エピソード7
「ところで領地復興の目処がついたら、あなたの町に帰るの?」
「ええ、 でもその前に大きな行事をひとつこなさないとね」
「1ヶ月後の王妃様主催のお茶会ね。
そこで結婚のご報告はするの」
「いいえ、二人一緒に陛下にご挨拶していないから、内々に報告して、御披露目やパーティーなんかはずーと先よ。
名目的には、テオバルド様の不在とうちの領地復興で忙しい為って事で国王陛下にはお許しを頂いたの」
「そう、でも…
1ヶ月後なら噂は出てる頃よね」
とちょっと心配そうにルビアが言う。
ロエベ子爵の商いの為に早めた結婚だ。
我が家が大々的に広めなくても、お父様がロエベ子爵と連れ立って知り合いの所へは挨拶に行くだろうし、1ヶ月もあれば噂は広がっていくわよね。
若い令嬢たちの間では、あることないこと噂話は常に渦巻いている。
今までは外から様子を伺っているだけだったけど、今度は噂の中心に据えられかねない。
優しいルビアはそれを心配しているのだろう。
「まあ、端から見たら電撃結婚だしね」
「端から見なくてもそうよ。
それにあの娘がまた絡んでくるわよ」
「あー」
そうだ、忘れていた。
あの厄介な存在の事を。
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北の領地もやっと目処がつきそうで本当に良かった。
我が家での顔合わせから数週間、ロエベ子爵がテオバルド様からの手紙を持って再訪してくれました。
子爵様はまた私にいっぱい贈り物を置いて帰っていきました。
子爵曰く、義理の娘へのプレゼントだそうです。
さて、部屋でゆっくり手紙を読むことにします。
侍女にお茶の用意をしてもらい、早速封を切りました。
:
拝啓
取り急ぎ、ご挨拶申します。
丁寧な手紙を頂き感激いたしました。
この度は父の非礼とも言える申し出を受けていただいたそうで、お礼申し上げます。
しかも、このように前向きに私との関係を作ろうとしてくれるなど、感謝の念に堪えません。
父からも手紙でリディアーヌ様の美しさや、人柄の良さを聞き及んでおります。
私はなんとも運のよい男だと、喜んでおりますれば、少しでもあなたに相応しい男になるべく精進しようと、決心したところです。
また私の都合で直ぐにお会いできず、誠に申し訳なく思っておりますが、これからは
お互いの気持ちを通わせるべく、できる限り便りを出す所存でおります……
と、この後も続くんですが、こんな感じでとても気を遣って下さっているお手紙が頂けました。
あちらも親が決めた相手を嫌がってはいなそうで、ホッとしました。
顔も気になりますが、やっぱり性格が良い方が大事ですものね。
これなら、心配はなさそうです。
そして最後に王妃様主催のお茶会について触れていました。
:
父からききましたが、王妃様主催のお茶会があるとの事。
本来ならちゃんと婚約式や陛下へのご報告などを二人揃って行えれば、良かったのですが生憎と後1年はこの国を離れられない事情があり誠に申し訳ない。
あなたに肩身の狭い思いをさせる事がとても心苦しい。
もしもの時の為に私の友人によろしく頼むと手紙を送っておりますのできっとお役にはたつと思います。
無事に終わる事を祈って…
そうでした、子爵様にお会いした時も最後にその話をしたのですよね。
王妃様は事情を察して下さるだろうけど、うるさい噂雀どもがいっぱいいるだろうと…
本当は噂雀って言うのは町でお金を貰って噂を広める人の事らしいけど、若い令嬢達の間では、噂話を聞いて、しゃべって大騒ぎしている若い令嬢達の比喩としても使うのだ。
私の周りにも噂好きの令嬢は多いのです。
子爵様やテオバルド様はその事を気にしてくださっているのだろう。
でも友人って男の人?
お茶会は令嬢たちが主な招待客だ。
男の友達では役にたたないと思うのだけど…
それとも女の方なのかしら?
テオバルド様の手紙に嬉しいやらほっとしたやら、気持ちが大忙しでしたが、最後に少しだけ不安な気持ちがのこりました。
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