第五話 埼玉スーパースターズ集合!
集合時間は晩ご飯の後なので、俺は居間へ向かう。修はちゃんこ作りを手伝うために先に部屋を出ている。
なぜかというと、実はその前にリビングに行って不動山部屋の親方、俺の親父に修をずっと部屋に置いてくれるのか二人で聞きに行ったのだ。
すると、
「修くんはずっと居てくれていいぞ!」
あっさり部屋に居候する事を認めてくれた! しかし条件があって……
「ただし! 部屋の事を出来る範囲で手伝てくれよ! 本当に出来る範囲でいいからな!」
という事なので、修はちゃんこ作りを手伝っているというわけだ。今日も唐揚げを揚げているらしい。
ちなみに昨日は「まだお客さんなんで手伝わなくて良い」と言われていたようだが、修が志願して唐揚げを揚げてたようだ。
修は晩ご飯の準備をする時も、それを食べる時も力士の皆さんとずっと話している。
「不動山部屋のみんなが大好きなのは本当なんだな……」
と俺は思わず一人言を言ってしまう。それをお袋に聞かれて……
「満! 修くんを取られて悔しいんでしょ!?」
朝と同じようにからかわれてしまう。俺は、
「今話さなくても、明日学校で話せるから!悔しくてないよ!」
と言い返したが、本音は寂しい。もっと修と話したい!
***
晩ご飯も終わり。俺と修は「クレセールバルセロナFC」があるらしい、埼玉県さいたま市うなぎ区蒲焼三丁目8-1に来た。しかし……
「あれ!? 芝のピッチが無い!? クラブハウスも無い!? なんで住宅がこんなに建ってるの?かねやん、なんで!?住所はここで合ってるよね!?」
「住所はここなんだが……」
そこにあったのは住宅街だ。サッカークラブがあった面影は全く無い。
俺たちはスマホの地図アプリを使ってここまで来た。確認してみたが、ここが蒲焼三丁目8-1だ。
修は明らかに取り乱しているなんとか宥めないと!
「修! 多分、翼ならわかるよ!」
「ほんとだっ! 俺たち翼が誘ってくれたからクレバに入ったんだった!」
クレセールバルセロナFCってクレバって略すのか……
そんなこんなしていると、呼び出した五人全員が約束の時間より前に集まった。多分みんな謎の少年、林修に興味が出たんだろう。
修はとなりに俺を立たせて、残り五人は俺たちと向かい合う形で並ぶように指示を出した。
左から芹沢勇気。矢部秋男。橋本翼。宮本茂雄。李承燁。の順で並んでいる。
「みんな!初めまして! 僕は林修! 未来からやってきた! みんなの友達だよ! こんないっぱい集まったけど、全員の名前を覚えなくていいからね?」
修は満面の笑みでこう自己紹介する。そして突然のジョークに、当然みんなからツッコミが入る!
「林くん以外知ってるんですよ」
と李承燁
「みんなわかるのよ」
と橋本翼
「それはわかるよ、わかる」
と芹沢勇気
「そんなこと言われても……」
と宮本茂雄
「てか、おまえが誰なんだよ!」
と矢部秋男
と、それぞれちょっと笑いながら自分のツッコミで対応している。これに対して修は、身振り手振りを加えながら。
「コレコレ〜〜これをまたやりたくて僕は未来からきたようなもんだからね〜」
と軽口を叩く。みんなはそれぞれの反応をしたのち、芹沢勇気が切り出す。
「林くんっ! 未来からきたという証拠はあるの?」
その質問にみんなも同調する。この質問に修はどう答えるんだ!?
修はポケットから何かを取り出す!
「そうだよね。みんなこれを見て! これは未来のスマホ『ミラスマ』だよ! これを使うと現代に戸籍がない僕でも、捕まらずに戸籍を作れるんだよ! これで信じてくれるよね?」
この答えに俺は思わず頭を抱えてしまう。ボケなのか天然なのかわからないので、みんなも困惑している……「ミラスマ」は見た目は今のスマホと変わらないんだよね……
俺は助け船を出す。
「修! ミラスマよりもポケットから寝袋を出した方がいいよ!」
「そうかな……ミラスマもすごいけどな……ねーぶくーろー!」
修は少し不満気になりながら、普通のパーカーのポケットでは入り切らない大きさの寝袋を出した!
これには、俺以外のみんな驚愕した!
「どういう仕組みだ?」
「四次元ポケットなのか?」
などと呟きがら固まっている。
「これで、みんな信じてくれた?」
脩は笑顔で俺の除く五人に問いかける。五人は「どうなんだろう」と悩んでいるようで何も言わない。
ここは俺がフォローしないと……
「みんな! 俺は修が未来からきたって信じているよ! 何故なら修は俺の悩みを知っていて、悩みを解消してくれたんだ。それは……」
俺は修がYouTubeのことを親から理解してもらえるよう取り計らってくれた話を語った。
みんなは関心を持って聞いてくれた。
代表して芹沢勇気が答えを返す。
「林くん! 林くんが普通の人とは違うことは信じられたけど。僕はまだ林くんが未来からきたって完全には、信じられないよ。他のみんなも同じだろう?」
後の四人は頷く。これに修は満面の笑みを浮かべながら一つ提案する。
「じゃあ僕がみんなの悩みを解決するよ! 僕はみんなの未来からやってきた友達だから!」
芹沢勇気が、返答する。
「わかった。林くんはここの全員の悩みを解決してくれるんだね? それなら本気で信じられるよ」
とりあえず修が本当に未来人なのかは、後回しになった。
***
一つの話にケリがついたところで修は気になっている疑問を聞く。
「翼! ここにあるはずのクレセールバルセロナFCは、どこにあるの?」
橋本翼は地元のサッカークラブ事情に詳しい。もしかしたら知っているかもしれない。
橋本翼はうなりながら少し考えた後こう言った。
「確かクレセールバルセロナFCは選手が集まらなくて2012年に無くなっているはずだよ」
「え、どういうことなの〜!?」
修は後ろにのけぞりながら驚く。そりゃ無くなっていたら驚くよなと俺は思っていたが……
「今は2006年だよね!?」
え、こいつ何を言ってるの?
「今は2026年だよ!」
矢部秋男がみんなを代表して修に伝えた。これに修はひどく動揺ている。
「え!? なんでなの!? みんな1991年生まれじゃないの!?」
「みんな2011年生まれだよ!」
また矢部が伝える!修の動揺は止まらない!
「どういうことなの!? 訳がわからないよ……マルチバースなの!? 並行世界なの!? なんでみんな1991年生まれじゃないんだよぉぉぉぉーーーー!!!!」
修は前屈みになりながら思いっきり叫んだ!
みんなの反応はというと、困惑してるというより修の天然でキレているのかキレ芸なのかわからないブチ切れが面白くて笑っている!もちろん俺も笑っちゃった。そんなことキレられても俺たちは笑うしかないよ!
これからこの幼なじみたちの個人回があるので一気に覚えなくていいですよ!
明日からは一週間は毎日二話投稿します。
朝7時と20時に投稿します。
これもジェミニが教えてくれました。ジェミニ様ありがとうございます!




