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36話 怒号

続きです。いつも読んでくれてありがとう!!

したスクロールです!



まるで大陸全てを揺るがすような地震が襲う。 その横揺れは木々を揺らし、岩を転がすほど強烈で、しっかり立っている者はいなかった。 彼ひとりを除いては。


……魔獣の感覚ではない……


白髪の青年リサードは、しっかりと地面に立ち、そう感じ取っていた。 防具の効果、大六感(センス)を使いこなし、ある一帯に集中を固め、感じ取る。


地震の揺れをものともせず、どっしりと構えて、


……この揺れがやんだ時、正体がわかるはず……


正体とはこの地震の発生源にして、この大陸最強と恐れられるモンスター、デミウルゴス。 クロエを狙い、怒り狂うデミウルゴスと戦う決意を固められるのは、リサードを残してほかにいない。 あの、ゼーノスですらデミウルゴスとの戦いは避けようとしていたのだ。 もちろん、この大陸最高の大きさを誇るハースハイト王国ですら、今回もクロエを生贄にして逃れるものだと思い込んでいるに違いない。 国民に至ってはデミウルゴスを知っているものが果たしているのだろうかと言ったところだ。

だからこそ、リサードにはここで倒す、若しくは撃退に追い込む義務がある。 クロエを助けて、国民も助けるのはこの道しかない。

だが、彼はそんな重圧をものともせず心地よい緊張とそれでいて遠足の前の日のような気持ちだった。



どんな奴が現れて、そして……



俺はどの程度戦えるのか………………





それもまた、本音だった。






すると、────



爆撃。


「リングよ!!! 応えよ!!!」


ローブ来た男がそう言うと、リサードの指にはめたリングが光り出す。 そして、あらかじめあった2つのリングの元へと引き寄せられる。

指からリングを外すと青いライトのような線が現れ、3つを繋ぐ。


その3つから現れた線はピラミッドの様な結界を作り上げ、ローブを纏い唱えていた男女の魔力で更に強固なものとなる。

彼らも決して弱くない者達。 彼らの魔力を凝縮した結界はそうそう破られるものには見えないが、話によると動きを止めるのが限度だという。



結界が起動する。



────────────────────────。



地震がピタリと収まる。


「リサード殿。 後は……」


そう言うのはこの場の監督をしていた男。 名をレーベル・トロイと言い、ローブを羽織った彼らをまとめあげ、レーベルさんとの愛称で呼ばれている。 茶色の髪に、茶色の口ひげを生やしており、地毛だということがわかる。


「ああ……。」


彼もザーバスに協力してくれている。 脱獄囚なのだろうか。 何の罪で入ったのだろうかと一瞬頭をよぎるが、すぐに切り替える。


今は奴のことだけ考える……



「……強者だ。 共に行こう、アビス。」



カチリと音を立て、アビスを引き抜く。 黒く鈍い輝きを見せ、刀身を現すアビス。 その姿はもはや待ちきれないという様子で、柄はまるで生きているかのような脈動を感じさせる。



「……共に倒そう、ヒュドラ。」



背筋にゾクッと興奮と不安が駆ける。 ヒュドラを食べた日以来、彼と話したことは無い。 もしかしたらいないのかもしれない。


だけどそれでもいい……


それでも、俺の中に流れ続けている。 応えられなくても、力となって応えてくれている。


「……全員離れてくれ。 戦うのは俺1人でいい。 周りに結界を張って、被害を最小限にするほうを優先してくれ。」


「1人……?! あの化物に1人なんてあの男は何を言って……」


ローブを着た男がそういった所で、レーベルがその男の肩に手を置く。


「その化物同士の戦いに、横槍なんて余計な世話ってことさ……」


「化け物……あの男が……?」


「ああ。」




すると、結界が光り出す。




「おでましか……」




レーベルはそう呟くと、全員に避難を命じた。


その刹那────────


暴風が吹き荒れる。


砂が舞い上がり、木や岩も巻き込んで竜巻が結界を中心に発生した。


「こんなのヤバイ!!!」


「結界が聞いてないの?!!」


ざわめくローブの男女達。



「……狼狽えるな!!!」



「────────────?!」


レーベルがそう喝を入れる。 だが、地面を抉りさらに規模を増す竜巻は留まることを知らない。

だが、その竜巻はレーベル達を飲み込む手前で消えることとなる。




「────────────ッ!」




強烈な一閃。




「な……ッッ???」


「え……ッッ???」


口々にざわめく。


まさに1振り。 リサードのたった1振りがその竜巻を真っ二つに切り裂き、昇華させてみせた。



「お、おお…………。」



男女達はリサードに期待を抱くもの、恐怖を抱くもの等に別れたが、彼らもすぐに切り替える。


あの暴風の発生地には一体何が……?


息を呑む。



しかし、────



「……??? 何だ……?」



レーベルがそう呟く。 それは、リサードも例外ではなかった。


「扉……???」


そこに現れたのは、結界をギリギリまで拡張し、ラッピングされたように引っ張る大きな扉だった。


「……これが……デミウルゴス???」


デミウルゴスの現れる瞬間など誰も見たことは無い。 そのため、何が起こるかは未知。 誰が大きな扉が現れることを予想できただろうか。


「この扉は……」


その時だった。


────────────ズキズキッッ


「ウッッッ………!!!」


強烈な殺意。 これまでとは比べ物にならないほどのオーラ。 それらが一度にリサードを襲った。



この扉の向こう……



そこにいる!!!



こんな凶悪なオーラを放つ者がなぜこの扉を開けて出てこないのか……?


俺を……試している……?


「いいぜ……」


「────?!」


レーベルは1歩1歩歩き出したリサードを見て、感じ取った。


もう戦いは始まっていると言うのか……ッッ!!!


次元が違う。


「……全員下がれ。 この丘……いやこの森を包み込めるような大きな結界を作るぞ!!!」


「……?! でも、レーベルさん!! そんな大きいのを作るにはとても魔力が……」


「俺に考えがある。 俺の近くに魔力ポータルを1つ設置して、お前達は森を大きく囲んで待機だ。」


「そ、それじゃレーベルさんが結界の中に……」


レーベルはニヤリと笑い、鼻の下をゴシゴシと擦って見せた。


「……こんな戦いもう見れない。 最高の特等席だと思わないか?」


「レーベル……さん……」


「行け。 」


「……はい!!!」


ローブの男女達が走り去っていくのをリサードも見送る。


「……いいのか……? アンタ死ぬかもしれないぜ?」


リサードがそう言うと、リサードの近くに降り立つレーベル。 恐ろしい程の殺気を彼も感じ取っているのだろうか。 少し顔をしかめながらもリサードに付いていく。




「……戦場で、しかもこの戦いを見れるなら、死んでも本望ですな。」



リサードもフッと笑う。




「……アンタ……アホだぜ?」




「お互い様でしょう?」




「…………かもな。」




そう言って、大きな扉に2人で近づく。 赤い紋様が描かれた大きな扉。


「……では、私は少し離れたところにいます。 ご健闘を。」


「……ああ。」


レーベルはそう言うと飛び出し、少し離れたところに魔力ポータルを設置した。

四角形の台座に大きな水晶がハマっており、不思議な輝きを見せている。

魔力の発生の一つに、大きな力の衝突が挙げられる。

つまりこの場合、リサードとデミウルゴスが戦えばとてつもない魔力が発生するはず……


コレを、魔力ポータルから外に伝える。 後は、戦いが始まるだけ……


そう考えた時だった。




────ゴゴゴゴゴゴゴッッッ


「────────?!」



「ッッッッッッッッ?!」



大きな扉が開く。 まるで結界など無かったかのように破り、ドアが少し開かれた。

中からは強い光で、こちらからは何も見えない。

レーベルは吹き出す汗と、これ以上無い興奮に見を震わせた。


そして、リサードは……


覚悟を決めた……


すると、────


コツコツと靴で床を歩くようなおとが響く。




奴が……くる!!!




このオーラの正体。 このさっきの持ち主。 この大陸最強の魔獣。 沢山の言葉がリサードの中で溢れ、興奮は最高潮に達した。


ところが、────────


『へへっ。 どうも、私がデミウルゴスと申します。 以後お見知りおきを……』


リサードの予想はどれもぶち壊された。


そして、ペコリとお辞儀。



「………………………………………………。」



絶句。



『あのぅ、聞いてます?』


「…………………………………………は?」


事態が飲み込めないリサード。 それもそのはずだった。 出てきたのは恐ろしい魔獣でもなければ、厳つい男でもない。 ただの、気の弱そうなオッサン。


……しかも、普通に挨拶されたぞ……。


「……あの、あなたが本当にデミウルゴス……さん?」


『ええ……先程もそう申したはずですが……?』


「あの大陸最強の……?」


『いえいえ、とんでもありませんよホホホ。』


そう言って照れるデミウルゴス。 年齢は40から50だろうか。体型は中肉中背で健康に悪そうな顔色をしている。 疲れたスーツに赤いネクタイをしめ、履き疲れた革靴を履いている。 メガネを掛けており、垂れた眉毛がさらに気の弱そうに見える。


そして、何より……






ハゲてる…………………………………………






中心が禿げており、横は普通に生えているのだが、中心はポワポワとした赤ん坊のような毛が生えている。


これがデミウルゴス……? 嘘だろオイ……


リサードがあまりの驚きに固まっていると、デミウルゴスはキョロキョロと落ち着かない様子で首を降り、そしてリサードに話しかける。


『……ところで。 生贄姫の方は?』


「────────?!」


そこでハッと正気を取り戻す。 敵がどんな野郎だと関係ない。 クロエを狙っているのには違いないのだから……


「生贄姫ならいないぜ。 今回はそのことで来た。 」


『えぇ、それは困りましたね。 なんとか連れてきてもらえませんか……?』


「…………………………………………。」


……下でに出るのがやりづら過ぎるぞコイツ。。。


だけどここで引く訳にはいかない!!!


「無理だ。 諦めてくれ。」


『………………………………。』


そう言って、頭を下げるリサード。


もしかして、話がわかるやつなんじゃないか……?


そう言った後、頭を下げたまま目でデミウルゴス顔を伺う。すると、彼の顔の目つきが変わっていた。


『…………嫌です。』


「────────?!」


『私にも引き下がれない理由がありますから……』


理由……


「いや、引き下がってもらう。 人の命がかかってるんだ、俺に引き下がることは出来ない。 諦めてもらう。」


だが、リサードももちろん引き下がらない。両者とも見つめ合う。


『たかだか、人間1人ですよ。 それぐらいいいじゃないですか?』


その言葉を聞き、完全にリサードの笑みは消える。









「…………………………………………………………はぁ?」









『人間1人の命で、見逃すって言ってるんですよ? 破格でしょう?』




チッ………………………




少しはいい奴だと思ったのによ……




『どうせ、人間なんて下等じゃないですか? しかも、それに飽き足らず1人の犠牲すらも惜しむ。 本当にその愚かさには飽き飽きします。』




……こういう考えのやつに話は通じねぇなぁ……




リサードは剣を構える。




根本から性格がねじ曲がってんだ。




「…………お前はもう、喋んな。」




『……はい???』




────ギリギリッッ




素でわかっていない仕草にリサードの柄を持つ手は震え、怒りで震える。




「……わかんなくていい、このハゲ野郎つったんだよ!!!」




この野郎……ぶった斬……




その時だった。







『……ハ……ゲ……?』






「あ?」






メガネがポトリとデミウルゴスの顔から転げ落ちる。





デミウルゴスの頭に角が現れる。





雰囲気が豹変?! しかも、この殺気は扉の前で感じた………



本性は……













テメェかァァァァァァ!!!











【『殺してやるぞシロボウズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』】













【「やってみろやデミウルゴスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」】








まさに……








この大陸最大の戦いが最高のボルテージで幕を着る瞬間だった……








────────────────────────────────────




ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!(作者)

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