表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
第1部-3章 トラブル解決に奔走していこう! (仮)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/752

86話 開戦


「ここはどこ? 私、何してたのかしら」

「よっ! 起きたみたいだね」


 イデリアは、まだ眠たげな表情をしている。


「アリア……ねぇ、私に謝ることないかしら?」

「油断したアリアを、手刀で気絶させてしまい申し訳ありませんでした」


 私は、渾身の土下座をイデリアに披露した。


「顔をあげて、まさか結界を緩めたのが裏目にでるなんてね」

「それって、調節できたんだ」

「よほどのことがないと緩めないよ」


 イデリアは、背中側の首を触りつつ回復魔法をかけていた。


「アリアあの時、後方に分身を生成させたのでしょ」

「そうだよ、気絶させるなら手っ取り早くやらないとね」


 イデリアの顔を少し、ムスッとなっているのがわかる。完全に悪手を踏んでいるのを自覚する。


「いっぺん、全力の魔法喰らっとく?」

「何いってんの、そんなので私を倒せると思ってるの? 夢物語も大概にしないと」


 一触即発しそうになった瞬間、扉を叩く音が聞こえてくる。


「アリア入るぞ!」


 その声はフェクトだ。そして、扉を開けナズナとともに入ってきた。


「アリア、さっきのは君が悪い」

「盗み聞きとは趣味が悪いじゃん、フェクト」

「勘違いするな、廊下までぜ聞こえたぞ」


 それは悪いことをしたと、反省する私。


「ねぇそんなことよりさ、イデリアを早く魔法界に連れて行ったほうがいいんじゃないの? なんか、結構な数に見張られてるけど」


 それは、私もわかっていた。宿に入ったあたりから、ずっと見張っている者たちがいる。

 新聞社の連中とは比べものにならないほどの、手練れであることが容易に想像できる。



「この気配に関しては心配しなくていいわよ、私直属の部下たちだわ」


 その言葉を聞いて、警戒して損をした。神経をそいつらに割いていたのが、バカらしくなるレベルだ。


「でも、よくわかったわね。あそこまで、魔力を一般の人と遜色ないレベルなのに」

「簡単だよ、そればかりに意識しすぎて気配で強者だとすぐに気付くよ」


 イデリアは、なるほどという顔をしながら両手を一回叩いた。


「それじゃまた明日会いましょう!」


 そう言ってイデリアは部屋を後にした。私たちは、これからどうするべきなのか、ご飯を食べながら会話することなり移動する。


「これからどうするべきだと思う?」

「どうするって至ったて、討伐が最優先だろ」

「アリアは、ここから抜け出したいって思ってるんだよ、フェクトもまだまだだね」


 フェクトは顔をにこやかに笑っているものの、誰がどう見てもわかるほどにキレていた。


「二人とも喧嘩はしないの、とりあえずさっさと討伐っていうのが良さそうね」

「でもさ、なんかわたし思うんだよね、この戦いここでは決着つかないと思うんだよね」


 ナズナの発言により、私たちの動きが止まった。

 確かに言われてみればそうだ、ここで片付く可能性は、少ないと言っても問題ない。

 まず、未だにアイツらの実態がよくわかっていないのに、ここで片付くと思っている方がおかしいと気がつくべきだった。


「ナズナ、冴えたこと言うね」

「え、ほんと嬉しい!」


 ナズナは、とても嬉しそうにしている。私が頭をなぜるとても癒された表情をしている。


「でもちょっと待ってくれ、アリアにイデリアが揃って長引くとは考えづらい」


 フェクトは、とても複雑そうな顔で言う。


「でもね、私たちが居て片付くとも考えづらいし、何よりじっくり確実にしていく方が、大体の人が思うでしょ」


 ここで一発だけドカンと騒ぎを起こしても、ただのそれでは一発屋だ。

 長年ある組織が、今更そんなことをするとは考えづらいと思っても仕方ないだろう。


「だけどよ、まぁ俺たちが考えても仕方ねぇな」

「そんなことより、ご飯食べよう!」

「それもそうね、すみませんーエールのジョッキお願いします!」


 そうして夜は老けていく。

 ある人たちにとっては、普段通りの今日が終わっていく。

 ある人たちにとっては、決戦の火蓋が今か今かと、切れるの待っているのだった。


……

 男は、夜空を眺めていた。それが最期になるかもしれないからだ。

 タバコを蒸し、今からの作戦を何度もしたシミュレートをもう一度していた。


「デース軍武長! 総帥様からの言伝を預かってきました」

「言わなくていい、どうせいつもと同じことだ」


 それは当たっていたらしく、ため息がでてしまう。あのお方にとっては、私も使い捨ての駒と同じだということだ。


「準備は出来ているか?」

「いつでも開始できます」


 男は深く深呼吸をした。そして、覚悟が決まったのか口を開く。


(ただいまより、作戦を開始する)


……


「二人とも、行くわよ」


 二人とも勘付いたのか、すぐに席から立ち上がる。


「剣聖の名の下に命ずるわ。二人とも、生死は問わず敵を殲滅せよ」

「「ヘーイ」」


 次の瞬間、昨日同様大きな爆発音が夜の静けさを掻き乱し始めた。


(イデリア、うちの二人が暴れるから通達しておいてね)

(え、ちょっと)


 私も剣を抜いた。


「皆様、落ち着いて行動してください。冷静を欠けば助かるはずの命すら助けられませんから」


 からんからんと音がなる、そして私は外にでた。


「ふぅー、私に剣を抜かしたこと後悔させてあげるわ」

「剣聖!? みんな撃て!」


 そんなものでは、私を止めることなど不可能だ。あの世で後悔をすればいい。

 私には関係ないことだ。そして悲痛な叫び声が、夜は特に響く。


「うるさいな、今夜だってわかってるかい? あ、もう死んでたね」


 愛刀についた血を振り払う。今宵は、なんとも綺麗な夜空をしている。

 それだけで、テンションが上がるというものだ。


「国で暴れてるんだ、そう簡単に終わらないでくれよ」


 そう口に出すが、それこそ夢物語と笑ってしまう。まだ始まって数分足らずだというのに、数が減るのが早い。

 アイツら、めっちゃ楽しんでるな。


「さぁ、黒幕は出てきてくれるだろうか、そこだけが心配だな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ