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異世界補給伝記  作者: EMT
部隊勤務編
37/49

公爵家のご令嬢

「おうオヤジ、なんでもいいから飯を持ってきてくれ」


「へい、かしこまりました」


海軍の水兵3名が飯の注文をする。その1人がこっちを見て目が合う。


「おっ、見てみろよ。陸軍の連中がいるぜ」


面倒な奴らが来たな。


「本当だ。それに騎士の落ちこぼれもいるぞ」


騎士の落ちこぼれとは誰のことだ?


「よお、騎士の落ちこぼれさん。海軍の縄張りで何やってるんだ」



「くっ」


え?オリガ中尉が落ちこぼれの騎士なのか。


「お前らどっかあっちに行ってろよ」


「なんだやるのか小娘」


一色触発の雰囲気になってる。やばい状況だ。


水兵の1人の肩に手がかかる。


「お前たち止めないか」


「誰だよ、邪魔する…」


「失礼しました」


3人はその女性を見るや、直立不動の見事な敬礼をして立ち去る。




「申し訳ございませんでしたあの者たちが面倒をかけてしまって」


この人は誰だろう。見るからに海軍の白い服を着ているので士官だと思うけど。士官服より白い銀髪のショートの髪の毛をしていてきれいな人だな。



「助けていただきありがとうございます。ターニャ様」


「陸軍とはいえ上官なんですから様付けなんてよしてください。オリガ中尉」



このターニャさんはどこかの偉い人に違いない。


「あのすみません。中尉、こちらの方は」


「この方はターニャ・イリューシン准尉だ。公爵家の方だ」


思い出した。この街とこの一帯を治めている公爵家の名前の人だ。だけど身長が小さいな小学生みたいな人だな。


「お久しぶりですわ。お二人さん」


この声と口調はどこかで聞いたことがあるな。


「あーーー。エイミーだ」


「おい、シオン准尉知り合いか?」


「はい、王国騎士院で一緒だった友達です」


「こらーー、私を無視するなー」


・・・この人、こんな喋り方が本当の姿なのかも知れない。





第8倉庫


「ひー、なんて量だ」


輜重1個分隊の10名と共に棚卸し作業をしています。


塩タラの瓶が1つ、2つ、3つ、4つ・・・13000個。5日分の予備食が明らかに足りない。

その後、何時間を掛けて数え終わった。


8番倉庫の貯蔵されている予備食料のリスト


3700名分の塩タラ5日分18500個


210名分のライ麦袋60kg5日分27袋


210名分のワインボトル3ℓ2日分420本


棚卸しした結果


塩タラ11800個


ライ麦袋22袋


ワインボトル300本


書類上書かれている数より少ない。ずさんな管理体制だな。明らかに貯蔵されている量の物資が足りない。すぐに中隊長に報告してどうにかして貰わなくては。



中隊長の部屋の近くでキリル中尉と出くわした。


「准尉、棚卸しは完了したか?」


「はい完了しました」


「では書類を渡したまえ」


「中尉、8番倉庫に貯蔵されていた食料があきらかに足りませんでした」


「どれどれ。・・・本当だな。この件は私から中隊長に報告しておこう」


「はっ。では、失礼します」




「中隊長にも彼のことを相談しなくてはな」


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