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龍 vs 航空力学

はるか遠く

30kmの彼方

高度1000mの世界樹から

50mにも及ぶ巨躯が飛来し

地響きを伴って着地した。


ずずーん……



周辺一帯からは全ての生物が逃げ出している。


ただ一人の人間を除いて――


飛来してきたのは龍であった。

着地した姿勢をそのままに

しばらく思案するように動きを止めている。



やがて龍が身を起こし

世界樹の方を振り向いて空を見上げていると

その声が龍の聴覚器官に着弾した。


「力が欲しいか?ーー自由に空を飛ぶ力が」


人間......?

かつて龍がこの世界に顕現した際に

住処に選んだ土地で、大量にうごめいていた生物である。

喰ってもみたが、特に美味くもない獲物だ。


意思疎通が可能なほど高い位階は

持っていなかったはずだが……


戸惑いながら視線を向けると

人間は続けて語りかけてくる。


「風の流れを読んで空を舞う。

 上昇気流まで利用しに行く。

 熟練の滑空飛行技術だが…

 鳥の羽ばたきほど自由ではない。

 そこに歯がゆさを覚えないか?」


不可解に心情を言い当てられ、龍は戸惑いを隠せない。

目を合わせること数秒の後に、龍は思念で応答した。


『何が言いたい』


「空を自由に飛びたいな」


『答えを言え』


「回転翼とボールベアリングだ」


『......』


「自力で高度を稼げるぞ」


『詳しく』


この世界アメハシラには

ムスヒと呼ばれる魔法があるが

ムスヒは物理に干渉しない


――ゆえに


龍が空を自由に飛ぶためには


生体ヘリコプター機構が求められるのだ。





はい、ドラゴプター!(仕様書)




参考資料

滑空龍 ※たね


挿絵(By みてみん)


なかよくなって

進化すると 

空を飛ぶ

を覚えるぞ

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