何でもないって…」








 友加里は何かを悟ったように…。








 「なぁ隆太ァ!! ウチのことごまかせると思ってんのかよ!! 言え!! 正直に言えよ!! 内緒にしてやるからさ!!」








 …隆太は、友加里に殴られることさえ覚悟して、その時の状況を話した…。











 「うっ…うっわーーーwwwやらしぃーーーwww 男子ってやっぱりそうなんだーーーwww きもいーーーwww」








 「ほんとゴメン!!つい、その、、、夕べ、男子同士でそんな話しちゃってて…」











 友加里に平手打ちの一つは喰らうだろうと思っていた隆太だったが、次に返って来た声は、意外なものだった。








 「あっははははははは…www 隆太もやっぱり男子だもんねーーーwww ってか、いまさら見たの~って感じーwwウケルーwww」








 「な、、、なんだよ友加里ぃ…!! 僕は…、すっごく悪いことしちゃったって思ってたのに…」








 「ぷっ…ww 隆太ぁ? 好きな男子に見られたんだったらウチも怒ったりしないよ…。 女子だって女子同士で、男子の誰が好きかとか、誰になら気持ち許せるかとかって話し合ってるんだから…。 ま、これが他の男子だったら、フルボッコ確定なんだけどねーww 隆太? ウチの胸なんかより、本当は、涼子さんの方に興味あるんじゃねーの?うん…??」








 「そ、、、そんな話もうやめようよ…。 お願い!! 友加里に変な気持ち持っちゃうと、もう友加里とまともに話しとかできなくなっちゃう…」








 「その心配は…ないよ。。。」








 「えっ…??なんで…??」











 「だって…、隆太も健全な男子だったから安心したんだもん。。。 バカみたいに真面目すぎて、男子として異性を気にすることさえないなんて、逆に変だと思わない? ウチとしては、隆太がそんな石頭な奴だったら嫌だもの…。 ま、だからと言って我を忘れて見ちゃうってのは自重してほしいけどねーww」








 「うん…ごめん。 でも、ありがと…。 そう言ってくれて…。」








 「別に。 ほら!それじゃ、また元気出しなよ!! ウチだって隆太とデートしてるとことか、妄想いっぱいしてるっての…ww でも、妄想だって時には、何か大きな夢の実現に繋がる起爆剤になるって思わない? ウチの場合、作曲家として活動する場合、最初にすることって基本は妄想みたいなものだよ? そこからどんどん、現実を自分で作り上げて行って、最後にはリアルな何かを完成させるんだよ♪ 隆太だって、妄想も夢も持っててほしいなぁ…。 夢とか理想って、持っていると叶えようって思うようになって、色々と頑張れるじゃん!!」








 「そうだよね!! 友加里!!」








 …隆太は、友加里からの思わぬ言葉に、少し涙が出そうになった。








 獣な自分は慎むべきだが、かと言って生真面目すぎるのも自分の個性を殺してしまう…。








 そう心に刻んで、旅行3日目。 今日は、ディズニーランドで思いっきり羽を伸ばせる。 ここではほぼ自由に行動できたので、友加里たちはいつものメンバーで集まって乗り物に乗ろうとした。








 ジェットコースタータイプのアトラクションが大好きな友加里だが、他の3名は苦手…。 それでも友加里は、隆太を誘って絶叫マシンをいくつか体感した。








 友加里の甲高い声がこだまする一方で、隆太はあまりの恐怖に足がすくんでしまい、具合が悪くなってしまった。








 「だ、、、大丈夫?隆太? …ごめん。。。調子に乗り過ぎたねww」








 「うん…。何とか大丈夫…。 ってか、友加里って手加減知らないんだね。」








 「はぁ~~~? このくらい普通っしょーwww」














 一行はその日のうちに、栃木県に移動して、その日はそちらの宿へと泊まった。 翌日は日光東照宮などを見学し、そのままバスで帰ることになっていた。 高速道路で7~8時間という道中だが、多くの生徒は、旅の終わりを感じつつ、これから来たる試練の数々に不安を抱いていた。








 友加里もそうだ。 学校でのテストや、部活での最後の大会参加、そして、進むべき道の確定や、それに伴う親友との別れ…。 徐々にその時が迫っていることを思うと、バスが青森へ進むにつれて、心細さが募っていった。


友加里はこっそりと隆太の隣の席に移動し、皆が疲れて寝息を立てているのを見計らって、彼の手を握り、スマホで隆太とのツーショットを自撮りした。








 また、あきらと愛莉も、同じようなことをしていた。








 あきらと愛莉は、ぐったりと疲れた様子でお互いに身を寄せながら、熟睡しているようだった。








 友加里が耳打ちして教えてくれたのだが、あきらと愛莉は、昨夜、宿での自由時間の際、二人だけの内緒のデートを楽しんだらしい。








 二人の荷物を良く見ると、カバンに同じデザインのキーホルダーが付けられていた。

















 そして修学旅行は終わった。








 旅行直後の数日は学校が休みなので、その日を利用して、隆太は涼子の家を訪れ、旅行のお土産を渡した。








 「わぁ~♪ 隆太くんありがとー(*^▽^*)♪」








 買ってきたお土産は、家族で食べられるようなクッキー一箱と、涼子のイニシャルが入った、かわいらしいキーホルダーだった。 しかもそれは、他の土産とは別格的に、豪華な包装がなされていた。











 「ありがとう隆太くん♪ ずっと、大切にするからね(*^-^*)♪」











 …涼子の嬉しそうな反応を見て、隆太は安堵した。 その日は土産話も盛り上がり、その中で隆太は、友加里の胸を見ていて恥ずかしい思いをしたことも、あえて話した。 もちろん、その後に友加里に「それは健全だから」と諭されたことも…。











 「そうだね…。 きみくらいの男子が、女子に好奇心持たないなんておかしいよ。 ま、いやらしい目線で見るのはちょっとアレだけど、要は、友加里ちゃんが好きだから、少しだけ、そんな気持ちが出ちゃったってことだよね。」








 「はい…。 でも僕…、すっごく自分が嫌になりました…。 けど、友加里って、意外に優しいとこがあるって知って、、、何だか僕、すっごく嬉しくもなって…」











 「ま、そんな気持ちが湧いて来るのも、修学旅行ならではなんじゃないの? 若い時に感激したことって、大人になってもずっと忘れないし、いつまでも懐かしく思い出すものだよ♪ 友加里ちゃんにとっても、隆太くんと一緒に東京を旅行できたんだから、彼女にとっても、一生の記憶として残るはずだよ。」











 …そして、友加里が都会へ出ることへの不安を抱いていたことも話した。











 「…それは、、、隆太くんが、男として友加里ちゃんを勇気づけてあげないとね。 友加里ちゃんは、夢のために頑張るって言ってるんだから、隆太くんは、きみが友加里ちゃんにしてあげられる精一杯のことを、時間のあるうちに実行しないとね♪」











 「はいっ!!」











 隆太たちにとって、様々な感情を抱いた修学旅行となったが、そのどれもが、彼ら、彼女らの心の中に深く刻まれて、きっとこれからも、何かの拍子に甘酸っぱい記憶として思い出されることだろう。








 





 ちなみに、隆太は姉の流美にもお土産を買ってきていた。








 しかし、何を思ったか、買ってきたのはカップルで着るような派手なTシャツだった。








 「あ…、、、あんたなぁ…?? アタシに彼氏いないってこと知っててこんなの買って来たの…?? あてつけかよwww」








 「えっ…!! いやいや、、、それはその…、、、将来彼氏ができた時に使えますように…ってことでwww」











 「…ったく…、、、何だか引っかかるなぁ…。。。 これ来てイチャイチャしろってことなの?? さすが、思春期男子の考えそうなことだわwww」








 「だっ…、、、だから、、、そのぉ…、、、」








 (本当は友加里に無理やり勧められたなんて言えない…。。。 もし突っ返されたら自分達で着ようねって言われたことも…。。。)














 「まぁいいわ。 せっかく買ってきてくれたんだもの。 ありがたく頂戴しておくよ。 シャツはペアだけど、彼氏は付属いたしませんって感じなんだろうけどねwww」








 「あははwwwお姉ちゃん上手いーーーwww」








 「うっさいっwwwこのっwww」














 少しピリっとした空気の張り詰めた隆太の家だったが、流美と隆太は、お互いの修学旅行の経験談を話し合い、その日は夜遅くまで、姉弟仲の良い話し声が続いたのであった。











- つづく -

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