全国軍事大会
大会は、激戦だった。全部試合を言うと、長くなりそうだから少しだけ語ろう。僕たちは、何とか勝ち抜けていた。そして、対戦相手が第七小隊。
つまり、親子対決……。
「マジか……。」
「ついに来たかぁ……。」
僕とレンは、どんよりしているが他のメンバーはよく分かってない様子である。
『さて、残る試合もあとわずか!ついに来ましたよ。夢の、親子対決!』
『そうですね。私も、とても興味あります。』
「ファイ、よろしくね。言っとくけど、息子だからって手加減しないから。」
「右に同じ、覚悟しとけよレン。」
「「鬼ぃ!」」
2人でハモれば、周囲の人達は笑いを漏らす。
「おうよ、俺達は鬼強いぜ。」
「まぁ、僕としてはファイの実力を見る良い機会だと思ってるから。楽しませてね。」
2人は、エリートの軍人である時の笑みで言う。
これは、あちらは隙あらば心を折る気だ。若い芽を、摘むのはいけないが刀のように打って鍛えるのはいいと言う理屈で。思わず呟く。
「おっかないな……。」
「あぁ、ゾッとするぜ……。」
同じく、言葉の意味を理解したレンが言う。 ロゼ達は、薄く笑うとフィールドに立つ。
『それでは、試合開始!』
「さて、行こうか……。」
もの凄い殺気を纏い、歩き出す第七小隊。第七七小隊は、ファイとレン以外が驚く。ファイとレンは、表情すら変えず放たれる殺意を受け流して戦闘態勢に入り仲間に呼びかける。
「落ち着け。格上との戦いだし、緊張するのは分かるけどここは胸を貸して貰うつもりで頑張ってみよう。行くぞ……。」
「今、エリート達と戦い自分たちを見つめ返す良い機会だ。遠慮無く行こうぜ。」
ロゼ達は、殺意を受け流して仲間に呼びかける2人を見て警戒を深めると呟く。
「この間から、思っていたけど……厄介だね。特に、ファイは実力を隠してる。」
「あぁ、だけど2人さえマークすれば怖くは無い。ただファイは、転生者だし知恵と実力も不明。更に、魔法はかなり出来るらしい。」
ファイを、全員で見て頷きあう。
「………っ!?」
ファイは、寒気を感じて右に跳び振り向く。
「さすが、僕の息子だね。」
「レン!バラバラになるな!大きいのくる。」
バガーン!
「おぉ、怖え~!」
間一髪で弾くと、詠唱しながらロイと向き合うい戦闘開始する。親子対決が、本格的に始まった。
皆、それぞれ戦いにはいる。
「ファイ、いつまで遊んでるの?」
「うおっ、危な……。」
危なげなく、攻撃を回避し隙あらば攻撃する。まるで、踊っているかのような攻防戦。
「……仕方ない。ごめんよ、少し痛いかも。」
そう言うと、ファイを投げ飛ばそうとする。
「やばっ!」
ファイは、投げ飛ばされるがそれをあえて利用して距離を取り態勢を整える。
「なるほど、可愛げの無い猫だね。」
「追撃させれば、負けるから……。」
「さて、いつになったら本気出す?」
冷たい声で、問いかけると魔法を展開するロゼ。
「……今から。」
そう言うと、魔方陣を拳で叩き割る。息を呑み、慌てて距離をとるロゼ。
「なっ!?有り得ないでしょ!」
「うん、僕もそう思う。」
素早く距離をつめると、蹴りを放ち横に吹き飛ばす。更に、追撃に魔法を放つ。
「チート過ぎるでしょ!」
「まぁ、転生者として神様から貰った力だしな。だから、勝てなくても少しはまともに戦う。」
「なるほど、その力使うの無し!」
やっぱりな。と思いつつ消す。そして、体から余計な力を抜き表情を殺して魔法を展開させる。
「……。」
無言で、放たれる殺意そのものと殺意の化身と化した魔法たち。ロゼは、久しぶり背筋がヒヤッとなり。思わず、警戒を強める。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「へぇー、前より強くなったな。」
「負けたくねぇから。」
全力で、拳をぶつけ合う。魔法が飛び交い、息つく暇も隙となる激戦状態。
「でっ、いつまで遊んでんだ?早くしないと、お友達が潰れるぞレン?」
「そうだな、ファイは兎も角あいつらはやばいかもな。でも、それ以前に俺が足止めしなきゃきつくなる。親父、俺さこんな状況なのに楽しいんだ。可笑しいのかな?」
「さぁな。さて、そろそろ潰す。」
レンは、距離をとると深呼吸をして意味ありげに笑うと戦意を高め雄叫びをあげて突っ込む。
「うおぉぉぉっ!」
「おい、馬鹿!魔方陣に、突っ込む何て命知らずかよ!死にたいのか!」
思わず、躊躇して動きご鈍る。
「ありがとさん。」
ドカーン!
「危ねぇじゃねぇか!」
少し、かすったのか痛そうに言う。
「さて、ファイも殺す気だしたみたいだしやるか。胸を借りるぜ親父!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「僕も、もう歳だね。かなり、きついよ。」
「…………。」
魔法を30以上展開して、力任せに放つ。
「はぁ、まさか息子にここまで追い詰められるなんて。笑えないくらい、強いんだけど。」
魔法を躱しながら言う。
「全部を躱している人が、言う言葉じゃ無いと思うけどな。んっ?」
周りを見つめ、少し考え手をあげて言う。
「降参します!」
「良い判断だね。ファイとレンは兎も角、残りのメンバーは限界状態だ。」
審判は、頷くと旗を上げる。こうして、僕らは負けたのだった。本音では、悔しかった。




