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第十九話 お姉さんは石橋より強し



 お姉さんに抱きかかえられながら頭をなでなでされていると、やっぱり、心から安心しちゃう。


 怖い犬の人が襲ってきたり、グラディロン団長と、変な騎士団の人が来たりして騒がしかったけど、気を取り直して列に並び直した私達は、ようやく飛行艇に乗り込めそうだった。


 でもここは、王都バイトコル。いつも通り、まだ怖い人がたくさんいるみたい。並ぶ順番で、知らない2人が喧嘩をしているらしい。片方は人間族の男性で、もう片方は人間族の女性。

 

「おい!俺の方が前に並んでたぞ!」

「そんなわけない!私の方が前だったわ!」

「……お前たち……耳障りだ。静かにしろ……。俺に目をつけられると、面倒事しかおきないぞ」


 エルフか、ハーフエルフかどちらかは外見だけだと分からないけど、近くの男の人が、喧嘩しててうるさい2人に向かって少し怒っている。黒っぽい髪をかなり長く伸ばしていて、片目しか私からは見えなくて、少し……いや、けっこうな威圧感がある人だ。パストグロリさんなら、エルフ繋がりでこの人のことも分かるかな?

 

 お姉さんは、「あはは、またなんかやってるわね〜?……リーシャンちゃんは、アタシだけ見てれば良いから、気にしたり、怖がったりしなくていいのよ!」と、特に気にせず私の頭をヨシヨシと撫で続けている。


 大声を出されると、やっぱり驚いちゃうけど、お姉さんに撫でられると安心するから、それも不思議。……もしかしたら、そういう魔法もあるのかな?


「うーん……?」と、顎に指をあてて考え込んでいると、喧嘩している人たちのところに、さっきの荷物検査のお兄さんが仲裁しに行っていた。……バイトコルの騎士団の人って、やっぱり大変なんだなぁ……と、素直に思った。


 フリフリとした服……えっと、そうだ、メイド服。


 私は、お姉さんに着せてもらったメイド服を着て、猫耳をゆらゆらと左右に揺らしながら歩く。それがどうやら、お姉さんの目を惹きつけていたみたい。


「……大正解……だったわね……!最高よ……」


 飛行艇の前とバイトコルの外壁の間にある、少し大きな川。これを越えるための石橋は、一見すると頑丈だけど、たくさんの人の歩行に、ちょっとだけ悲鳴をあげてるように感じた。……すっごく揺れてて……かなり怖い。……崩れたりしないよね……?


 私の歩く石橋の下は、ゴーゴーと力強く流れる大量の水。

大きな水の音と、強い風の音に襲われ、足がすくんでしまい、お姉さんに体重を預けるカタチになっちゃった。


 だけど、お姉さんの身体はとても安定してて……石橋なんかよりも、ずっと屈強だった。


 

【6月11日追記】


キャラクタープチステータス:


  ⑨リーシャン(Part2)

   年齢:13歳

   身長:153.3センチ

   種族:猫族と人間族のハーフ。先祖に魔族。

   好み:甘党

   好きな人:お姉さんと、お家の皆。パストグロリさん。お母さんとお父さん。

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