表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Witches×WitchBot  作者: 三嶋トウカ
訓練

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/25

第17話:適性_2


 「おお、やってるな」

「アレフさん!」


 一番最初に気付いたのはトウヤだった。


「パスコは注射が嫌いなんだな。あー! とかギャー! とか聞こえたが、ありゃお前の声だろ?」

「うっ、バレてしまった……」

「みんな苦手なもんの一つや二つくらいあるだろ。気にすんな。……まぁ、これからは嫌でも付き合わないとダメだけどな」

「が、頑張ります……」

「今日はシードの適性確認するって話だったからな。気になって来てみたんだ」

「あの、怪我はもう大丈夫なんですか?」

「あー、これか?」


 トウヤの問いにアレフは右腕を上にあげて見せた。二の腕が全体的に包帯で巻かれている。中がどうなっているのかはわからない。


「動くから大丈夫だろ。別に指先も問題なく動かせるし、これくらいなら全然……」

「アレフ、もう治ったのかい?」

「まーな、アリ……っ、てぇ!!」

「なんだい、やせ我慢じゃないか!」

「急に触ったらビックリするんだよ!」


 アリスがアレフの腕をポンと軽くグーで殴ってみると、彼は身体を引いてアリスに怒った。


「はいはい、無理するんじゃないよ。定期検診は終わったんだから、アンタが出なくたって、他の子たちが出られるんだから」

「……そうだよ? ワタシがいるじゃん?」

「げっ、マチルダ……」


 アレフの後ろからひょこっと顔を出したのは、妖艶な女性だった。黒いエナメルのロングブーツに、背中の大きくあいたロングニットが良く似合っている。ダークレッドの髪の毛は長いからかアップにしていて、ふんわりとおくれ毛の残るうなじから、背中にかけて健康的に焼けた肌が眩しかった。


「はぁい! みんな初めまして! アレフと同じパイロットのマチルダだよ! キミたちの先輩ね? よろしく! ……あぁ、いいよいいよ座ってて。採血したんでしょ? シードも飲んでるわけだし、おとなしくしててよ。ねぇ?」

「急に来たらそりゃみんな席を立つだろ……」

「それはアナタも同じでしょ? トウヤなんか超ピッシリ立ってるじゃん」

「……トウヤ、座ってくれ」

「は、はい!」

「おいパスコ、お前は見過ぎだ」

「えっ、あっ、ごめんなさい!」

「だいたいお前、そんな格好で来るなよ」

「何着たっていいでしょ? ワタシなら何でも似合うし?」

「子どもの目に毒なんだよ……」

「言うほど子どもいないでしょ?」

「そこの十歳コンビ忘れるな……」

「あっ」


 十歳コンビと呼ばれたのは、シシィとマイロのエイマーズ姉弟だ。二人ともまだ十歳という年齢だが、適性からパイロット候補に選ばれた。比較的低年齢な双子なだけあって、性別は違うが見た目はよく似ている。弟のマイロよりも姉のシシィのほうが勝気な性格で、優柔不断な弟をよく先導していた。今はシシィが女性用の制服を着ていて、髪の毛を二つ結びにしているから見分けもつくが、二人が同じ制服を着て髪を下ろすと驚くほど見分けがつきにくい。知らない人や普段会わない人が見たらまず判別は無理で、よく知っている人でも二人がお互いを徹底的に真似すれば、どちらがどちらか判別できないほどよく似ていた。


「マチルダさんのその格好、めちゃくちゃ似合うと思うの! ね? マイロ?」

「う、う、うん」


 目をキラキラさせて姉はアマンダを見ていたが、弟は反対に顔を赤くして見ないように俯いていた。


「あらありがと。……うふふ、どっちも可愛いわねぇ」

「おい待て十歳だぞ? ちゃんと弁えろ」

「もーわかってるってばぁ」

「コイツ守備範囲が広いからな、各々気を付けるように! 行くぞ!」

「え? まだみんなの結果見てないのに?」

「お前がいたら気になって仕方がないだろ!」

「気になる? あ、もしかしてアレフがワタシのこと気になっちゃう?」

「頼むから黙っててくれ……」

「あー! まだ全然お喋りできてないのにー!」

「邪魔したな! 結果はまた教えてくれ!」

「ちょっと!? また! また! お話ししましょうねー!?」

「早くいくぞ!!」


 アレフがアマンダをズルズルと引っ張っていく。まるで嵐のようだと、残された人間はみなそう思った。


「……ええっと、あの方がパイロット二人目のマチルダさんです。今パイロットは全部で四人、残りは男性二人ですね。ザックさんとキリィさんです。またお会いするタイミングはあると思いますので。今はシードの適性に目を向けましょう」

「最初にやったモカの分はもう出てるよ。精度も上がったし、結果が出るまでも早くなったよね。後ろのほうにやった子らはもう少しかな。この結果はデータベースに残るし、職員やパイロットなんかの、みんなと関係する人は自由にみられるし共有される。身体に合わないシードを使わせてはいけないからね」

「その、身体に合わないシード……って、本当に使い続けると身体によくないのか? みんなそう言ってるし、教科書にも載ってたけどあんまり実感が湧かないっていうか。シードそのもののが異物って感じがして、むしろ全体的に良くないんじゃないか……って思っちゃうんだけど」

「パスコの言うこともわかるわ。じゃあちょっと、全員分の検査結果が出るまでお話ししましょうか。シードについて」

「やった! 何事も知っておいて損はないもんな! 言ってみるもんだぜ」

「それには同感よ。私が候補生たちに授業することも恐らくないし、貴重な機会よ? しっかり聞いてちょうだい」

「エイナちゃん、どうしましょう……?」

「ルリから伝えておいて? 他の子でもいいけれど。昨日の検査後にザックリ話はしてあるから、大丈夫だとは思うけどね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ