表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/41

第三十九話 容疑者


 ロドアさんの鋭い眼光が私を突き刺して、はや数秒……周りのおじさん魔族さん達もみんな座り直したりし始めた。そ、そんなにやばい……?いや、やばいよね……あたりまえだ……。


 お姉さんの細くて、しかし力強い腕が、私を囲むように動き始めた。冷たすぎる空気とは違って、お姉さんの腕の中はすっごく温かい……。


 ……って、こんな安心してる場合じゃない……!助けてぇ……お姉さん……!


 私が冷や汗をかいていると、ついにロドアさんが口を開き始めた。


「——面白い小娘だ」

「……え?」


 紡がれた言葉は、私の想像していたような怖い言葉じゃなくて、まるですこし笑っているかのような……いや、ロドアさんの顔はぜんっぜん笑ってないけど……!


「思えば、この会議で、私の意見に否定的な見解を述べた者は一人もいなかった。会議とは名ばかり……全てがただの確認作業と化していたが……お前のような若い子供が、ここの者達を差し置いて先駆者と成るとはな」


 お姉さんの腕から、少しだけ力が抜けた気がする。


「……良かったわね、リーシャンちゃん!貴方、褒められたわよ〜?」

「……丁重な場に子供を連れてくることは、まったくもって褒められたことではないがな」



 ……またお姉さんの腕に力が入った。……私の心配っていうよりは……なんか怒ってそう。でもたしかに、ロドアさんの言うことも正しいし……お姉さんの味方にはちょっと慣れないかも……。いやでも、私がついていきたいって言ったわけだし……あれ?でもお姉さんが寂しかったから、私はついてったんだよね……?


「……悪かったわね」

「……あぁ。後ほど、その幼き淑女をじっくり見せてもらおうか」

「え?」


 後ほどじっくり見せて……??


 ロドアさん、やっぱり怒ってる……!?許したフリして、すっごい怒ってるんじゃ……!?あとで呼び出すなんて、怒ってないとぜったいやらないと思うし……!


「リーシャンちゃんは渡さないわよ……!?危ないことなんてさせないんだから」

「……決して譲渡など求めていない。個人的に興味が湧いただけだ」

「そこを危ないって言ってるのよ!」


 お姉さんが私をギュッと抱きしめ…………ちょっと……力強いかもぉ……!!


「ふ、ぐっ……」

「アタシのリーシャンちゃんを奪おうだなんて、1200年早いのよ……!」

「奪おうとするつもりなど………………ふむ。私に怒鳴る前に、少し肩の力を抜いてはどうだ?」


 ロドアさんがそう言うと、お姉さんがハッと息を吸って腕に込めていた力を抜いてくれた。……危ない危ない……またお姉さんのお家での二の舞になるところに……。


「……ごめんねリーシャンちゃん……あとでたっぷり、甘い物を食べさせてあげるから……」

「許す!」

「流石はアタシのリーシャンちゃん〜っ!!」


 大事な会議中だっていうのに……お姉さんに抱きしめられて、みんなに注目されて恥ずかしい……。……まったく、お姉さんたらどこでも私をこうやってしてくるんだから……。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ