初めての外
「えっ!あっ、うわぁ!すごい!」
「フフ、でしょう?」
目の前に広がる風景に驚きを隠せない。
こんなに近くにこれほど賑わっている街があっただなんて。
リィナさんに押されてやってきた街は流石は王都っていうだけあって人がたくさん居るし、建物もたくさんある。
見たことのないお店もたくさんある。
出店みたいなのもあるし。
建物は異国って感じで、以前いた世界に似ているようだけど、でもやっぱり違う。
どこが違うかと言われればはっきりとは答えられないけど。
でも、違う。
魔法があるって所は一緒なんだけど。
「レイ様、レイ様。」
「えっ?」
「いえ、何かぼうっとしてたようなので。」
「えっ、あっ、いや、ちょっとびっくりしてただけで。」
「そうですか?ならいいんですが。」
「レイ様。どこを見られますー?」
「えっと・・・。」
「一応、この国の王都なんで、いろいろありますよー。」
「いろいろ店を見て回ってみるか?見て回ってレイの気になる場所にいけばいいさ。」
「そうですね。そうしましょう。」
リュウ様の一声でいろいろな場所を見て回ることに決まった。
良かった。
どこって言っても私には全然分からないから。
また皆を困らせてしまうところだった。
「さぁ、行こう。レイ。」
優しい笑顔でリュウ様が私を見る。
もしかして、リュウ様私が困らないようにって言ってくれたのかな。
多分・・・いや確実にそうだ。
「リュウ様。」
「ん?どうした?」
先を歩き出した2人に続いて歩き始めようと前にリュウ様に声を掛ける。
「ありがと、ございます。」
「ん?何がだ?」
「・・・。」
小さな声でお礼を言えば、リュウ様は何のことか分からないみたいな返答をした。
でも、絶対に分かってる。
だって、すんごい笑顔だもん。
怖いぐらい笑顔だもん。
にやにやしてるもん。
なんで私がお礼を言ったか分かってる。
なんだろう、腹立つ。
でも、今は我慢する。
一応、感謝してたのは本当だからね。
でもやっぱり腹立つので、にやにやと笑っているリュウ様を追い越して2人の隣にさっさと向かった。
「あら?レイ様?どうかしましたか?」
「いいえ、なんでもないです。」
不思議そうな顔をするライアさんに気にしないように言い、どんどん進む。
リュウ様を置いて。
なんとなくライアさんも気付いたようで、それ以上は何も聞いてこなかったので街を探索することに集中する。
「あっあれって?」
「嗚呼、あれはナスのパイですね。」
「ナスのパイ?」
歩いていると、美味しそうなにおいがして見れば、どうやらケーキ屋さんの出張店のようなお店があった。
美味しそうなケーキ?みたいなのがたくさん並んでて。
その中で一番おすすめしているようなものがあったので、聞いてみたのだが。
ナスってあの?
いや、名前が同じだけで違うもの?
以前の世界でも同じな名前で全然違うものもあったし。
「はい、この国の名産物でもあるナスを使ったパイです。」
「この国のナスはとっても甘くてみずみずしいんですよー!」
「甘い?」
甘いナス?
あれ、やっぱり違うものかな。
「はい!果物ですから!」
「ふふふ。レイ様が気になったようですし、リュウ様。」
「嗚呼、そうだな。買ってこよう。丁度小腹も空いたところだし。」
「やったー!じゃあ、私が買ってきますねー!」
「えっ!?買うって!私お金もってないですよ!?」
「大丈夫ですよ。レイ様。私たちがもってますから。」
にっこり笑ってライアさんがそう言うけど何も大丈夫じゃないですよね!?
「大丈夫だ。レイ。母上からちゃーんと預かってるから。」
「えっ?師匠?」
「嗚呼、母上からレイがこの国を世界を知れるようにって、そのためにはお金だって必要だからって。」
「しっ師匠・・・。」
「だから金銭面に感してはなーんの心配もいらないんですよ。」
笑顔でそう言ってくれるライアさん。
本当に師匠に頭が上がりません。
帰ったら師匠にお礼をちゃんと言わないと。




