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修ズ!スター! 〜未来からやってきた友達!?林修が巻き起こす青春群像劇〜  作者: まくお


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第十八話 橋本翼の悩み

 僕は橋本翼はしもとつばさです。みんなからはつばさと呼ばれています。十五歳の中学三年生だ。僕には悩みがある。

 

 顔はカッコいい方です。勉強もそこそこできます。

 背も高いのでモテます。でも僕にはもう心に決めた人がいます。

 サッカーをやっている幼馴染おさななじみ風間咲かざまさきちゃんと真剣にお付き合いをしています。

 なので悩みは女性問題でも、勉強でも容姿でもありません。

 

 悩んでいる事は本気で打ち込んでいるサッカーの事です。

 僕は一応。j1の強豪クラブ「浦和蒲焼うらわかばやきFC」のジュニアユースに所属はしています。

 

 でもあくまで「ジュニアユース」です。本当に期待されている選手なら、一つ上のユースチームに所属できるのだが。

 ……僕はまだそのレベルではないようです。

 

 日本代表で長く活躍する選手は十五歳くらいにはだいたいきゅうでユースにいる事が多い。

 

 僕は早く日本代表に選ばれて、長く活躍したいのだ。つまり日本代表のエースになりたい! 十番を着けたい!

 今日は林修はやししゅうくんという、未来からやってきた友達を自称する同級生と長く話せる日だ。

 

 林くんは明らかに他の同年代のサッカー少年とは、レベルが違う。それこそ今からユースに所属できるくらい上手い。一回いっしょにプレーをしただけでわかる。

 ヨーロッパで長年プレーしたと言っていたが、それは僕はまだ信じきれてない。


 ——そろそろ時間だ。僕は公園で自主トレをしながら待っていたが、それもそろそろやめだ!


 ***

「こんにちは! 僕は林修はやししゅう未来からやってきたスーパーサッカー選手でつばさの友達だよ!」

 

 林くんは開口一番にこう言った! 正直僕はまだ友達とは思えていないが……そこはスルーしよう。

 

「こんにちは。林くん。今日は僕は未来でどんなキャリアを築くか聞きたかったんだ」

「そうなんだ。じゃあ少し長くなるけど話すよ!」

 林くんは少し間を置いて話し始める。

 

つばさは、j1の大宮白焼おおみやしらやきFCで十七歳でデビューするんだよ。そこで活躍して十番を着けるようになるんだよ。その後二十二歳前後でドイツの強豪きょうごうクラブに移籍いせきして何年か活躍したのちに、やべっちのいるロンドンのクラブに移籍してそこで三十歳ちょっとまでプレーして、j1の大宮白焼FCに帰ってくるんだよ! かなり幸せなキャリアをきずくんだよ!」

 

 確かにそれが今からできれば、十分すごいけど……でも気になる事が二つある。聞いてみよう。

 

「林くん。なんで僕は浦和蒲焼うらわかばやきFCじゃなくって、大宮白焼FCでデビューするの? あと日本代表にはいつ選ばれるの?」

 

「ああ……やっぱりそこ気になるよね! なぜかいうと! 当時の浦和蒲焼FCのユースが黄金時代おうごんじだいむかえててさ、つばさとかねやんとみやほんの三人は大宮白焼FCに入ったんだよ!」

 

 ああ、1991年前後の生まれの埼玉のサッカー選手は上手かった。

 というのは、2011年生まれの自分でも知っている。その選手たちが浦和蒲焼FCに入っていたなら、地元のライバルチームに入ることも選択肢せんたくしに入る。

 

 はやしくんはもう一つの疑問にも答えてくれた。

つばさ代表だいひょうには二十歳くらいで初選出はつせんしゅつされたかな……ただ、当時の中盤ちゅうばんの選手のそうがエグかったからさ、代表のレギュラーになったのは、二十七歳くらいだったと思うよ」

 

 林くんは頭を左右にらして考えながらそう言った。

 日本代表のレギュラーになるのは、二十七歳くらいかぁ……遅い。遅すぎる。

 

「林くんは何歳なんさいから代表で活躍かつやくしてたの?」

「僕はなんだかんだ十九歳くらいから使われてたよ! 二十二歳くらいの時にはレギュラーをとっていたよ!」

 

 僕の素朴そぼく疑問ぎもんに林くんは即答そくとうする!

「林くんと僕の違いってなんなのかな?」

「僕と翼の違いはポジションとプレースタイルの違いだよ。僕は攻撃的こうげきてきなサイドアタッカーなんだけど、すぐにアシストしまくって結果出したからね! 翼は中盤ちゅうばんの底や真ん中で体を張る守備しゅびしたりゲームメイクを求められていてさ。それを上手くこなせるようになるのが、二十七歳くらいだったんだよ!」

「な、なるほどね…………」

 

 僕はしばらく考え込む。確かに攻撃で結果を出せればすぐに代表のレギュラーになれるかも……

 僕はプレイスタイルを変えた方がいいのだろうか? 今の決断けつだんは将来のキャリアを変えるかもしれない。


 それが良い方に転ぶか悪い方に転ぶかはわからない。

 僕はどうしたらいいのだろう?


 その様子を見て、しばらくはやしくんもだまってくれていたが、あんまりにも僕が長い時間考えていたので、林くんが語りかけてくれる。


「翼。あんまり焦らなくてもいいと思うよ。正直な話、僕は十七歳でデビューしなくてもよかったと思うんだよ。翼のキャリアは怪我けがとの戦いなんだよ。翼は接触せっしょくプレーが多かったし。僕はあんまり怪我しなかったんだけど、それは僕は接触プレーが少なくプレスタイルだったし。ファウルもらううのも上手かったからさ。だからじっくり体をきたえてからプロになった方が僕はいいと思うけどね……」

「そうなんだ……うーんどうだろうな……」

 

 僕は返答に困る。確かにその手もあるかも……でも早くプロになった方がいいのではないかな?

 林くんはさらに続ける。

 

「あと、翼のことで心配なのが、翼ってヨーロッパに行った時に、そのチームの王様おうさまに気に入ってもらうための一発芸いっぱつげいとかそんなの持ってないでしょ! そこも僕は心配なんだけど翼さぁ。これできる?」


「た、確かにそうかも……ちなみに未来の僕はどうやってチームに入って行ったの?」

 

「それは僕がファローしたんだよ! 記者に翼の移籍いせきについて聞かれた時に僕がこう言ったんだよ!『あいつはバカだ! 翼は昔、芝のグラウンドで芝滑しばすべりをして怪我をしたバカだ!』って言ったんだよ! それで芝滑りネタで翼はチームにばじめたんだよ! 感謝してよね!」


「ははは! そんな事もあったよ! 林くんは現代でも助けてくれる?」

 小学生の時にあったエピソードだ! それで監督に死ぬほど怒られたっけ。

 

 林くんは少し首をかしげて、こう返答する。

「うーん。多分僕はこの現代ではプロサッカー選手やらないと思うんだよ。でもYouTubeはやるからさ! 動画を出して君を助けるよ! 友達だからね!」

「よろしく頼むよ! でも林くんは趣味ではサッカーするんでしょ? サッカーについて僕に教えてよ!」


 林くんは太陽のような笑顔を浮かべてこう言った。

「もちろんだよ! 翼は僕よりもサッカーの才能があるからさ! 怪我しなかったらすごいサッカー選手になれるよ。それこそバロンドールとれるくらいに。もうやばい二人の選手はライバルじゃないだろうしさ!」

 

 林くんの世代はメッシ選手とロナウド選手がいたからバロンドールとるにはきびしかったんだな……

 

 林くんはさらに最後にこう言い残し去って行った!

「これで僕たち友達だよね? 僕のことはしゅうって名前で呼んでね! じゃあ僕は焼き鳥焼かないといけない時間だから今日は帰るよ!」

 

 そういえば、金本満かねもとみつるくんの相撲部屋に居候いそうろうしていたんだっけか。

 居候も大変なんだな。

 林くん……いやしゅう指導しどうしてくれたらもしかしたら僕も……


 僕はもうちょっと自主トレしてから帰ろう。


 

 

サッカーの話をするときは多分翼がメインが多いと思うので、本気でサッカーやってる橋本翼という登場人物を「こんなやついたな〜」くらいに覚えといてください。


ただ、その話の始めにちゃんと誰目線でソイツがどんなヤツなのかは説明入れるので、

なんとなく読んでいても大丈夫だと思います。

次の話は今日20時更新です。

次回はつなぎの回です。

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