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52話 ダンジョンの中で……


前回の続きです!どうぞ!



「…………………………………。」



「ダメです……。 中で何かがあったようで、すぐに復旧はできません……。」



ギルド〈獅子王の心臓(リオンズハート)〉副長のネロはそう答えた。


しかし、返答はない。

ただ、ヒンヤリとした沈黙が辺りを包み、誰も喋ることが出来なかった。


皆、下を向き事の事態を思い返す。


オボロ・ヒデトラ。 彼と、白髪の青年リサードが繋がっていたのは意外だった。

2人は協力関係にあった。

そして、ゲイ・ボルグを1つ退けて見せた。


驚き。


だが、問題はそこではなかった。



「……………………………………。」



マリン……。


あなた……


その時、沈黙がついに破られた。



「ハ……ハハッ。 な、何かの見間違いだぜ……。 みんな……」



ギルド〈獅子の心臓〉の特攻隊長レキがそう切り出す。


が────────


盛り上がった何も無い洞窟に霜が現れ、ピキピキと音を立てる。

まるで、それは山……、洞窟の悲鳴にも聞こえた。



「……舐められたものよ……。」



霜は気がつけば、一体を覆っており山を取り囲むには時間はかからないように見えた。



「ミラ様……。」



「……のう?」



今まで顔を見せなかったミラは面をあげ、マリンと似た顔を上げる。

その顔はあまりに冷徹で、そして妖艶な雰囲気と美しさを醸し出していた。



「お前達、ギルドから10日ほどの食料を運んできてくれぬか……?」



「は、はい!」



部下達が揃った敬礼とともに、返事を返す。



「そして、ネロよ……」



「は、はい! 何でしょう?」



ネロがそう返す。



「レキと2人で時送屋にコンタクトを取ってくれぬか……? 早急にだ。」



ネロとレキは顔を合わせる。



「「かしこまりました!」」



ミラは「フゥ……。」とため息を付く。



「……では、行動開始しろ。」



「「はい!!!」」



総員が散り散りに動き始める。


ミラの顔はまた見えなくなってしまった。


彼女は今何を感じているのだろうか……。



「おい、行くぞネロ……。」



「え、ええ……。 わかったわ。」



ネロはそう言うと、ミラの姿を後にした。




………………………………………………………………………………………




「う……ん……。」



「ん……? 起きたね!」



「あれ……? っ……!!」



「あ、ダメだよ! もう少し休んでなきゃ!」



リサードは目を覚ますと広い穴蔵のようなところで目を覚ました。

かなり湿り気があり、体も髪もジメジメしている。

体を起こそうとすると、マリンが目に入り体が固まる。


お前はっ?!



「お前……ッッッ!!!」



「え?!」



とっさに身構えるリサード。 しかし、────────



「……うん?」



「ど、どうかした……? 頭打って変になった?」



そこで、気づいた。


この子はマリンだ……。



「何だマリンか……。 驚かせないでくれよ……。」



そう言うと体をうねらせるマリン。



「え……。 やっぱり? ちょっとお姉ちゃんに似てるよね……。 えへへ。」



ちょっとどころじゃねぇよ……



「いやいや、褒めて言ったんじゃねえぞ?!」



頬を染めて喜ぶマリンにそうツッコミをいれる。



「ん……? 起きたのかリサード。」



リサードがそうマリンにツッコミをいれていると、奥から黒い男が現れた。



「何だ……すっかり元気そうだな。」



「あ……?」



リサードは顔を見ると同時に苦い記憶を思い出す。


誰のせいだと思ってんだぁ?



「おいコラ。 よくもぶんぶんぶんぶん、人をヌンチャクのように振り回してくれたじゃねぇか。 お陰で頭も体もボロボロだぞこの野郎。」



「頭は元々だろう……?」



「ほーう? 同じくらいボロボロにしてやるよこの野郎?」



リサードが、上半身を起こしながらオボロを睨みつける。

オボロもまた、腕を組み上からリサードを睨みつける。

すると、その時だった。



「ぶふっ……。」



マリンが不意に吹き出す。

顔を抑え、ツボに入ったのか笑いをこらえているようだ



「今笑うとこあったか……?」



リサードがそう問いかけると、マリンがポツリと呟く。



「ボロボロ……。 オボロだけに……ぷふっ……。」



は?


は?



「…………………………………………………………………………。」



「………………………………………………………………………。」



────────────ヒュウ……


まるで、真冬のような寒さが到来した。


寒っ……


リサードはわざとらしく、寒さを表現する。



「……俺達を凍らせる気か?」



オボロは後ろを向き、特に何事も無かったかのように腕を組んでいた。

────────がポツリと呟く。



「……さすが、氷の女王の妹と言ったところか……。」



「誰がうまいこと言えと……?」



「ほんと!? ありがとう!」



「いやいや、だから褒めてねぇって……」



そんなやり取りをしていると、徐々に体調が良くなってきていることがわかった。

自分でも思うが、回復速度半端ないなと思う。


これは、天性的なものかはたまたヒュドラのお陰なのか……


何にせよ……とリサードは落ち着くと本題に入る。



「で……?」



「うん……?」



「で……? とはなんだ?」



マリンとオボロがそう聞き返す。



「いや、何が?……みたいな顔されても困るわ! ずーっと思ってたけどこの状況何?! ここどこ?! 俺が気絶して何が起きたの?! 」



リサードは大きな手振りでそう言うと前のめりにマリンとオボロに詰め寄る。



「……説明してもらおうか……?」



……………………………………………………………………………………………




「……となって今ここにいるわけだ。」



「……は?」



オボロがリサードが振り回されていたところから、今の今までの状況の経緯を説明した。

しかし、リサードの第一声は「……は?」の一言だった。



「……何かわからないことでも?」



「ちょっと待て、軽く質問させろ。」



「……何だ?」



リサードは頭をこんがらがせながらも、確認した。



「オボロはタブーリストだった。 そいつらが使える固有魔法(ファーストネーム)と言う最高峰の魔法があって、それを使いゲイ・ボルグを回避した。そしたら、ダンジョンの時空が壊れて繋がっていたからダンジョンのあるフロアに飛ばされて、今そこにいる……。 ここまでOK?」



「ああ……。 まあ、ざっくり言えばそうなるな……。」



「ああ……。 まあ、百歩譲って納得したとするわ。 それで……」



リサードはマリンの方を振り返る。

既に興味がなくなっていたマリンは、リサードに見られハテナを浮かべている様子だ。



「……なんでマリンがここにいるの? もう一度説明して……?」



「だから、さっきも言っただろう……?」



オボロはそう言うとやれやれと言った感じで、また説明する。



「……マリンは俺がさらってきたんだ。」



「は……?」



リサードは状況が意味わからないと言った様子で、マリンを見つめる。

すると、マリンは焦った様子を見せたが観念したのか、リサードに向き直った。

そして、────────



「まあ……そういうこと……」



そう言って頬を赤らめるマリン。

そして、気まづそうに頬をかくオボロ……


あー?


なんだこの感じ?


ラブコメの波動を感じるぞ……



「……絶対何かあったな……。」



「……ん?」



「いや、何でもない。」



ボソッとリサードはそう呟くと、顎に手を当て考え始めるが、答えなどわかるわけもなく観念する。



「リサード。 もうそろそろいいか?」



「どうした……?」



オボロが突然そう口にする。



「これはマリンにも聞いてほしいんだが、このままこのダンジョンの中に居るのは危険だ。 もしあの女が入ってきて、この狭い場所で出会ったりなんかしたら死ぬぞ。」



「……ッッッ。」



何か思い出し身震いするマリン。

そこに、リサードが気になることを聞く。



「……と言ってもどこに向かえばいいんだ? 正直、俺はダンジョンなんて入ったこと無いしな……。 」



「……私も入ったことないな……。」



「そうか……。」



オボロはそう言うと少し表情に影を落とす。

リサードはそれが何を意味するかはわからない。

しかしあまり良くないことのように思えた。



「じゃあ、ダンジョンの説明を軽くしておくか。 ギルドも関係するから聞いてくれよ。」



オボロは咳払いをすると、話し始めた。



「リサード。 ギルドの話をしたのは覚えているよな?」



「……ああ。」



「ギルドが設立された理由は大きく2つ。 1つは街の治安維持だ。 ギルドの剣士や魔法職の者達が抑制剤として機能させるものとして知られている。」



「……なるほど。 道理であの街には警備隊が見当たらなかったのか。」



確かにリオンズハート程のギルドが、常駐警備していると考えたら犯罪なんてしたくないだろう……


リサードが納得したのを見ると、オボロは続けた。



「そして、これが本題だ。 2つめは、大陸安全化。 これに、ダンジョンの探索とダンジョン内の秘宝を取得するという行動が入ってくるのだが……」



「…………?」



オボロは苦い顔つきでその言葉を口にした。

その表情は先ほどと同じ、オボロの表情に影を落とした正体のように感じた。



「ダンジョン捜索においての鉄則は入口周りの安全確認。 何故なら、ダンジョンから抜ける時の道はそこしかない……」



──────────────。



「それって……ッッッ!!!」



「マジ……かよ……」



マリンとリサードは驚きを隠せない。

オボロは最後を続けた。



「あの女が入ってくる方がまだマシかもしれなかったな……。 俺達全員ここから出ることが出来ないと考えておけ……。」



と……


───────────────────────────────────




中二病でも恋がしたいの映画が最高でしたァァァァ。゜(゜´Д`゜)゜。

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