ギルドへの帰還
引き続きデストロイヤーと戦い続ける僕達。
相手の体力が多いから隙をついて休憩したりしている。
勇者様が頑張ってガッツリ体力を減らすと、相手は奥の手を使用した。
僕達だけではなく使ったデストロイヤーにも痛みが走り、眠っていた女神様が目を覚ます。
その回復能力で僕達だけの痛みが消え去ると、こちらが俄然有利になった。
力を合わせて一体を倒し終えると、面倒になったから逃げることに決めた。
女神様を使って相手を閉じ込めると、僕達は洞窟を脱出する。
「いいですか、これで最後だからといって油断しないでくださいよ! 当たったら死にますからね。気を付けてください!」
僕は緊張感をもって皆に指示をした。
「ああ、こんな所で死んでたまるか!」
「いつでもいいわよ」
勇者様とファラさんも準備はいいようだ。
「じゃあ、引っぱるねー」
装備を外したシャイリーンさんが、坂の上にあがって自分の装備を引っ張り上げている。
下にはロープを縛るために勇者様とファラさんが居るのだが、もし縛った装備が外れでもしたら大変危険なのだ。
ゆっくりゆっくりと慎重に上げ終えると。
「終わったよー」
シャイリーンさんが下の二人に呼びかけた。
二人が無事に上がって来るのを見て、僕の緊張感が解けたようだ。
「おっとっと……」
ちょっとふらついて馬車に手をついた。
やっぱり長い戦いで疲れていたのだろう。
まあとにかく、万が一デストロイヤーが上がって来ないとも限らない。
とっとと退散してしまうのが良いだろう。
「ふぅ、じゃあギルドに戻りましょうか」
僕はそう提案したけど。
「ここまで来てなんだが、本当に倒さなくていいのか? 奴が出てきたら誰かを襲うかもしれないんだぞ?」
勇者様は今後のことを心配している。
ちょっと性格と性癖には問題があるけど、この人なら立派な勇者になれるかもしれない。
「いいんですよ。もう充分命を懸けましたし、危険な目にも遭いました。まあディザリアさんにやられた分が大きいんですけど」
僕は荷台に転がされているディザリアさんを見た。
「……今なら何でもやり放題ですよ?」
「そ、そんなことはしない! やるならちゃんと付き合ってからだ!」
勇者様はディザリアさんから目をそらして照れている。
あんな殲滅しか興味がない人の何処が良いのか分からないけど、人の好みはそれぞれなのだろう。
そのまま少しばかり話し込んでいると。
「あんた達、乗らないなら置いて行くわよ」
ファラさんは準備を終えて運転席に乗り込んでいる。
「あ、は~い!」
僕は返事をして。
「勇者様、この世界で戦っているのは勇者様だけじゃないんですよ。だからなるべく命は大事に使いましょうよ。退ける時は退いちゃいましょう」
ちょっとだけ良い事を言ってみた。
「……うん、そうかもしれないな」
勇者様は頷き、綺麗に話しがまとまるかと思ったのだけど。
「ミコト―! バイバーイ!」
聞こえて来る女神様の声が遠ざかっていく。
「「えっ!?」」
僕と勇者様はバッと振り向き、あったはずの馬車が動き出しているのに気が付いた。
「ちょっと待ってええええええ! 折角いいこと言ってたのにいいいいいい!」
「お、置いて行くなああああ!」
僕と勇者様は直ぐに走ると、息を切らせながら馬車に飛び乗った。
この間も置いて行かれたし、毎回やられている気がする。
今度からは即座に乗り込んでしまおう。
で、無事にギルドに帰った僕達は。
『いただきまーす!』
勇者様のおごりで食事をとった。
気前がいいのは良いのだけれど、貰ったお金がドンドン減っていくのにいいのだろうか?
「これ美味いですね!」
「おいしー!」
まあ僕にとってはどうでもいいし、食事を終えた僕達は、受付で報告を終えて解散した。
だからといって仕事は終わらない。
僕はスラーさんに
「――だからですね、勇者様は立派にやっていけると思いますよ」
と、僕は女神様の能力や勇者様の性癖のことも、全てきっちりスラーさんに伝え終えた。
「ふむ……分かりました、上にはやれると伝えておきましょう。明後日からは通常の任務に戻って貰いますから、明日の内に別れを済ませておいてくださいね」
「あ、はい」
どうやらお別れの日が来てしまったらしい。
ナンバー持ちも倒してかなりの分け前を貰ったから、多少のお礼をしたいところだ。
やっぱり別の槍でも……女神様の強化した槍に敵うはずもないし、あのまま頑張って貰うとしよう。
そして次の日になり。
「ということで僕達はパーティーを離れることになりました。あ、これも受けさせてくれたお礼です」
「あ、ああ、ありがとう」
僕は大きな飴玉を一つ勇者様に渡した。
勇者様がギルドに来ると、僕とシャイリーンさんがが別れの挨拶をしている。
「楽しかったよー」
「シャイリーンちゃん、一緒にいかないの?」
女神様は少し涙ぐんでいる。
「うんー、ごめんねー。これ食べて元気だしてー」
シャイリーンさんが持って来ていたお菓子を女神様に渡している。
もちろん僕の飴玉よりも豪勢でクッキーやチョコ、僕が見たことも無い変わった物もあるようだ。
「シャイリーンちゃん、ありがとう」
最後は二人で抱き合っている。
「……僕達も抱き合いますか?」
一応勇者様に聞いてみた。
「必要ないわ! それより、俺がオッパイが好きだとか変なことは言いふらすなよ? これ以上変な噂がたっても困るからな」
勇者様は僕に耳打ちしている。
「あ、大丈夫です。その辺も含めて上司にはもう全部伝えましたから」
「うああああ遅かったああああああ!?」
僕の答えに勇者様は頭を抱えている。
「大丈夫ですよ、僕の上司は言いふらすような人じゃないですから」
引きこもられても困るので、僕は少しだけフォローしてみた。
もちろんスラーさんは大丈夫だけど、ディザリアさんなんて自分から言い出す気がしないでもない。
「……そうか、一応安心しようかな」
勇者様は気持ちを持ちこたえ、ゆっくり元の状態に戻っている。
「僕達はギルド員ですから、用事がある時はいつでもこの町に来てくださいね。それとディザリアさんは今直ぐにでも引き取って貰えると嬉しいんですが……」
「やめておこう、今の俺は駆け出し冒険者だ。勇者にもなり切れていないことが分かったよ。ディザリアさんには相応しくない。いずれ強大な敵を倒し、武勲を上げた時に迎えに来るとするさ」
勇者様は、ギルド内部をキュッキュと拭き掃除しているディザリアさんを見ているようだ。
あの人に相応しくなったら、もっとダメな人間に成る気がしないでもない。
「さてと、じゃあ俺達は冒険に行く。お前達も元気でやってくれ。おいウェイリー、出発するぞ!」
「は~~い!」
そして勇者様と女神様は、仲間を募って冒険に出掛けて行った。
クー・ライズ・ライト (僕)
ウェイリー(女神様)
イサバラ・ミコト(女神が連れて来た勇者)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




