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第一印象って、大事だよね?


太陽は昇りきり、気温が最高気温まで達した頃、三六さんろく忍者学校では小忍の班分けが行われていた。班は四人、七つに分かれ、各班に担当教師が一人ずつ就いた。

笹木ささきユイは、学校の筋トレ場に張り出された班名簿を身を乗り出して確かめていた。


「第三班、エリア五に集合ね」

 

集合場所を確認し、ユイは学校から三キロの集合場所に向かって走り始めた。

集合場所には、すでに三人の忍者生が三班を担当する教忍と向かい合うように座っていた。教忍は巨木の切り株に座り、ユイが来たのを確認すると生徒達の前に飛び下りた。


「一人ずつ自己紹介。名前、今出来る事を絶対言ってね」


教忍はその場で胡坐を掻くと、まず始めに黄色の着物を着たブロンド色の髪をした少女に紹介を促した。


「私は茄子小鳥なすことり。特に、得意な事はない」


「下駄でここまで走ってきたの?」


「はい。生まれてから和服しか着たことありません」

 

小鳥は教忍を見据え、のんびりとした口調で話した。

教忍は感心したように頷き、小鳥の隣に座る茶髪に目を移した。


「俺は影山かげやまイツキ体術には自信があります。花粉症持ちです」


イツキは素顔を隠すために使われるマスクの上から鼻を掻いた。


「僕は平良たいらトンボ。暗殺術を熟視している」


「ここは護衛班だから、暗殺はいらないんだけどね」


殺気を込めて自己紹介をされた教忍は、苦笑しながら次へと促した。


「私は笹木ユイです。忍具術が少し出来ます」


ユイは中身が詰まったナップザックを地面に下ろし、トンボの隣に座った。

教忍はそのナップザックの中身を察知し、口笛を吹いた。


「その量の武器具を持ち歩くのはさすがだね。さて、俺は犬井いぬいショウ。二十代だ」


ショウはよっこらせと声を掛けながら立ち上がり、四人の生徒達に忍刀を渡した。


「それは俺からのプレゼントだ。少し細工がしてあってな、いざという時に役に立つはずだ。ユイは持ってるかもしれないが、そいつは肌身離さず持っていてくれ」


己の忍刀を鞘に収め、左足の脛に皮ヒモで縛り付けた。


「このように、何時でも抜けるような場所に固定しておくこと。あまり固く結ぶと血の巡りが悪くなるから、気をつけること」

 

小鳥は袖にしまい、イツキは忍刀をベルトに挿し、トンボとユイは忍者生が必ず持っているベルトポーチにしまった。

ショウは一人一人の服装、靴、忍具を入れるためのポーチを確認し始めた。

小鳥は茄子家の正装である、裾が膝下に位置し、邪魔にならないように改良された小袖の着物を着こなし、素足のまま下駄を履いていた。帯には四本のクナイが隠されていて、

懐には手裏剣四枚と火薬が外見からは悟られないように隠されていた。


「そんな暑苦しそうな格好で忍者できるのは茄子一族くらいだね」

 

ベルトポーチの代わりに帯に結び付けてある、金魚柄の巾着袋に入った忍刀、火、水、

風、霧を作り出す術式が書かれた巻き物を確認してから、ショウは小鳥の頭を撫でた。


「小忍生はこんなに巻き物を持たなくても大丈夫だから、二つくらいで良いよ」

 

イツキは通気性の良いカーゴパンツに忍者魂とプリントされた黒のシャツを着、膝下まである地下足袋を履いていた。ベルトに忍刀、クナイ二本、煙玉を荒縄で括ったものがぶら下がり、手にはフィンガーレスグローブを着用していた。花粉症と素顔が割れるのを防ぐためにマスクを被っていた。


「ポーチは持っていないんだな。まあ、体術専門の忍者は身軽じゃないとね」


「はい。ウチは家族そろって体術専門だから、そのための知恵を親から受け継いでいます」


「いい事だ。次はトンボだな」


トンボは上から下まで黒い服で統一され、下はイツキと同じだが、上は和服に近い忍者束を着ていた。懐には毒薬、手裏剣、ベルトポーチには忍刀と相手の酸素を奪う術式と毒の一覧が記された巻き物だけだった。


「お前、クナイも持ってないのか?」


「クナイは穴を掘るためには大いに役に立ちます。しかし、攻撃には役に立ちません」


 トンボの言葉にショウは頭を抱え、ユイのナップザックから数本のクナイを取り出した。


「良く聞けよ? 確かにクナイは攻撃には向いていない。だが、俺たち護衛班は人を護るのが仕事だ。飛んできた手裏剣、忍刀を弾き返すにはクナイが一番向いている」


ユイに出来るだけ多くの手裏剣を投げるように指示し、飛んでくる手裏剣を一本のクナイで弾き返した。


「護衛は暗殺じゃないんだ。平良家は暗殺班が多いから自然と身に付いたのかもしれないけど、トンボは護衛の素質があるんだ。だから、暗殺の事ではなく、守る事を考えて欲しいな」


トンボはしばらく黙っていたが、やがてゆっくりと頷いた。


「皆まだ十一歳なんだから、己を殺して任務につくことはない。楽しんで、責任を理解し、自分でいることが大切だ」


「以後気をつけます」


うつむき加減で話すトンボの肩をポンポンと叩き、まだ確認していないユイに向き直った。


「カットソーは動きやすいから何も言わないが、スカートは危なくない?」


灰色のカットソーに藍色のスカート、ヒモで固定できるように改良されたパンプスを履いていた。


「大丈夫です。パンツを履いています」


「いや、ちょっと違うぞ。パンツは見えちゃいけないものだ。明日からスパッツを履くか、キュロットにしなさい」


ユイがしぶしぶ頷くのを待ってから、ベルトポーチとナップザックの中身を確認した。

ベルトポーチには忍刀、クナイ三本、手裏剣五枚、火薬玉、救急箱。ナップザックには予備のクナイ、手裏剣と少し長めの忍刀、折りたたみ式の薙刀、火薬、和紙、筆と墨汁が入っていた。


「重いな。何キロあるんだ?」


「五キロくらいだと思います。これくらいなら、持って走れます」


「怪力娘がいるって言ってたが、成長したら怖いことになりそう」


ユイの父親に会ったとき、三人いる娘の中で、怪力で元気な娘がいると話してくれた事があった。


「とにかく、大きな注意事項はない。個性的で面白いと思う。服装は軽く通気性の良い服に、膝下まである地下足袋はお勧めだ。皆分かってる様だから安心した。それから、服の中に忍具を隠すのは良いけど、修行中に怪我する可能性があるから、任務以外ではいれないこと」


「はい」

 

四人そろって返事を返すと、ショウは笑顔を作った。


白猫はファッションセンスが全くないです・・・・・・服装は調べたりしながら決めましたが、微妙ですね。

次からは忍者らしい事をしていきたいです。

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