ステージ2(B)
コ:ぬおおおおおお‼
勢いを弱めることなく、コクメは走る
さながら陸上選手のようにフォームを整え
コ:かつもくせよ! これが世界を震撼させた『圧倒的超強走り幅跳び』だあああああああああああ‼
バッ
チーターのごとく目の前の獲物に食らいつくように
ゆるやかな放物線を描く!
グギぃッ
コ:うっ⁉
着地と同時に足首を持っていかれた
コ:う、動けない……だと?
イ:コーくん⁉
レ:言わんこっちゃない
コ:……いい人生だった
イ:やり切った顔してるけど全然誤魔化せてないからね⁉ ちょっとよく見せて
コ:うっ……痛いっ
イ:捻挫してる。わたしでも治すのに時間がかかりそう……
コ:大丈夫だよ。ほら、ボクって逆立ちで生活できるからさ
イ:んもう、冗談言ってる場合じゃないんだから(グギッ)
コ:治療の暴力⁉
イ:まったく。急に変なことし出したと思ったらこれなんだから
コ:返す言葉もありません
ハイネが手をかざすと、ターコイズブルーの光がコクメの足首を包んだ
彼女が『天使』と呼ばれる、一つのゆえんだ
コ:綺麗だね
イ:そう?
コ:うん。桜みたいにふわふわしてて、春を感じる
イ:あ、髪の話……?
コ:うん
コクメは顔の近くに垂れているハイネの髪を横目にした
ぼうと夢を見るように、
コ:最近まで一面銀の世界の雪原にいたから、なおさらかな。桜色をしたイッちゃんの髪がすごく綺麗だなって感じる
イ:そ、そんなことないと思うけどな
コ:それになんだかいい匂いもして……
イ:に、匂いは関係ないんじゃないかな!
コ:んー? いい匂いはいい匂いだよ
イ:…………
コ:…………
イ:……コーくんのえっち
コ:んなっ⁉ 誤解だよイッちゃん! ボクは別にそんなつもりで言ったわけじゃ――――
レ:先生、オレ、胸やけするんで保健室行ってきます
コ:レンゲまで何事⁉
そのときだ
ヒュオオオオッッ‼
イ:えっ
コ:あぶないイッちゃん‼
視界一面が銀色の世界に塗り替えられる
コクメはハイネを抱きかかえ、間一髪で免れた
コ:怪我はない?
イ:う、うん。コーくんこそ……
コ:ボクは平気だよ
レ:――――オレはあかんけどな
コ:髪の毛が凍ったくらいで弱音吐くんじゃありません。それよりも――――
コクメの見据える先
そこには鳥類の特徴を持つ獣人が息を荒らげていた
イ:カケスの獣人……
コ:カケス? 知ってるのイッちゃん?
イ:わたしに記憶はないけど知識はある。あの獣人はカケスっていうカラスの仲間だよ
コ:カラスにしては青みがかった羽をしてるね。それに白髪頭だし
カ:ジャアアーッ‼
コ:とにかくイッちゃんは離れてて。ここはボクがなんとかするから!
レ:オレは?
コ:日光浴でもして髪の毛の氷を溶かしてなさい
レ:へい
シャ……
ここまで連れ添った愛刀を手にし、
カケスの獣人を迎え撃つ
ステージ2(B1)へ




