エピソード22
《拝啓
手紙、楽しく拝見いたしました。
リディアーヌ様が商いに興味がお有りとは嬉しい限りです。
益々あなたに会いたくなりました。
出来ることなら、全てを投げ出し、ジャルジェ領まで飛んで行きたいところです。
手紙にあったマルクスの特色を出した新たな商品を作りたいと言う事を聞いて、少しお節介をいたします。
このところ王国では木の実の輸入が増えているらしいですね。
このところワグナー共和国から王国に木の実の輸出が増えております。
そこで、まだ王国では珍しくワグナー共和国で新たに品種改良した木の実の苗と若木をお送りします。
ラピポードと言うこの木の実の苗は、ワグナーでピスタチオを改良したもので、普通のピスタチオが実をつけるまで4、5年かかるところを1年ちょっとで成長し、実をつけます。
マルクスの温暖で湿気の少ない気候なら良く育つと思います。
若木であれば数ヶ月で実をつける事も可能でしょう。
特産品にされてはどうかと思い送らせていただきました。
是非ご検討してください。
その気になりましたら、ご連絡頂ければ、苗はいくらでも送ります… 》
すごい!
私が考えた事を予言してくれたように、素晴らしい苗を送ってくれたんだわ。
確かに、今王国で手に入る木の実の苗では、実を結ぶのに、とてつもなく時間がかかってしまう。
折角、木の実の畑を作り生産に成功しても、木の実が流通するのが何年も先では、流行が終わっているかもしれない。
でも、数ヶ月なら何とか間に合うかもしれない。
何よりピスタチオの改良品なら、クッキーなどの焼き菓子だけでなく、他のお菓子にも応用が効く。
何よりもまだこの国では一部の高級製菓店でのみ食べられる珍しい部類の木の実なのだ。
私もたまたまルビアがお店に連れて行ってくれて知ったの。
「よし! やるわ」
早速、2人の所に戻って話をする事にしました。
・
我が領の商業ギルド、冒険者ギルドにも声を掛けて木の実の採取依頼を出しました。
これで当分は木の実をストック出来るので、お母様にも連絡してマロクーリエのお菓子屋でも新作のお菓子を考えてもらおうと思います。
マルクスのパン屋でも、おばさんがアーモンドとくるみ、それにレーズンを沢山入れたビスケットクッキーを新たに発売しました。
今まであったクッキーよりサックリしていて、程よい固さ程よい甘さのビスケットクッキーです。
日持ちもするし、携帯食としても使えるので、これは船乗りの男たちにも好評です。
マルクスらしい、お菓子で軽食になる商品が出来ました。
とても評判になっているのでパン屋のおばさんも大喜びしてます。
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