葛藤
家に戻り、軍服を脱ぎ捨てベッドに座る。思い出すのは、2つの武器。異世界人が、あっちの味方についた以上。激戦は、まぬがれないだろう。
そして……。もしあれらが異世界の武器と分かれば、こっちの軍も確実に彼らを利用しようとするだろう。もし僕が、異世界の知識とこちらの世界の知識の両方を持つ人間だとばれたら……。
確実に、使い殺される……。
知識を奪うだけ奪い、異世界人の仲間として処分しようと必死になるだろう。
もしかしたら、親として大好きなロゼに刃を向けられるかも知れない。そう思うと、悲しくて辛くて心が痛かったのだ。
それに、転生者だと言って信じてもらえるかも不安だし何より怖がられるのが怖かった。
トントン
「………。」
「久しぶりだな。小隊長になったんだって?」
「お前達は、何を考えてるんだ。」
「んっ?あぁ、あの武器のことか?」
真剣にこう言う。
「あれが、世界の均衡状態を壊すと理解できないのか?」
「理解してるさ。でも、そうでもしないと俺らは勝ち残れない。だから、異世界人から脅し取った情報をもとにあれを作った。」
苦笑しながら、悲しそうにこちらを見る。
「これでも、俺は反対派だったんだぜ。」
「なるほど……。でっ、何しに来たの?」
「お前、次の戦争に参加するな。死ぬぞ……。」
その言葉に、やはりかと悲しみに唇を噛む。
「今度は、何を作った……。」
「言えない。でも、お前には死んで欲しくないんだ。だから、次の戦争に参加するな。」
何でだ……。僕は、どうすれば良い。どうすれば、皆で帰れる?辛くならない?
「お前は、知ってるんだな。」
「あぁ、だからなんだ?」
もう、半ば放り投げるように言う。
「誰にも言わねぇよ。俺だって、お前が使い殺されるのなんて見たくないからな。」
「………。」
「泣くなよ。辛いなら、ちゃんと話してやれ。大丈夫だ。他の奴は知らんけど、あの野郎ならきっと理解してくれる。」
僕は、涙をぬぐう。
「さて、俺は帰るから考えろ。」
その日の夜、敵を捕らえたと報告があった。言葉が、理解出来ないが会議室に連れて行くらしい。そして、そこに居たのは日本人の少女だった。




