表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はじめまして、顔も知らない旦那さま「顔も知らない旦那さま改定版」  作者: 井波裕子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/19

エピソード17

「お嬢様お疲れ様でした」

一緒に行ったパティも疲れただろうに、直ぐにお茶を入れてくれる。



「ありがとうパティ、あなたも休んで」

パティの美味しいお茶を飲んで、ほっと一息着くことが出来ました。


「おかえりなさいお嬢様。

いかがでしたか?」

ドミニクが部屋にやって来ました。


「ただいま。

しっかり見てきたわ。

思っていたより皆元気そうで安心したわ。

きっとこの町の人達が最初から面倒見てくれたからだと思うわ」


「男の人達は人数も多い上に、年齢もバラバラなの。

だから、仕事の斡旋もちょっと時間がかかると思うわ。

だけど、今のところ女性は3人だけで、皆若いの。

だから、ここで働いて貰おうと思うのだけれど、どうかしら?」


「ここで、ですか?」


「ええ、さっき会って来たのだけれど、1人はナラと言って食堂で料理を作る仕事していたそうなの。

私が滞在中は簡単な物はパティが用意してくれていたし、近くの料理屋で作ってもらっていたじゃない?

皆も外に食べに行く事が多かったと思うし…

だからラナにここの料理人になって貰ったらどうかなって」


「それはいい考えですね。

後の2人はどうします?」

ドミニクは私の考えに賛成しながら、先を促してくる。



「後の2人はコレットとマルタと言うのだけれど、

コレットは一番町に近い村にいたらしくてね。

町まで出で薬草や花の売り子をしていたって言ってた。

だから、ペリーヌたちのお手伝いをしてもらって、マルタはずっと家の手伝いで家事をしていたらしいから、2階、3階の掃除中心のメイドをしてもらおうかなって」


「ほうほう、なるほどなるほど、とてもいい考えです。

我が商会だけならともかく、お嬢様がいらっしゃる時にお嬢様のお世話が侍女のパティさんだけなのは、私も気になっていたのですよ。

お嬢様は気にしないと仰いますが、私としては旦那様に申し訳なくって」


ドミニクはお父様が私に付けてくれた人だから、やっぱりお父様の手前そう言った事も気にするのね。


私ももっと気を遣って上げればよかったかな?

どうも、ここにいると貴族令嬢の色が薄れてしまうのよね。



       :


次の日から3人を迎えるためにパティやドミニクに手伝ってもらって2階の片付けを始めます。


もともとこの建物は商会の規模よりもかなり立派で大きいのです。

1階は店舗兼倉庫として使っているので建物の表側はお店と事務室、休憩室などで裏側半分は在庫置き場として全ての部屋を使っていますが、2階は商会の商談室と執務室以外は全く使っていませんでした。

なので、3人の部屋を整えて、厨房を使えるように整えて少し大きめの部屋を食堂としてあつらえました。


本当は2階に立派な厨房がありましたが、たまにしか使わないとなると反対にメンテナンスをするのが無駄に思えて閉鎖していました。


今まではパティと私が3階の小さなキッチンを使う以外は1階、2階の給湯室以外はあまり必要性を感じていなかった…

と言うより使う人がいなかったのです。


綺麗に掃除して、整えられた厨房や食堂を見て想像を掻き立てられました。


「パティ、ドミニク。

これからはラナにご飯作ってもらって、皆で一緒にご飯を食べましょう」


「一緒にですか?」


「そう、パティもドミニクもテッドもケイティとペリーヌも皆一緒に。

だって皆は私のもう一つの家族だもの」


「お、お嬢様~ 私感動しちゃいました」

パティが何だか涙を浮かべて見ています。


「あら? 今までだって、マルクスにいる時は2人でご飯食べてたじゃない」


「そうじゃなくて~

か、家族って言ってくれたことですよ~」


「パティさんの気持ちは私も分かります。

とても光栄です、お嬢様」

ドミニクまで感無量みたいに目を閉じて噛み締めている。


「2人とも大袈裟よ。

でも、本当に思っているわよ。

商会の皆は私の家族だって」



「僕も入れてくれるんですか?」


後ろからテッドが現れて笑顔で聞いて来ます。


「あら? テッド

今の話聞いてたの?」


「ええ、様子を見に来たら声が聞こえて来たので」


「もちろん、テッドだってこの商会にはなくてはならない人だもの。

私の家族だわ」


面と向かってそう言うと、

「調子狂っちゃうなぁ」

とちょっと照れて横を向いてしまった。


「いい?3人共。

照れても、泣いても感動してもいいけど、明日からは皆一緒にご飯たべるからね!」


私は高らかに宣言しました。



お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ