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転生少年戦記  作者: 隣の黒猫さん
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宣戦布告とファイの悩み

試合が終わり閉会式が終わった後それは起きた。


「サリバーズ軍は、カバロ軍と同盟を結びソミュナール軍に宣戦布告する!軍門に降るのであれば、ファイ・シュナータルを引き渡せ。」


全員が、ファイを見ている。


「軍は、個人を敵国に渡すのを禁止してる。」


「そうだな。しかし、戦争とはそれもねじ曲げる事が出来るのだよ。まぁどのみち、君の意志関係なく事は決まる。残念だね。」


「僕を手に入れて、何するつもりだ。」


冷たい声で、殺意混じりに言う。


「異世界の武器の情報。それと、君の母親の作った武器の情報。それと、神について……。」


「あぁ、神のことは言えないようになってるんだ。後の2つも、話す気は無い。」


素っ気なく言う。


「まぁ、こちらに渡ればじっくり君の身体に聞いてやるさ。しゃべるまでね。」


「……。」


「さて、ではまた会おう。」


そう言うと、2つの軍は去っていく。ロゼは、このままでは不味いと思いファイの所に行く。


「ファイ、大丈夫かい。」


よく見ると、青ざめているのが分かる。


「えっ。あぁ、うん……。」


「帰ろう。話は、それからだ。良いよね?」


軍の幹部達は、真剣に頷くと歩き去る。


その日の夜。


「済まないが、君には暫く軍で寝泊まりして貰う。守れる保証が無いからな。」


「わかりました。」


ファイは、それだけ言うと部屋入る。レンは、心配でついて来る。沈黙が支配する。


「軍は、たぶん僕を殺そうとするだろう。だから、第七七小隊は任せた。」


「諦めんなよ。」

 

「ありがとう。でも、あちらの武器の情報と母親の武器の情報を持つ僕が相手に渡るより殺した方が簡単で良いでしょ?」


「…………それでも俺は。」


僕は、安心されるように笑う。すると、ホッと一息ついて出て行く。


「でっ、間違ってないよね?」


ドアに声をかけると、ロイとロゼが入って来る。


「さぁな、それを決めるのはお偉いさんだ。」


「そうだね。そうなれば、僕でも庇う事は……」


ファイは、ため息を吐き出すと窓を見つめる。今日は、満月で月明かりがファイの白い肌を照らし美しさが増す。その瞳は、悲しみよぎり表情は無表情だったが。例えるなら、人形だった。


「でも、もしかしたら大丈夫かも知れないよ?」


「希望論っていうのは、僕の元居た世界では成功率が低いものだけどこっちは違うの?」


「「…………。」」


「だよな。」とばかりに苦笑して、ため息を吐き出す。疲れたのか、目を閉じる。


「ファイ、ご飯食べに行こう。」


「お腹すいてない。」


「ちゃんと食べないと駄目。」


ファイは、ロゼ本気で心配しているのに気付きため息を殺して頷く。だが、迎えたのは冷たい視線と陰口。また、めんと言ってくる奴もいる。


「お前さえ居なければ!」


ロゼ達は、静かに見ている。


「………。」  


「君は、逆の立場を考えた事があるか?」  


「あるかよ、有り得ないんだから。」


「もし、君が僕の立場だとして君はどうする?」


「知るかよ。」


「教えてくれよ。僕が居るから、そうなるんだよな?遠回しに、死んでくれと言うことか?」


「それは………。」


思わず、オドオドする少年。


「僕は、何も自分で転生する事を選んだわけじゃない。好きこのんで軍人になったわけでもない。なら僕は、どうすれば良い?」


「…………。」


「たぶん、僕が情報を持っている以上は敵に渡したくないから軍も辞められないし。かと言って、自殺をしようとしても止められるだろう。」


「…………。」


「さて、僕はどうしたら良い?」


「分かんねぇよ。」


「僕も同じだ。文句があるなら、解決してくれ。僕だって、困っているんだから。」


そう言って、食堂から出て行こうとする。


「ファイ、ご飯は?」


「ごめんなさい、やっぱり食欲ない。」


困ったように、苦笑すると足早にその場を去る。身体が怠い……。身体が熱い……。


「ファイ!」


ファイの、様子がおかしい事に気付く。


「おい、これって熱あるんじゃ………。」


「ファイ、とりあえず部屋に戻ろう。」


部屋に戻り。ファイは、ベッドに寝る。


「俺、医者呼んでくる。」


「お願い。」


二人っきりになる。


「ねぇ、さっき好きこのんで軍人になったわけでもないって言ったよね。じゃあどうして……」


「そんなこと言ったかな?」


とぼけて遮るように言う。


若き医者バナルドが、入って来る。診察する。


「医者として、言わせて貰う。がきに、何でこんなにストレス与えてんだ!」


「………ストレス。」


「あぁ、それも最近の話じゃない。もっと前から溜め込んでいたんだと思う。」


ファイは、薬の副作用で眠くなって寝てしまっていた。顔色は悪く、表情は苦しそうだった。


「………僕のせいだ。」


「……とりあえず、俺が良いと言うまでお手洗いいがいはベッドからも部屋からも出すな。」


ため息を吐き出し、ファイを見る。


「たぶん、こいつの体重は平均体重より軽い。ちゃんと食べさせて寝る。とりあえず、拒食をなおさないといけないな。ちなみに、それもストレスから来るものだと考えられる。」


「父親失格だね……。知ってたのに、あの子のために何も出来なかったよ。」


「今からでも、遅くないと俺は思うぞ。まだ、このガキが死んだわけじゃない。もちろん、軍にいる以上こいつの事は知ってるつもりだ。だから、外に出るのはやめた方が良いけどな。」


ため息をついて、気遣うように言う。


本音で言うと、バナルドは初めてファイと会ったのだが少し会話してみても嫌いにはなれなかった。いや、むしろ気に入った。


ファイは、感情を隠すことを当たり前だと思っている所もあるし不安や心配な所もある。でも、それは、彼が優しいからである……。


コミュニケーションが、とても苦手で感情を出して良いのかすぐ迷い相手を気づかうように話を持っていく。嫌われるのが怖いから。いじめられるのが、とてつもなく怖いから……。


そんな感じがした。何か、トラウマがあるのだろう。まぁ、それも少しずつ聞き出すかな。

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