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夏雲
『夏の朝』
夏の朝に
雲一つない空に
吸い込まれていく
草の匂い
土の色
今日がはじまる
予感
海風みたいに
空をかけめぐりたい
『熱い道』
じりじりと
照りつける太陽
影は小さすぎて役をなさない
乾いたアスファルトは
サンダル越しにも
熱が伝わって
茹だる暑さ
川床…
清流のある川床に
寝転びながら
うたた寝したい
ああせめて、
冷やしそうめん、プリーズ
『なつくも』
喫茶店のメロンソーダからは
泡が生まれては
消えていく
空高くに
入道雲
あの辺りまで行けば
エベレストみたいに見えるかと思った
そんな、白い峰のような、高さ




