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異世界補給伝記  作者: EMT
部隊勤務編
40/49

真犯人

ザクッ  


うん?痛くない。助かったのか?

目を開けて見てみると、自分のすぐ隣に凶器が刺さっているではないか。


危な。もう少しずれていたな首が体から引き離されていたであろう。


「なんだ貴様ら」


そこには第82輜重中隊のメンバーが広場に集まっていた。


「その処刑は中止してもらう」


あれキリルの奴がなんで俺を助けるんだ。あいつは横領の主犯格じゃあないのか。


「何言ってんだ輜重科のくせに。この処刑は決まったことなんだ撤回することはできない」


「ならば力ずくで止めさせてもらう」


「そんなことしたらどうなるのか分かっているのか。貴様らも反逆者だぞ」


「正義は我らにある」


広場に集まって居た市民は一目散にどこか逃げて行き。広場では火花が飛び散りそうなぐらい睨み合い。いつ両者がぶつかりあってもおかしくはない状況になっている。


騒ぎを聞き歩兵科の連中が駆けつけてきて分が一気に悪くなる。輜重科の兵士は第1線で戦う兵士に比べて練度が低いので戦闘ではあまり役には立たない。


「今ならこの事は無かったことにしといてやる。さっさと仕事に戻れ」


「くっ。だが、我々は引かんぞ」


「ならば仕方無い」


武力での鎮圧をしようとした時。


「そこまで」


広場に大きな声が響き渡る。


「この場での責任者どなたですか?」


「私だが」


「これを」


いったいどうなっているんだ。


「これは公爵家の署名が入った処刑取り消し命令。処刑は中止だ」


「やったーー」


広場に歓喜の声が響く。


やった助かった。これで死なずに済んだ。




その後、各員それぞれの仕事に戻るため持ち場に帰っていった。


「つまり横領の真犯人はうちの大隊長が犯人だってことですかキリル中隊長」


「そうだ。奴は前から横領をしていたが。各中隊は自分とこの部下を守るため奴の横領に目をつむり仕方なく従っていたのだ。私の中隊で1人事故死した士官は横領の証拠を探してのだがどこからか奴に勘付かれて奴に殺さたこともあり。君に首を突っ込むなと忠告しておいたはずだが」



「すいません。命令を聞かなくて」


「でも、無事で良かったな」


「何言ってるんですかオリガ中尉。もう少しで首が無くなるところでしたよ」


「いいじゃないか。こうして生きていられるだけで」


バンバン


痛い痛い。この人ぜったいに力の加減分かっていないでしょ。


「それで犯人は捕まったんですか?」


「奴は公爵家の方が身柄を抑えている」


事件は解決だな。




「フラウ、全部中隊長から聞いたよ。俺を助けてくれるために1人で公爵家まで話をしに行ったんだって」


「そうだよ。ちょうど家にターニャが居たから。ターニャのお父さんに話ができたんだよ。・・・・・・その何か言うことがあるんじゃあないの」


「そうだな。ご苦労様」


「違うよ」


「分かってる、分かってる。そのあれだな、俺を助けてくれてありがとう」


「うん//」



事件の全容は大隊長が自己の利益のために軍の軍需品を密売のために勝手に横領していたのだ。特に売れていたのは塩らしい。塩は海に面していない南部では高値で売れていたそうだ。この事件に関与していた大隊本部の人は全員が粛清されて。新しい人員に構成され大隊長はうちのキリル中隊長が少佐に昇格し新大隊長に任命され。新しい大隊に生まれ変わった。


第82中隊のキリル中隊長の後任はリック中隊長になり彼もまた大尉昇格した。彼が中隊長にはなったが前の小隊の小隊長と兼任しているため仕事量が増え彼は前よりも忙しい日々を送っている。


そして俺は昇格こそしなかったものの。いつもの仕事に戻り頑張って仕事をしている。

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