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剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
11章 旅路

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778話 王都へ帰還


 私たちは今年の旅を終えて王都へ戻ってきていた。相も変わらず王都はとてつもないほどに賑わっており、いつ戻ってきても圧倒されるばかりである。

 そんな人々を掻い潜り、私たちが向かったのはギルドである。ここ最近、ずっと領主、ギルドマスターの選定をしていたこともあって、動きたいという欲が溜まっていた。

 新ギルマスとは戦ったが、あのような組み手ではまったく満足なんて出来ないほどに、魔物と一戦やりたいと心から思っていた。

 そんなことを思っていると、私たちはギルドの前まで辿り着く。すぐさま扉を開けて中に入ると、まるで来るのがわかっていたみたいな感じで、王都ギルド本部のギルマスが仁王立ちをしていた。


「よう、来るのを待っていたぜ。その前に話したいこともあるが、とりあえずクエストでもやりに来たんだろ? 良いのが何個もあるから好きなものからやってくれて構わねぇぞ」


 そうして渡されたクエスト用紙は、結構な枚数の束になっていた。それをパラパラと確認してみると、全部が白銀の冒険者たちがやるような難易度ばかりである。

 それも王都周辺のみという私たちからしてみればありがたいものだが、いかんせん難易度が高い。


「なんなのこれ、私たちが帰ってくるまで放置していたとか言わないわよね?」

「別に放置なんてしてないぞ、白銀の冒険者たちは忙しいから後回しになっていただけだ。それに、金の冒険者を中心としたパーティーが、最悪な事態にならないように立ち回ってくれている」

「それにしてもこの量は溜めすぎでしょ、いくら金の冒険者たちが少しずつ城壁を崩しているって言ったって、白銀の冒険者に数個はやってもらいなよ」


 白銀の冒険者は数が少ない分、ダイナール全土を日々駆け回っている。それでも、王都周辺で起こっているクエスト案件は、住民たちの安全だけではなく司令塔として役割を守らなければならない。

  それがここまで積み重なっていたとなると、住民たちからの批判が上がってきても仕方ないレベルである。


「いくらイデリアがいるからって、さすがに白銀の冒険者たちにやってもらうクエストの優先度を変えるべきところも出てくるわよ」

「まぁ、この件に関してはイデリアもエルザ様からも承認してもらっているからな。城壁崩しは金の冒険者が中心とは言ったが、あの二人も普通に関わっているからな」


 私は思わずため息をついてしまう。

 そんな中、後ろで待っていた二人がクエスト用紙が気になり、覗き込もうとしている。そんなクエスト用紙を二人に渡しつつ、私は話しておきたいことを話すべく、口を開いた。


「改めて言うけど今回、新しいギルドマスターは私が選んだから。異論なんてないわよね?」

「あるわけないだろ、剣聖権限を使っているような状態での選出、それに加えて人望、強さ、判断力、行動力、観察力とかもまったく問題ないからな。こっちからとやかく言うことはない」

「それなら良かったわ、結構選出するのに時間が掛かったから安心した」


 ようやく、心の荷が降りたのを感じ取った。

 そんなことを考えていると、二人のことがふと気になり後ろを振り返ると、全部確認を終えて待っている。


「早く上から順番にやっていこうぜ。俺もナズナも動きたくて体がうずうずしてるんだ」

「でしょうね、とりあえず今日はやるとしても数枚分だからね」


 そうして私がギルマスに再度渡したのは高ランクの魔物・魔族討伐のクエスト用紙だった。


「とりあえず私たちは行ってくるわ、何か用事があったらテレパシーでも掛けてきてくれて構わないから」


 ギルドを出て、先ほど通った道を引き返していく。

 時間帯はちょうど昼頃であり、どこもかしこも人だらけである。そんな人たちを避けつつ、門の方へ戻ってくる頃には、一汗かいていた。


「まぁ見つけ次第、随時倒していくって感じで」

「了解ニャー、早く魔物が出てこないかな」


 ナズナのテンションが段々と高くなっていくのを感じる。早く魔物と戦いたいという気持ちが私が見てもわかるほどには気合いが入っていた。

 そんなナズナに釣られるような形で、フェクトも気合い充分といった顔立ちをしている。


「とりあえず二人とも、何事も落ち着いてやっていくのよ。慌ててやってピンチに陥るなんてやめてほしいからね」

「それはそうだな。もう王都には帰ってきてるんだから、焦る必要なんて一つもないからな」

「それはそうかもだけど、結構寒くなってきているニャー、雪も降りそうな天気だし、さっさと終わらせようよ」


 そうして私たちは今回のお目当てである魔物、魔族の捜索を開始させた。


「そっちに逃げたニャー、アリア頼むニャー」


 ナズナの声に反応して、私は腰に下げてあった剣を抜き、魔物を斬り裂いた。

 子竜はそのまま消滅する。


「とりあえずこれで一つ目完了だね。まさかこんな場所に子竜の群れがいるなんて驚きだね」

「でも平均よりは小さかったから、イデリアが様子見の指示を出してたみたいだよ」

「まぁ、その割にはきちんと襲ってきたけどな。でも見た目よりは、全然強くなかったけど」


 おそらくイデリアはまだ対処をしなくても大丈夫だとわかっていたのだろう。いざとなったら私が戦うという準備まで、近くの木々に魔法陣まで書いてあった。

 そんなことを思っていると、暗くなり始めていく。風も出始め、雪すら舞い始める。だが、帰るにしてはまだ早い時間帯であり、魔物を討伐しようと思えば討伐出来る。

 それでも私たちは、最悪な想定をしつつ王都へ戻ることにした。


「一気に天候が変わり始めたな。俺とアリアの二人だけだったら、多分まだ魔物討伐をしていたと思うわ」

「そうだね、この天気ならまだやってたね。でも、ダイナールの冬は厳しいからね。そんな無茶をする必要もないからね」

「そうだニャー、ゆっくり魔物を討伐しつつ、王都で休める時は休むことが一番ニャー」


 そうして私たちは、王都へ戻ってきた。そそくさとギルドへ向かい、討伐した子竜のことを伝え、報酬をもらうのであった。

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