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異世界補給伝記  作者: EMT
部隊勤務編
36/49

親睦を深める

ソルトケ村への移送の任務を終えてノースティノープルに帰ってきた。


向こうの方に2人の兵士が集まって何やら話をしているが、報告がまだなのでそのまま素通りしよう。


「あの新入りの男は顔からしてダメだな」


「そうだよな。ひょっろとしているから、剣を振るのも下手くそで弱そうだよな」


「だろー」


えーー。俺はそんなにひょっろとしてるかな。それに剣で守りならそれなりにうまいほうだと思うのだが。


「でもよ、女の方はかわいいかったよな」


そうかなー。そんなにかわいいかな。何か変なこと言ったらすぐに殴ってくるような人なのに。


「確かにかわいいな。ありゃー10年に1度ぐらいにしか現れないぐらいだ」


いやいや10年より3年に1度くらいだと思うけど。


「俺らの小隊長も山猿じゃあなくてあんなにかわいいければいいんだけどな」


「お前、山猿なんか言って。もし聞かれてたらどうなるか知ったことじゃあないぞ」


「平気だって、聞かれている訳がないだろ」


「お前たち、こんな所で油を売っているとはいい度胸だな」


「ひっ。すみません小隊長。今すぐ持ち場に戻ります」


あーあ。あの2人終わったな。


「それに、山猿とか聞こえてきたけどな」


「いやー。気のせいではないでしょうか」


「気のせいなわけあるかー。さっさと持ち場に戻れ」


2人はものすごい勢いで走り去っていく。


「そこの新入りもいつまでも見ているんだ」


「はい、すいません」


山猿とよばれていた彼女こそ第334小隊の小隊長である。オリガ・ビッセト中尉である。

見た目はぜんぜん山猿というかゴリラみたいでは無く。ロングの黒い髪に青い瞳をしていて制服の上からも分かる細い体に小さくもなく大きくない胸を持っている人。おっと急いで報告に行かなくてわ。



中隊長室の前で尻尾を撫でながらフラウが待機していた。


「遅いよ」


「ごめんごめん」




「無事に移送の任務完了しました」


「ご苦労だったな。シオン准尉、フラウ准尉」


「あのー、1つ質問してもよろしいですか?」


「構わんよ」


「ソルトケ村に2日分の糧食を移送ですが、村に駐屯していた兵士は100人も居なく、60から70名ぐらいでしたが」


「たまたま居なかっただけでは無いのかな。質問は以上でいいかな?」


「はい。それだけです。失礼します」


ガチャン


「行ったか。彼は要注意しておかないといけないな」




第84輜重中隊本部の自分の机で書類の確認作業をしながら、中隊長に言われたことを考えている。

本当にたまたまなのか。明らかに100人も駐留しているようには見えなかったぞ。50人ぐらいしかいなそうだけどな。だいたいあんな小さな村に50人の歩兵と50人の輜重兵なんか置いとかないと思うんだけどな。せいぜい歩兵が30~40人ぐらいと輜重兵10人ぐらいでいけると思う。


「ねえねえ、今日の晩御飯どうする?」


「兵舎の食堂で食べようと思うけど」


「つまんなーい。せっかく海があるとこに来たんだから外で食べようよ」


「それもいいけど。まだこの街のことあまり知らないからな」


チラッとキリルの方を見てみると目があった。


「おい、オリガ中尉」


「はい、なんでしょう」


「今日の仕事ほかの誰よりも終わるのが早いだろ。この2人に案内してやってくれないか」


「なんで私が」


「別にいいじゃあないか」


「仕方がない。案内します」



仕事が終わり俺とフラウはオリガの後に続く。街の海側から離れ内陸の方の端の店ち着いた。


「ここが、私のお気に入りの店だ」


うん。どこにでもありそうな店だ。


テーブルに着く。


「おすすめの料理ってあります?」


「パエリアだ」


「ではそれで」


「私もそれにする」


パエリアか知っている名前の料理だな。


「へい、お待ち」


あれだね、パエリアだね。コメにカイやエビなどの魚介類が載っている。だけど、とても美味しそうだ。


「この尻尾の付いたの美味しいね」


「それはエビと言うものだ。」


「へー、エビて言うんだ」


「私はエビが大好きなんだ」


ほうほう中尉はエビが大好物なのか。


「オリガ中尉はどうしてこの店が好きなんですか?」


「そうだな。この店はあまり海軍の連中が来ないのもあるが。1番は飯がうまいからだな」


「ここの料理は美味しいです。オリガ」


「フラウ、呼び捨ては失礼だぞ」


「今は勤務中では無いから気にしなくてもいいよ。それよりここの味を気に入ってもらえてなによりだ」


フラウさんは実にすごい。なんと言うかどんな人にもフレンドリーだね。


「そういえばオリガ中尉、昼間に言われていたことで。怒るのはあれぐらいでよろしかったですか。上官に対してあんな事を言っていたんですから。なんらかしらの罰を与えてもよかったのでは?」


「ああ、あいつらか。あいつらは私の隊のやつらで家族みたいなもんだから。あれぐらいでいいんだよ」


フラウは頭から?がでてるが。オリガ中尉は優しい人なんだな。


ガチャンガチャン


「飯だ。めしー」


入口から何人かの海軍の水兵が入って来る。

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