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剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
第1部-2章 王都で再開! 13歳の私は、他種族との交流していこう!

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44話 ギルドにて


 イデリアは、淡々と言った。


「それってどういうこと?」

「あの子たちはまだ若かった。牢屋にぶち込んで無理矢理でも反省させようとしただけよ」


 確かイデリアは、フェクトを殺そうとした時用事があると言っていたのを思い出す。

 それが、このことなのだろう。

 イデリアは、ほっとした顔で私を見つめている。


「多分私が行ってもダメだったわ、討伐の方ご苦労さま」

「そうなの、一緒にギルドの方行かないか?」

「話したいこともあるし行くわ」


 そうして、王都の中に入ったのだ。王都は、今まで訪れた国とはまるで違った。それは、圧倒的に美しかった。ゴミは一つも落ちていないし、道も整備されている。

 そして、住んでいる人たちの民度がいいという印象を、入った直後から受けた。


「驚いた顔してるね?」

「まぁね、今まで行った国より民度も高くていいなって思っただけだよ」


 イデリアは、納得したのか歩き始める。ギルドに着くまでの間、色々な話をした。

 四年間のことや、旅に出てからのこととか、いろいろだ。

 それを、楽しげに聞くイデリア。

 そんなことをしているうちに、ギルドが見てくる。


「大きいな」

 思わず声を出してしまうほどだ。


 それほどに立派で、質の高い冒険者の気配もするほどだ。


「ギルドマスターいる?」


 イデリアは、いつものように、その場にいた職員に話しかけている。

 それは、いつものことなんだろう。冒険者なんかも、驚いた様子がなかった。普通にエールを飲んでいる者、クエストを眺めている者、談笑を楽しむ者様々だ。

 奥から、日焼けした男が顔を出した。おそらく彼が、ギルマスで間違いないだろう。

 そして私と目が合い、お互い顔を見るなり、両者が嫌な顔で睨みつける始末。


「どうしたんだアリア?」


 フェクトは、とても不思議そうに私を見つめてくる。


「いや昔ね、両親のお店に何度も来てた人なんだよ、私の師匠を解放しろってね」

「へぇー、なんでなんだ?」


 彼は、ため息をついている。そして、一呼吸入れて口を開く。


「誤解を招く発言はお控えいただきたい、剣聖様」

「なにが誤解を招くよ、いつも安い商品買って、何時間も両親に迷惑かけてたくせに」


 彼のこめかみがピクッと動く。笑っているが、怒っているのは誰が見てもわかるほどだ。


「いつも同じように、師匠のことで揉めてたじゃない。あれは師匠も合意してたはずよ」

「君の両親が、この世界に必要な存在を店員にしてた娘には言われたくないね」

「何言ってるの? 師匠は、月収金貨五十枚、ボーナス三ヶ月分を二回、私を教えることと、お店の手伝い、緊急時には、冒険者としての活動は自由だったはずだけど」


 両者一歩も引かないのが、続く。


「それに関しては、私も聞いたわよ。あの人、めっちゃ楽しそうだったし、教えるのも店員として働くのも楽しいって言ってたわよ」


 ここで、イデリアの一撃がギルマスに突き刺さる。

 ギルマスは、何も言えなくなっていた。イデリアと私を相手にするのは、立場的にもまずいと考えたのだろう。


「それより本題入っていいかしら? 賞金首の死体、二人分を処理してほいんだけど」

「賞金首の死体? わかった、ここでは出さないほうがいい。ついてこい」


 ギルマスは、瞬時に仕事モードに切り替え対応する。そして案内されるまま通されたのは、別の建物である。

 周りを見る感じ、魔物の解体なんかもここでしているのであろう。

 それに使われる道具、立てかけてある。


「賞金首の名は?」

「イークス兄弟だよ」


 一度、イデリアの顔を見てから私の顔を見て理解した様子だった。


「なんで殺すことになった?」

「攻撃してきたから、攻撃して来なかったら見逃そうと思ってたよ」


 私は、端的に答える。


「そうか、死体の方はこちらでやっておく。すぐに賞金出すから手間ではあるが、あっちで渡す」

「はーい。まぁ、今ぶっちゃけ困ってることある?」


 イデリアとギルマスが、一瞬顔つきが強張った感じになる。それを感じさせないかのように、すぐに戻るがバレバレだ。


「クエストなら張り紙見てくれ」

「答えないつもりならそれもいいけど、なんで師匠がここにいるわけ?」


 壁の向こうから、ガタッと音が聞こえる。それと同時にフェクトは、飛び出していった。

 それから数十秒後、師匠を連れてフェクトが戻ってきた。……


「やぁ久しぶり!」


 師匠は、元気そうに答えるが気まずくなったのか、すぐに顔を逸らす。


「これでも、何があったか教えてくれないわけ?」


 三人とも黙ったままだが、観念したのか師匠が諭すように、ギルマスに話しかけた。


「もう隠し事はやめとけ、アリアは王都正門前からずっと俺の存在に二人して気付いてた」

「それは、ギルド受付の所で話すから」


 そう言って、逃げるように足早にギルマスは離れていった。


「師匠も元気そうでなによりだよ」


 そう言って、聞き耳を立てる冒険者たちを痛めつける準備をして、戻っていく。

 扉を、蹴り飛ばし入っていく。


「壁に聞き耳立ててるなんて、信じられない」


 聞いていたであろう冒険者たちは、真っ青である。

 基本的、冒険者のプライベートにおける干渉は、冒険者同士でもそこまでいいとはされていない。

 ギルマスが、お金を用意して戻ってくる頃には、冒険者たちが何名か、壁にめり込んでいた。


「それで話なんだけど、なんで師匠がいるわけ?」

「それは……えーと」


 この期に及んでまだ、口を破ろうとしない。


「仕方ない、俺が話す。王都で辻斬り騒動が相次いで起こってるんだよ」


 辻斬り騒動? 試し斬りや、単なる憂さ晴らし、金品目的など様々な要因が考えられる。


「どうなってんだよ、無差別? それとも高位の人?」

「無差別だ、一般人も高位も狙われてる」


 犯行は夜。それも恐ろしく遅い時間。


「相当強いね、そいつ。フェクト、夜までお金あげるからパンでも買って遊んでていいよ」

「え、いいのか? まぁ、師匠さんとも話したいだろうしな」


 フェクトは、聞き分けよく金貨を五枚ほど持って出ていった。

 そうして、王都辻斬り騒動解決に向けて最高戦力が揃ったのであった。

 


 この世界において破格すぎる給料となります。それでもなお、お店の方はバッチリ黒字経営であり創業以来、赤字になったことがない。

 師匠よりかは少ないですが、ここのスタッフは相当な額を支給されている。

 若者が就職できるのなら、ここで働きたいと申し出るのが毎年の恒例行事だという。

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