処刑
「ここに入ってろ」
ガチャン
営倉内は暗くてジメジメしていて牢獄だな。クソどうしてこんな目に合うんだ。そもそも何故こんなとこに居るかというと。
横領の現場を目撃してしまった後にすぐさま中隊本部に行った。
「キリル中隊長に大事なお話があります」
「なんだね」
「今日の10時過ぎに3番倉庫の裏で軍の物資を横領しているのを見ました」
「シオン准尉、私服ではなく軍服で来るべきではないかね」
「すいません急ぎの用だったので以後気をつけます。・・・そうではなくて横領の現場を見てしまったんです」
「はぁ、見てしまったか。・・・シオン准尉、今後いっさいこのことを話したり関わるのは止めろ」
「どうしてですか」
「これは命令だ准尉。下がりたまえ」
「クッ。失礼しました」
あのクソ中隊長の野郎は絶対に横領の主犯格に違いない。奴の横領の罪を裁くためにももっと上に報告しなくては。いや待てよもしかしたら上に報告したとこで奴によってもみ消される可能性がある。もみ消されないためにも確たる証拠が必要だ。となれば書類保管室に行かなくては。
書類保管室には初めのうちは整理整頓されていた書類と山済みにされて放置された書類と床に散らばっている書類だらけであった。
うえ~、なんて量の書類の数だ。この中から証拠となる書類を探すのは骨が折れるな。
飼い葉の受領の書類。これは違うな。ソルトけ村への食料移送。これは一応確保しておこう。それにしてもどこにどの書類があるか全然分からない。3番倉庫の書類がまったく見当たらん。
どれぐらいの時間探したんだろ。30分ぐらいかな。違うところを探すべきだな。
うん!あったぞ。こんなにたくさん。ここに載っている項目には塩は本来は70kgの貯蔵されている。
だがこの3番倉庫の棚卸しの書類によれば40kgしかない。あと30kgが足りない。そしてこっちの書類には新たに30kgの補給の申請書。これが毎週のように繰り返されているのは明らかに不自然だ。これは横領の証拠に使えるぞ。
この書類を持ちながら大隊本部に足を運ぶ。
「大隊長殿に重要なお話があります」
「私は忙しいんだ帰ってくれ」
「横領の件です」
「ほう。聞こうか」
「君の報告と書類を見る限り。これはゆゆしき事であり早急に調査をし犯人には厳しい処分を与えなければならないな。このことは我々が調査しよう。シオン准尉だったかな、行っても良いよいぞ」
「はっ。失礼します」
翌日
中隊本部で書類との戦いが忙しく。頭からは横領の事は忘れていた。
ガチャン
「シオン・ハルトマン准尉はいるか」
「はい。僕がそうです」
「貴様を連行する」
「えーーーー」
中隊本部内に居た全員が目を丸くする
「ちょっと待てよ。俺の部下がどういう理由で連行されるんだ」
リック中尉が尋ねるが。俺も気になる。
「シオン・ハルトマン准尉は国家反逆罪と軍需品横領の罪で連行する」
「待ってください。俺は何にもしていませんよ」
「言い訳は後で聞く。おとなしくしろ」
俺の腕を掴もうとした瞬間
バシッ
「待ちな、こいつはしてないと言ってんだ勝手に連れて行かれたら困る」
「そうだ。シー君は渡さないよ」
「なんだと貴様ら。邪魔をする気か。貴様らも連行するぞ」
オリガ中尉とフラウが立ちはだかる。
中隊本部内に両者が剣に手を伸ばし緊張が走り一触触発状態となる。
「よせお前ら」
「キリル中隊長」
「すみません。こいつらがお騒がせしました」
「ふん。分かれば良いのだ。分かれば」
そして俺はガチムチのおっさんどもに連行されてここにいる。
ここで無実だと主張したが一切聞いてもらえず。「黙れ。反逆者が」と言われ反逆者扱いだ。
どのくらいこの暗い空間に居たか分からない。
「よし出ろ」
営倉内から連れられ街の広場に連行される。
「この罪人シオン・ハルトマンは国家反逆罪と軍需品横領の罪として斬首刑とする」
おいおいギロチンなんて嘘だろ。ギロチンなんて絶対切られた後も意識あるし死ぬほど痛いだろ。そんな残忍な刑なら銃殺の方がマシだ。こんなとこで無実の罪で死ぬなんて。1回死んでこの世界に来たのにまた死ぬなんて絶対嫌だ。なんか脱出する手立ては無いのか。クソ両手は縛られ動けない。
「この者は王女陛下に忠誠を誓ったのにも関わらずこのような行為は決して許されるべきではない」
このハゲ何言ってんだ。忠誠なんて誓った覚えもないし。俺は軍の輜重科で楽するために入ったんだよボケ。
「死ね、この罪人」
「そうだ早く死ね」
街の人まで俺が悪人だと思ってやがる。
「これより刑を執行する」
「やだやだやだ。死にたくない」
「ええい、うるさいおとなしくしろ」
あー。死んだらまた生まれ変わることできるかな。うん?ものすごい足音が聞こえてくるな。
「やれ」
「ちょっと待ったーーー」
ザシュ
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