希望通り
ここに入学してから。3年もあっという間に経ってしまった。
3年の間にいろいろな訓練や勉強をした。剣の訓練や弓の訓練をしたり、遠征訓練なんか3日や4日といった長距離を移動した。あの時は日本で車があった時がどれだけ楽で便利だったのか分かった。
その訓練の中でも1番衝撃的な訓練が魔物討伐訓練である。魔物を討伐しに森まで行って、アニメやゲームでしか見たことのない緑色の小さな人型をした生き物のゴブリンを殺したことである。森には冒険者もいたけど、何人かでチームを組みゴブリンを狩った。その時剣で斬ったら紫色の血が出ていて、斬った感触は何とも言えない感触だったが、小さな時虫を潰したりしたのとは違った。あの時殺したという事実には違いない。
そして今日から兵科ごとに分かれた訓練が始まる。俺は前から希望していた輜重科の兵科の希望はすんなり通った。剣術の評価は平均評価より下である。攻めは得意ではないが守りの方は上の方だからまぁまぁの点数が取れてる。弓術は全くといっていい程、的に当たらない。魔術は魔法はそれなりに使えるが魔力量が少なくすぐ魔法が使えなくなる。馬術は馬を上手に操ることが出来ない。それであらゆる成績が悪いので落ちこぼれや変わり者が行く輜重科にすんなり通ったのかな。でも、日本にいた頃はそんなことしたことが無かったんだから仕方無いだろと俺は思う。
ガウスは騎兵科に行けて、毎日いきいきしている。自分の愛馬の世話も楽しいそうだ。
エイミーは悩んだ末に海軍に行くことにした。海軍は北部に海がある街に海軍用の王国騎士院があるのでそっちに行ってる。最初から陸軍か海軍を選んでそっちで勉強してる方が良くねと思うが。もう3年間も会っていない。今頃何をしているんだろ。
レオは魔兵科ではなく軍の魔術研究科に行って、魔術の研究をすることにした。いわゆる技術屋である。研究所は王都内にあり、そこに通っている。レオの階級は魔術准尉にでもなるのかな。
フラウだが、俺に比べて剣術の成績が良く人とは違い運動神経も良いから輜重科になるのは難しいく、歩兵科になると教官にも言われていた。しかし、フラウは輜重科に行くためにわざと成績を悪くしたこともあり輜重科に行くことができた。剣術の模擬訓練で他のクラスの額に角が生えた奴なんかにわざと負けたりしていたよ。あの鬼野郎に次会ったらボコボコにするとかも言っていたかな。
輜重科の勉強として今、大量の数字の計算と格闘している。
「いいか、現場では1つでも数え間違えや計算を間違えたら前線に必要な物資が届かないからな注意しろよ」
教官殿こんなに大量の数字見てたら目が回りそうだよ。それでもひたすら紙に書かれた数字を計算していく。
隣に座るフラウをチラッと見てみると。
「650×3×31=は、え~と」
なんか指で数えてる。いやいや筆算とか暗算しろよ。答えは60450だろ。
「え~~~と58500かな」
違いますよ。あと1950個のパンが足りてない。650人分の大隊の食料1日分が足りない計算だよ。
「あと1950個足りてない」
「え!え~~と。あっ、ほんとだ」
王国小学校やここの3年間の授業でももっと簡単な計算だったし。ここのがいきなりレベル上がりすぎなんだよ。
こんな感じでやっております。
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